核兵器の扱い
統合軍参謀マニュアルで、原子兵器という名称で核兵器の扱いがたびたび登場していたので、少し解説を。
戦略軍の説明でも触れましたが、アメリカはもちろん、ロシア、中国、イギリス、フランスは今現在も核兵器を保有しており、いつでも使用できる状態で管理しています。核戦争となると映画でもめったに話題に上りませんし、遠い世界の話のように聞こえますが、システムとしては今から核戦争をすることも可能なようになっています。
他方、冷戦の頃と比較して大きく変化したのが、核兵器を戦場で使うかどうかということです。
この場合の戦場とは、大都市とか軍事基地ではなく、ただの戦場。草原とか森林地帯にいる敵部隊に向けて大砲を撃つが如く核兵器を撃ち込むということです。
今では考えられない話ですが、冷戦期のアメリカ軍は真剣に核兵器の戦術利用を計画しており、補給物資一覧の中に水や食料と並んで核弾頭という信じられない言葉が登場します。
核兵器使用のタイミングも、ひとたびGOサインが出れば、大統領ではなく現地指揮官。この場合、師団長や軍団長などに核弾頭の使用許可が与えられます。何をどう考えればこういう発想になるのかは私にもわかりませんが、少なくとも冷戦中のアメリカ軍の戦闘マニュアルにははっきりとこうした記録があります。
統合軍参謀マニュアルにも記載がありますが、これは敵、当時のソ連も同様と考えられていて、敵が核兵器を使うことに備えよという意味合いの文書が書かれています。
具体的には核兵器を使われると一網打尽に味方が壊滅してしまうので、部隊を分散配備しろとか、核の灰が降り注ぐ恐れのある地域に味方部隊を進軍させる場合は十分注意するようになどです。意味が分かりません。