第13話
とりあえず白鳥の能力に干渉して、なんとか攻撃を避けなければ。
ーLevel9 《漆黒の書》の接続完了ー
(これでやっとみえる‼︎)
視界に無数の暗黒物質の攻撃によって作られた網と、頭上から降ってくる暗黒物質の雨がみえた。
しかし、見えたからといって避けられるとはいかない。
「多すぎだろ」
暗黒物質の網をくぐり抜けながら、頭上から降ってくる攻撃を避けなければならない。
一歩でも間違えれば確実にやられる。そんな緊張感に握る手に汗がにじんだ。
ベクトル、摩擦、空気抵抗などあらゆる手を使い体を加速させる。
網をくぐり抜けるために左、右に進みながら確実に白鳥までの距離を縮めた。
時には後ろに下がり上から降ってくる攻撃を避けて、フィールドを駆け巡る。
「なんなのよ。なんで当たらないのよ」
どうやら当たらないことにいらついたのか。白鳥は今度は上ではなく真っ直ぐ誠一に向かって両方の攻撃を放つ。
流石の誠一も回避行動を取るが、全て避けられるはずもなくいくつかかすり傷を負ってしまった。
それでもなお誠一は止まることなく、つき進む。
そして、白鳥までの距離まであと数メートル。
「させないんだから」
そういうと白鳥はかざした手から暗黒物質が大きく広がり、そのせいで空間が歪み、白鳥が見えなくなるような壁ができた。
しまった、このままでは同じことを繰り返してしまうと誠一は心で思った。
たとえ近づくことが出来ても、攻撃を反射されては意味がない。
ここまで来て策がつきた。
あとはあの壁をなんとかすればいいのだが、その方法があるはずもない。
(やっぱり使うしかないのか)
この際どうにでもなれとでもいわんがばかりに真っ直ぐ見えなくなった白鳥に対して突き進む。
そして壁に体を突っ込んだ。
「いっけぇぇぇ」
本来なら誠一は跳ね返されそのままやられるはずだったのだがーー
「えっ」
あまりのことに白鳥は呆気を取られたような顔をしていた。
白鳥の目の前にあった壁が消えたのだ。それによって暗黒物質の網も消えた。
白鳥は目を大きく見開き、なにがおきたのか理解できない顔をしている。
ここがチャンスとばかりに誠一は白鳥に近づく。
日々腕が上達していけれたらいいなと思って書いてます。(相変わらずねむいです)




