サマーレ会戦~突撃は繰り返される~
完全に辺りは明るくなりまた前線は緊張状態になっていた。騎兵隊は壊滅したものの第三近衛師団の本隊が到着していたからだ。士気の高さは気配から違っていた。
「おいおいおい・・・あの数やべえんじゃ・・・」
「敵の兵力は底なしか!?」
どんどん増えていく神聖プロシアの兵士をみて南方軍兵士に動揺が走り、士気が下がり始めた。攻撃しそうな勢いで神聖プロシアの兵士は歓声を上げていた。
ちょうどその時、増援部隊の先鋒隊が到着
「助かった・・・・・戦力不足で防衛線突破されそうでした。どうも突撃砲兵隊長ミリアです」
「よく耐えてくれた。ここは我々ミニア第2歩兵旅団が逐次交代する。休憩してくれ」
「ありがとうございます。我々は少し後方に後退します。この機銃群はしばらくこのままにしておきます。」
突撃砲兵隊は自走榴弾砲と共に下がり戦力が復帰するまで補給駅近くに野営することにした。
一方ミニア第二歩兵旅団は、後続を待たずそのまま塹壕に配置され神聖プロシアの第三近衛師団と対峙、塹壕の間では緊張が続く。
各車両一人ずつ残し他の突撃砲兵隊員は自走砲周辺で睡眠や休息を始めた。鉄道のダイヤごとに補給の駅からどんどんとミニア第二歩兵旅団の戦力が増強され戦力低下による突破の恐れが薄くなった。
「敵が増強が完了するまでに突破せねば・・・砲撃後攻撃を開始する」
敵の前線に動きが見られた。隠ぺいしていた牽引榴弾砲を移動し攻撃姿勢をとる。
「敵に動きあり!砲撃が来る!」
ミニア第二歩兵旅団は退避行動をとり始めるがその途中で砲撃が開始された。
始めて塹壕で榴弾を受ける兵士は混乱、慣れている南方軍の兵士は混乱はしていなかった。
塹壕の中央部に熾烈な砲撃が2時間ほど加えられ、ミニア第二歩兵旅団の兵士は顔を出せない。
砲撃が止み5分もしないうちに突撃の声が聞こえ足音が聞こえ始めた。
すぐさま南方軍の兵士は機銃にしがみつき迎撃態勢を取る。神聖プロシア第三近衛師団は30口径機銃が増設されていることとは思わず突撃を敢行する。
前線全体が叫び声が聞こえ、塹壕の前が神聖プロシア第三近衛師団の兵士で埋め尽くされると新兵は恐怖で反撃どころではなくなってしまった。
幾度も突撃を跳ね返した30口径機銃と南方軍兵士はその中に向かって撃ちまくる。
神聖プロシア第三近衛師団の兵士が次々と倒れ連日突撃して倒れた神聖プロシアの兵士の上に倒れ死体の山脈が形成されていく。
時間が経つにつれフル稼働していた30口径機銃が過熱気味になりどんどん連射速度が低下し神聖プロシアの突撃が50mを切った。
「もっと増援が来ないと反撃できないな・・・着剣!総員白兵戦闘に備えよ!」
こうして白兵戦闘へ移っていくのだった。