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冬の妖精
国の王様がお触れを出した事なんて誰も知らない。
だって、こんな吹雪のなか広場の掲示板を見る大人なんていないのさ。
僕だって妖精のお喋りを聞いて、初めて知った。
「何で女王は泣いてるの?」
「坊や知らないの?うちの姫様は泣き虫なのは有名だよ」
「春がやってこないから、この国を出られないって毎日シクシク泣いてるの」
ココアのお髭をつけた妖精たちは溜め息をつく。
「このままじゃあ、この国はずーっと冬のまま」
「そりゃあ、困ったな。春はどこにいるんだい?」
僕は冬のソリ遊びも好きだけど、春のはちみつも好きだからね。
「きっと、お隣の国の搭でしょうね」
「お寝坊さんだからお昼寝中かも」
分かるなぁ、春の日向ぼっこは気持ちいいもんね。
「ふーん。じゃあ、僕が起こしてくるよ」
妖精たちは顔を見合わせて僕に言った。
「それじゃあ、坊やにいいものをあげるわ」
「その残りのココアと交換にね」




