【4話】ミアと仲良くなる
「「ごちそうさまでした」」
クッキーを食べ終えた私とミアは、声を揃えて挨拶をする。
「おいしかった?」
ミアに聞いてみれば、
「うん!」
それはもう大きく頷いてくれた。
満足してくれたみたいだ。嬉しい
「よかったわ。また一緒に作りましょうね」
「わーい!」
……あれ?
なんか私たち、ものすごく仲良くなってない?
ミアと仲良くなるという目的は成功――いや、大成功と言っていいだろう。
キッチンに広がる和気あいあいとした雰囲気に、私は確信する。
気分転換が目的で始めたクッキー作りは、まさかの形で目的を叶えてくれた。
「片付けは私がやるから、ミアはもう戻って――ん? どうしたの?」
ミアが私のドレスの裾を指でつまんだ。
上目遣いに見上げてくる。
なにこの生き物!?
かわいすぎるんだけど!!
暴力的なまでのかわいさに卒倒しそうになるも、私はなんとか踏みとどまる。
「バネッサ様はこの後どうするの?」
「うーん……特に決まってないわね。ミアは?」
「お姉ちゃんと遊びたかったんだけど、今日は一日お勉強するからダメって言われたの。だからね……その、バネッサ様と遊びたいな、なんて……」
チラッチラッと私の顔を伺う。
不安そうにおねだりしてくる姿は、控えめに言って世界一かわいい。
首が取れるんじゃないかってぐらいのフルパワーで、私はぶんぶん頷いた。
「やったぁ! それじゃ、お外でかくれんぼしよ!」
「いいわよ。お片づけをしたら一緒にお庭へ行きましょうか」
「ミアも一緒にお片づけする!」
「ありがとう。いい子ね」
頭を優しく撫でてみれば、ミアは嬉しそうに笑う。
純真無垢な笑顔は、天使そのものだ。
こんな素直でいい子に、私はなんて仕打ちを……。
湧き上がった大きな罪悪感に、きつく胸を締め付けられる。
私は居ても立っても居られず、ミアをギュッと抱きしめた。
「今までひどいことばかり言ってごめんなさい」
瞳からはポロポロと涙がこぼれ落ちていく。
きっと今、ミアは困っているに違いない。
早く泣き止まないと。
そうはわかっているけど、目からこぼれ落ちていく雫は次々と溢れて止まってくれない。
「どこか痛いの?」
「うん。心がね……とっても痛いの」
「痛い痛いのとんでけー!!」
今度はミアが私の頭を撫でる。
「これは魔法のおまじない! こうすれば痛くなくなるって、お姉ちゃんが教えてくれたの! ミアがやるのは初めてだけど……元気になった?」
「……ありがとう。おかげでとっても元気が出たわ。もう平気よ」
より強く、ミアを抱きしめる。
このとき私は決めた。
これからは一人の母親としてリーシャとミアに向き合い、しっかりと育てていこう、と。
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