二話 アイテム作成は俺たちの生命線
二話目です。
ストックは尽きた
「いったいどういうスキルなんだ…」
アランが困惑委した様子でこちらに訪ねてくる。
「いやぁ、よくわからんけど想像したものができた…」
たぶん異世界転移特典のチートです。とも言えるわけもなく、というか言ったらやばい奴扱いされるかもしれないし適当に話を逸らす。というかアラン君や、君絶対天才って言われる類の子だよね、会話の内容が小学生くらいの子じゃないよ?焚火の材料を取りに行ったお友達二人に比べて精神が完成しすぎてない?
ほらみてよミトスもサイランも無邪気に木の近くにある枝と葉っぱを集めてるのに…というかあの子ら足はっやいな
「魔力は?魔力を使った感覚はあるかい?」
「あー、たぶん?自分の中から何かエネルギーみたいなものが出ていった気がするし?」
たぶんあれが魔力かな?あんな感覚初めてだったし
「なるほど、魔力を用いてイメージを具現化する?いやその刃物は石でできたものだし素材が加工されたものが出来上がるのか?」
すっごい分析してる。この子あれだね、絶対俺より頭いいよね。なんでこの子を海賊は置いて行ったんだ?絶対高く売れるだろ…不謹慎だけど、あーでもあれなのか船に乗ってるときはすごいおびえていたし賢いところが見れなかったという点では仕方ないのか?
「タケル、質問だ。魔力残量はいくらくらいだ?できればすぐに作ってほしいものがある」
「魔力残量…?」
俺はそうアランに聞かれたのでさっきの感覚を思い出しながら少し考えてみる、さっきの包丁を作るだけでもかなり疲れたし、正確な消費量が分かるわけでもないけどあと4回くらいは余裕で行けると思う、その回数超えたら倒れる気がする。おそらくだが
「んー4回はできると思うぞ、感覚だけど」
「いや、十分だ。君がここにいてくれて助かった。生きる希望が見えたよ」
ものすごく感謝した顔でそう言いアランは頭を下げた。い、いい子だぁ…すっごいいい子だ
「まず一つ目に作ってほしいものは石を用いて剣を作ってほしい、これでも僕は父上の雇っていた護衛から剣術を習っていたんだ。剣があれば一対一ならば魔物相手でも勝てる可能性がある。現時点では水源を探すことが最優先だと思うから僕らのこれからのためにもお願いしたい」
わぁ、すごい、この子ほんとに子供か?物語の主人公といわれても信じるくらいかっこいいぞ
「了解、剣の長さとかここをこうしてほしいとかはあるか?たぶん反映させられるぞ」
「本当かい?それは助かるよ。じゃあ、グリップは持ちやすいように細めに、剣の長さも僕の背丈に合わせてくれると助かる。あと片刃でお願いするよ僕の先生が片刃使いで僕もそちらに慣れてしまったんだ」
「片刃?なるほど、了解」
俺はそう言って浜辺に落ちている大きめの石に手をおいて目をつむり、鮮明にイメージ図を作った。片刃片刃、要するに刀みたいな片方に刃がある西洋剣を作ればいいのかな?とりあえず昔アニメで見た剣を鮮明に想像してみる。
「アイテム作成片刃石剣」
俺がそういうと先ほどよりも3倍ほどの魔力が石のほうに流れ大きな石が立派な剣になった。しっかりと剣のイメージが反映されていたのか想像通りの出来である、のだが体がだるい…立っているのもかなりつらくなりふらふらしている状態である。
「っーーアランごめん、このスキル作るものによって魔力の消費量が違うみたい、もう魔力が切れたっぽいわ」
「タケル!大丈夫かい!?」
アランはそう言い急いで俺の体を支えてゆっくりとその場に座らせてくれた。たすかるぅ…
「すまない、僕のミスだ魔力の消費量に違いはあるだろうなと予想はしていたがそこまで違いがあるとは…」
予想してたんだ、すごいね…
「いや、大丈夫問題無い、これは必要な検証だったと思うし目当ての剣もできたからな、ただ俺はもう当分動けないから探索は行けそうにない、すまん」
