目的なんだったっけ
一日中遊び(買い物)して回り、やっと帰ったのは夜でした。
戦利品を持ったまま伊予ちゃんの部屋に行ったら、帰りが遅い事を心配した天龍さんが待っていました。
「……そして、結局服は買わなかったと」
「え?」
「えっ!?」
言われてみれば、私の服を買いに行ったのでした。
すっかり忘れてました。
伊予ちゃんの普段着とか、伊予ちゃんのドレスとか、伊予ちゃんのコスプレしか買ってなかったです。
あ……あと、一応私のアクセサリー?(部隊章ってアクセサリーで良いのかな?)
「……っと、そんな訳でスズ姉!」
は、はいっ!なんでしょうっ!?
「服は自分で用意してねっ!」
「あ、うん。それは良いんだけど……ノーヴのデザインに合わせた方が良いとか有ります?」
ドレスコードとかも有るだろうしね。
日本で言えば……ちゃんとした正式な着物はOK、リクルートスーツ程度はダメ。とか。
第○種礼装で全てがOKな所だったから、あんまり私も詳しくないんだけど……。
「あまり奇抜な服装はご遠慮願いますが、『カムイ』の方々の正式な礼装は基の世界に準じます。どこの国の『導き手』であろうと、他の世界から来た方に私達の世界の服装は強要しません」
基の世界準拠ってコトは礼装で良いかな。
後で練成しておかなきゃ。
「スズネさんは練成魔法?具現化魔法?で作りだせると思いますが、出来ればこちらの世界の職人に作らせて下さい」
「異世界のファッションを習熟するため。ですか?」
この世界の人に作ってもらえば、デザインや製法が伝わるからね。
まだ伝わってない技術なら、それも『カムイ』の功績に……ってことかな。
「あぁ、そのようにも取れますね。単純に、『身に付ける物を作らせるほど信用している』と表明する為です」
なるほど。
確かに、信用していない人達が作った服は着れないか。
特にこの世界は魔法が有るんだし、魔道具とかで何をされるか分からないしね。
「スズネさんの心証次第なので、私達としては強制できません。私達ノーヴの民に衣を委ねて頂けるなら、と言ったところです」
「そう言う意味ですか。別に問題無いですから、作ってもらう事にしますね」
ノーヴを信用しない。と言う選択肢は、今の私には有りません。
もしかしたら、何か後ろめたい事とか有るのかもしれません。
だけど、私を保護してくれ、色々この世界の事を教えてくれた。
何より、ノーヴの国風……と言うか雰囲気は好きですから。
「とは言っても……私も製法とか寸法は良く分からないので、一回見本になる服を生み出してお渡ししますね」
型紙を作って渡すわけにもいかないのですよ。
何故なら……私、裁縫苦手なんです。
ボタンを無理やり付ける程度しか出来ないので……元の服を知ってても、その型紙を作って~みたいな事は無理なのです。
「ありがとうございます。早速、出入りの……」
「服屋さんならナスネさんが良いよー!今日いろいろ試着させてもらったお店ー!」
ん~と……。
あぁ、思い出した!ナスネさんって、事務仕事してるエルフさん。
メイド風とか馬○道風とか、可愛い服一杯置いてたお店だ!
「いつもお願いしてるヨミ爺のお店はダメだよ天龍さん。生地の厚い男物は得意だけど、生地の薄い女物は苦手。縫製の細かさとデザインセンスはナスネさんが一番だよ」
流石、色んなお店を遊び歩いてる伊予ちゃん。
そんな細かいところまで……。
……もしかして細かくないのかな?
服なんて凝った物着ないからさっぱりなのです。
ジャージ一着有れば良い!
……女捨ててるって?
うっせ!分かってるって!
良く有りますよね。
買い物に行って、目的の物買い忘れて別の物ばっかり買ってくる事。




