表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/54

No.36 計画は十分に


No.36 計画は十分に





ワームの駆除を決行するにあたり、手順とタイミングを含めた諸々の作戦を練る。



深い層に繋がるトンネルの入り口は、一応封鎖の表示と格子扉に南京錠が嵌められ、日中は順番に見回りがあるが夜間は警備が緩いらしい。


と言うのも、日中は子供等が誤って侵入しない様にする為の警備がメインらしく、中に危険生物が居るのを分かっていて、入る大人がそもそも居ないからだそう。



決行は明日の日没後、警備が居なくなった所を見計らってトンネル内部に侵入。


中の広い空間部分はトロッコ乗り場になっていて、通常では鉱山が稼働していない場合、トロッコはこの場に戻るのだが、ワームが地下で出た時から各々の採掘場所で置き去りになっているらしい。


仮にトロッコがこの場所にあっても、乗って下った先でワームに出くわすと邪魔になる。

どっちにせよ徒歩で下ると言う事だった。



住み着いているワームは浅い階層の石炭よりも、もっと価値の高い鉱石の方が好みの様で、基本深層から上がっては来ないが、異変を察知すれば向かって来る事も十分想定される。


また、硬い岩盤をも砕く顎と歯を使い、壁から突然現れるパターンも過去にあったらしく、油断は禁物。



「余り狭い空間だと、戦闘がし辛いな・・・広い空間に誘き寄せる必要も出てくるか・・・」


「大体になるが、採れる鉱物で凡その階層が分かれているから、切り替わる時は広い空間になるよう設計されているはずだ。地上に鉱石を上げる前に一度集めて置く、集積場の様な場所だ」


「なるほどな・・・」


坑道の設計図を横から眺めると、かなり入り組んでいて本当に迷ってしまいそうだ。


「ただ、作戦らしい作戦は余り意味が無いかも知れない。向こうさんもドワーフの戦闘部隊を蹴散らしているから、それなりの知能はあるかもな・・・」


「大まかな地理だけ頭に入れておき、その場その場でやり方を変える。最終的に駆除出来れば問題無い」


「そう言やぁ、お前さん冒険者って言ってたな・・・?どのくらい強いんだ?」


「S級だからそこそこ戦えるつもりだ」


「Sだぁ?!!」


モーゼさんの質問に、サラリと言ってのけるヴィクターさん。

S級はギルドの中でも数える程しか居ないとは聞いていた。そう言う反応になるのも頷ける。



「ははっ・・・こりゃぁ、ひっとするとひょっとするかもな・・・」


「ワームの討伐経験は余り無いが・・・ぬか喜びにならない様には務めるつもりだ」



半年間停滞していた状況が動くだけでは無く、上手く行けば元通りの生活に戻る事が出来る。モーゼさんはそんな期待から、早くも勝ちを確信している様子だ。



「ところで、お前さん達今晩泊まる所あんのか?」


「いや、これから宿屋を当たろうと思っているが」


「なら丁度良い、3軒隣に宿屋があるから話つけてやる。ちょいと待ってな、部屋は1つで良いか?」


ありがたい申し出にお礼を言おうとしたが、最後の一言に目を瞬かせる。

それから、ヴィクターさんの方を向くと、こちらも眼を見張ったままだ。



「っ違います!!良くありません!!2つ!!2つでお願いします!!!良いですよね?!!私まだスライムの時のお金有りますし、使うとしたらこう言う時ですよね?!」


「そうだな、別で部屋を頼みたい」


「そうかい?てっきり・・・いや、勘違いしてすまなかった。2部屋だな、任せろ」



多分、完全に誤解されている。

この世界の基準はよく分からないからなんとも言えないが、冒険者で複数人だと間違われやすい事もあるのかも知れない。


そもそも私は、シルビアではヴィクターさんのお家に間借りさせて頂いている身で、今更何を言うかと思われるかもしれないが、それはそれだ。


・・・改めて聞いた事は無いが、割と歳が近い気もするから、そう見えたのだろうか?



何にせよ、明日は気張って行きたい。

ワームを倒して、ドルガニルに平和を!そして、壊れた剣を造って貰う為に!


────いや?待って欲しい。私は明日の作戦参加はどうなるのだろう?

話を横で聴いてはいたが、私は実践経験もほぼ無い冒険者になりたての一般人だ。


力になれる事などあるのだろうか・・・?


「ヴィクターさん、あのー・・・」


「どうした?」


「私って、明日の作戦には参加出来るのでしょうか?」



お留守番のパターンも十二分に有り得る。

経験不足の身の上ではあるが、現場仕事は現地に行かなければ、その足りない経験を積む事が出来ない。


現地の環境、立地、現物、体感、予期せぬ不測の事態それら全てを見て感じない事には、所詮私の脳内で行われた畳の上の水練に過ぎないのだ。



「勿論参加して貰う。但し、一般的にワームの討伐に必要なランクはC級だ。だが、今回は大きさもあるが、希少金属をも食べる特殊個体と言う事を考えると、A級に近いかも知れない。無理をさせるつもりは無い。危険を感じたら即退却する事だ」


「はいっ!頑張ります!ありがとうございます!!」



自分の体を過信する訳では無いが、今の所は当たり負けした事は無い。

危険を感じて逃げ切れなかったとしても、全力で体当たりすれば、敵が怯む位のダメージを与えられるかも知れない。


まぁ、失敗してグッバイ今世は覚悟をしての話だが。



両手の拳を握り締め気合を入れていると、モーゼさんが「宿の手配は出来たから、晩飯にしよう」と、そのままお家でラナさんお手製のご飯を頂く事となった。


雪が多い山間の街では、香辛料をふんだんに使った料理が一般的だそうで、初めて食べる料理は大変美味しく体の芯から温まった。



明日に備えモーゼさんのお家を後にし、宿屋へと向かう。

受付で部屋の鍵を渡され、支払いをしようとしたのだが「もう貰っている」と断られてしまった。


「モーゼさん、でしょうか・・・」


「確実にそうだろうな」



明日の作戦は絶対に成功させなければ・・・と、強く決心した。





.

いつもお読み頂きありがとうございます!



ネトコン14に折角なので参加してみていますが、最終日迄にストーリーがキリの良い所迄届かない為、そこ迄一気にアップするべきか悩んでいます…


折角なので、区切り良くした方が良いのか…ただ、その場合は、ストックの関係で、更新が週1回に一時的ですがなってしまうので、悩みどころです…


土日でもう少し考えてみます_:(´°ω°`」 ∠):_

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