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いじわる継母の心変わり~これまでの行いを猛省した私は、家族と仲良くなろうと奮闘する~  作者: 夏芽空


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【27話】再会


「あ、私にもう一度『俺を受け入れろ』って言う気でしょ? さっきも言ったけど、それは絶対ナシだから!」

「そうじゃねえ」

「じゃあどうやるのよ?」


 闇の力を宿す以外に、私が生き残る方法はない。

 それを拒否したなら、もうどうしようもないじゃん。


「助かる方法は一つだけと言ったな。あれは嘘だ」


 えーっ! 嘘だったんかい!!


「実はもう一つある。俺がお前の体から自主的に離れることだ。そうすればお前は目を覚ます。嬢ちゃんと同じく体に多少のダメージはあるだろうが、命に別状はないだろう。これでお前はまた家族に会えるって訳だ」


 これで死なずに済む。もう一度三人に会える。

 私にとっては、願ったり叶ったりの提案だ。拒否する理由なんてどこにもない。


 けれど。


「……どうして助けてくれるの?」


 私にはディオニスの意図がわからない。

 

 私を助けたってなんにもならないはず。

 破壊行為を目的とする邪神が、どうしてこんなことをしてくれるんだろう。


「お前を大切に思う家族の気持ち。俺にもそれが伝わってきた。そいつに触発されちまったって、それだけの話だ」

「……もしかしてあなたって、意外といい人だったり?」

「そんな訳あるか。俺は邪神だぞ」


 ディオニスが照れくさそうに笑う。


「私から出ていったら、あなたはどうなるの?」

「しばらくはじっとしてるさ。今回のことで、かなりの力を消費しちまったからな。力を蓄える必要がある。安心しろ。500年はなにもできないからよ。次に俺が現れる頃にはお前はもう墓の中だ」


 いやそれは、生きていないでしょうけど……。

 もうちょっと言い方ってもんがあるでしょうに。


「もし500年経って力を取り戻したら、あなたはまたやっぱり同じことをするの?」

「そうなるだろうな。それが俺の生き方だ。こればかりは変えられない。……そんなことやめろ、とでも言うつもりか?」

「いいえ。あなたの生き方を否定する権利は誰にもないもの」


 たとえその相手が、邪神だとしてもね。


「本当に変わったやつだ。……なぁ、最後に名前を聞いてもいいか?」

「バネッサ。バネッサ・ドルムントよ」

「お前みたいな人間に会えてよかった。バネッサ。お前との出会いに感謝だ。達者でな」


 ――優しい笑顔で送り出す。

 私の頭に浮かんだのは、そんなイメージだった。

 


 

「――っ!」

 

 目が覚める。

 

 真っ暗闇ではなく、そこは馴れ親しんだ私室のベッドの上。

 どうやら私は、無事に戻ってこられたらしい。

 ありがとうねディオニス。


「お母様!」

「ママ!」


 体を起こすと同時に、リーシャとミアがいっせいに胸に飛び込んできた。

 顔は涙でぐしょぐしょだ。

 

 それを見ていたら、私まで涙が。

 もう一度この子たちに会えたことが、死ぬほど嬉しかった。

 

「ごめんなさいお母様! 私のせいで……!」

「気にしないで。私はなんともないから」


 そっとリーシャの頭を撫でる。

 と、

 

「よかった……本当によかった!」


 リーシャとミアごと、レオネル様におもいっきり抱きしめられる。

 

 ええっ!?

 

 レオネル様とは思えないあまりにも大胆すぎる行動に、それはもうビックリ。

 もちろん嬉しいんだけどね!

 

「キミを失うかもしれない。そう思ったら俺は……俺は……!」


 レオネル様の体が震えている。

 この半日、ずっと恐怖心と戦いながらも私に回復魔法をかけ続けてくれたのだろう。

 

 ああ。やっぱり私、この人のことが好き。

 

「レオネル様。もう一度あなたに会えてよかったです」


 レオネル様の大きな体を抱きしめ返す。

 胸に顔をつければ、大好きな温もりが私を包んでくれた。

 

「バネッサ。キミは俺にとってかけがえのない存在だ。愛している」

「私もです」


 体を離した私は、レオネル様と見つめ合う。

 そしてどちらからでもなく、二人は顔を近づけていくのだが、

 

「ママとパパ、とっても仲良し!」

「こらミア! 今はそういうこと言っちゃダメでしょ!」


 挟まれている娘たちの声が、私たちの動きを止めた。

 

 あ……リーシャとミアがいることをすっかり忘れてた!

 

 娘たちの前で私はなんてことを!

 うぅ、恥ずかしっ!!


 火傷したみたく頬が熱くなる。

 レオネル様の顔も真っ赤になっているけど、きっと同じことを思っているに違いない。

 

 

 

 前世の記憶を取り戻してから今日まで、本当にたくさんのことがあった。

 

 それらの出来事を通して、私は未来を変えられたんだろうか?

 それはまだわからない。

 

 でも、思う。

 この幸せが続く限り、破滅の未来は訪れないってね。

 

 よーし、これからもハッピーな生活を続けていくぞぉー!

これにて完結です!

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!


もしよければ、【↓にある☆☆☆☆☆から評価】や、【ブックマーク登録】をしていただけると、とても嬉しいです!


それではまた、次回作でお会いしましょう!

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