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【1話】破滅の未来を回避するために


「嘘でしょ……。ここがゲームの世界と同じだなんて……!」


 午前八時。

 寝室の床に横たわる私は、悲鳴にも似た声を上げる。

 

 つい、五分ほど前のこと。

 ベッドから転げ落ちたことで私は、前世の記憶を思い出した。

 

 それによって気付いた。

 ここが前世の私がやり込んだ乙女ゲーム――マジカルライト・ラバーズ(略称:マジララ)の世界であることに。

 

「……てことは私、これから死んじゃうじゃん!?」

 

 マジララは実の姉妹がヒロインとラスボスとして登場し、魅力的なヒーローたちと関わりながら物語を展開していくという内容になっている。

 

 私――バネッサ・ドランシアもその姉妹の継母としてゲームに出てくるのだが、なんとこのキャラクター、どのルートでも殺されてしまうという不遇すぎる運命を背負っていた。


 生き残るルートは皆無。

 確定した死が約束されている。

 

 はぁ……マジかぁ。

 私まだ18歳だよ? いくらなんでも早すぎるでしょ。

 

 とりあえずやりたいことを片っ端からやろ。……どうせ死ぬんだし。

 

「…………いや、ちょっと待って。諦めるのはまだ早いかもしれないわ」

 

 逃れられない運命に諦めかけていた私だが、ここで重要なことに気付く。

 

 ゲーム開始時の年号は、王暦800年。

 そして今現在、王暦795年。

 

 ゲームが始まるのは、五年後の未来。

 つまり、まだ死ぬまでに五年の猶予がある。

 

 今から対策を練れば、死の運命を変えられるかもしない。

 無駄な悪あがきかもしれないけど、なにもやらないで殺されるよりはずっとマシってもんよね。

 

 そこでまず大事になるのは、やはりバネッサが死ぬ理由だろう。

 どのルートでも殺されてしまうバネッサなのだが、犯人はほぼ毎回決まっている。

 

 その人物の名は、リーシャ・ドランシア。

 ドランシア公爵家の長女であり、ゲームではヒール兼ラスボスとして登場する。

 

 リーシャはバネッサに対し、日頃から強い恨みを持っていた。

 長い間理不尽ないじめを受け続けてきたからだ。

 

 ゲームの終盤でリーシャは闇堕ちするのだが、その際、まず初めに一番憎い相手であるバネッサを殺害する。

 これがどのルートでもバネッサが死んでしまう理由だ。

 

 そしてここからは、リアルの話。

 

 隣国の伯爵家からこの家に嫁いで三か月が経った現在、私は親という立場を利用してリーシャとその妹のミアを毎日のようにいじめている。

 マナーがなってないだの、言葉遣いが気に入らないだの、細かい粗を探してはいちゃもんをつけている。

 

 要は、いじわる継母。

 両親によって勝手に決められた政略結婚への不満を、義娘たちに八つ当たりしていた。

 

 このままだとリーシャに殺されることは避けられない。

 義娘たちへのいじめはもうやめだ。

 

「ま、それ抜きにしてもいじめなんてもうしないけど。小さな子どもに当たるなんて最低だもの。……本当、なにしてたんだろ、私」


 まっとうな女性として生きていた前世を思い出した影響からか、私の中に変化が生まれた。

 

 これまでの理不尽な行いの愚かさに呆れ果て、ひたすらに反省する。

 もうこれまでのような、傲慢で自分勝手で理不尽な立ち振る舞いはできない。

 

 だが、これだけでは足りない。

 単にいじめをやめただけでは、この三か月で私がしてきたことに対する憎しみの炎は消えないはず。

 

 この問題を解消するには、きちんと謝罪し仲良くなる必要がある。

 きっとそれこそが、闇堕ちを防ぐ唯一の突破口だ。

 

「そうと決まれば、さっそく行動あるのみよ!」


 立ち上がった私は肩にかかる長い茶色の髪を手で払い、緑色の瞳をカッと見開く。

 部屋から出て向かう先はもちろん、リーシャのところだ。

読んでいただきありがとうございます!


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