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統合運用(自衛隊の場合)

 自衛隊のことですので、統合軍参謀マニュアルにはもちろん書かれていませんが、身近な事例なので紹介します。

 自衛隊が統合運用を本格的に始めたのはごく最近です。


 どれくらい最近かというと、法律の改正で実質的な機能強化がされたのが2006年です。日本軍の歴史自体は幕末あたりの新政府軍から系譜があり、100年以上の歴史を持ちますが、統合運用はほんの10数年しかしておらず、未だに試行錯誤をしています。


 アメリカ統合軍のような常設で組織されている部隊はまだごく少数で、指揮通信システム隊や情報保全隊など後方支援部隊にしかなく、アメリカインド太平洋軍や中央軍のような戦闘組織も含めた統合部隊は常設としてはまだありません。



 ※自衛隊の地位自体がまだ低くみられているところもありますし、防衛”省”に昇格したのも2007年とこれまたごく最近なので、軍隊としての地位を確固としつつある中ではあります。



 自衛隊初の統合運用事例である、BMD統合任務部隊について説明します。


 BMDとは、弾道ミサイル迎撃のことで、この場合北朝鮮のミサイルを撃ち落とすことを任務としています。

 このときは、海上自衛隊のイージス艦と、航空自衛隊のレーダーサイト、防空ミサイル部隊等をBMD統合任務部隊司令官が一元指揮しました。

 ちなみにこの任務部隊司令官は、普段から日本の空を守っている航空自衛隊の航空総隊司令官が兼任しました。


 流れとしては、

 ①航空自衛隊のレーダーや海上自衛隊のイージス艦のレーダーの情報を元に、飛んでくる弾道ミサイルを発見


 ②航空自衛隊の対空ミサイルか海上自衛隊のイージス艦搭載のミサイルで撃ち落とす

 ことを計画していました。


 はたから見ると統合する必要がないようにも見えますが、監視範囲が日本海のほぼ全域とでたらめに広く、日本列島上の監視しかできないレーダーと、逆に海上しか監視できないイージス艦単体ではあまり相性が良くなく、それぞれが持っている情報を一元的に運用して初めて迎撃ができるというレベルのものでした。

 迎撃に一番向いているミサイルが、海上自衛隊なのか航空自衛隊なのかも実際に北朝鮮から発射されないと判断できないというのもありました。


 ※この司令部は航空総隊司令部にそのまま置かれましたが、当時はともかく現在その司令部は米軍横田基地内にあります。内情は任務の性格上公にされていませんが、米軍のレーダーや人工衛星のデータともリンクさせているという話も噂としてあります。

 前回の核兵器の話で、統合軍参謀マニュアルの中身はほぼ網羅しています。この先は統合軍に関する蛇足的な話を数話書いて終わる予定です。

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