うーーん、しんどい体が本当にだるい、これからは気を付けて使わないと…今は休憩して、そのあと動けるようになったら砂浜の探索にでも行くことにしよう、うんそうしよう
「あぁ、わかったなら…サイラン!!タケルが魔力切れで動けない!代わりに探索についてきてくれ!」
「ーーーわかったあああああ!」
アランがそう大きな声を出すと、かなり遠くからサイランの声が聞こえてきた。って、かなり遠くまで行ってるな。
数秒後二人が戻ってきた。
その後とてもテキパキとした動きで焚火が出来上がり火が付いた。
すげぇ、身体強化(スキル未満)えげつない勢いで枝を回転させて火種を作ってた。
というわけで俺の仕事は焚火の灯を絶やさない係だな。あとはもう出発してしまったアランにこれからの動きを考えていてほしいといわれたのでいくつか案を考えていこうと思う、ちなみにミトス君は砂浜で漂流物を探したり、使えそうな流木や枝、物資を探しに行った。護身用として石包丁を持って。
さて、一人の時間である。とりあえずいろいろ考えてみることにしよう
「ふーーー」
俺はそうかなり深い息を吐いてとりあえず今の状況を整理し始めた。
現状
1 俺はアイテム作成というチートが使えるが魔力量が原因でそこまで大したものは作れない
2 子供たちは魔力を使って日本人の大人よりもすごい運動能力を発揮できる
3 水がやばい、食料もやばい
4 この島がどのあたりにある島なのかわからない、海族船が進んだ方向は俺もアランも覚えていたからそちらに行くことさえできればもしかしたら陸がある?
5 半年迎えは来ないし、来るかも定かではない(海賊が討伐されるもしくは俺たちのことを忘れる可能性がある)
こんなところだろうか、うーんほんとにやばいな、俺のチートがあるとはいえ4人で暮らすのなら島の恵に頼っていると限界がすぐにきそうである。そこまで大きな島でもないと思うし。
じゃあ次にしなければならないことを考えてみる。
しなければならないこと
1 拠点づくり、水場が見つかればそのあたりに作るのが最適だが、もし万が一にでも海に船が見えた際助けを求めやすいのは砂浜なので拠点は砂浜がベター
2 島にある食料(野草や果物キノコなど)を見極める。もしくは海で魚や貝を取ることを考え釣り竿、もしくは銛を作る。
3 水の確保、水源があればいいがなければ他に水を得る手段を考えなければならない、幸い海の水を真水にするろ過装置の構造は簡単にだが覚えているので魔力が回復次第アイテム作成で作ってみようと考えている。ただできる可能性は限りなく低いので期待してはいけない、昔動画で見ただけだし
4 船を作り脱出する期限は半年?もし海賊が約束を守って半年後に来たらかなりまずい、俺にはもうスキルがあるので奴隷確定である。逃げないとやばい
この四つかな、水場はアランたちが見つけてくれることを願いつつ、俺は拠点を充実ためにアイテム作成で物を作りまくる。アランたちには食料を取ってきてもらい、徐々に船を作り出していく。この方針で行くのがいいかな?
さて、考えているうちに1時間くらいたっただろうか、魔力も少し回復してきたので動けるようになった。さすがにアイテム作成はまだできそうにないが砂浜に仮拠点を作っていこうと思う。サイラン、ミトスがすごい量の枝や木、石を取ってきてくれたからそうだな、屋根を作っていこうか!
「うっし!やるか!」
俺はまずかなり太い木の流木(丈夫そうなのを拠点にする予定のところのど真ん中に全力で刺した。その後倒れてこないように刺さった流木を太い木をハンマー代わりに使ってどんどんと深く差した後ギリギリ転がして運べる大きな石で固定、それを6か所で繰り返した(所要時間1時間)
「はぁ…はぁ…」
まずい、俺も一応魔力の流れがさっきのアイテム作成である程度つかめたので身体能力の向上はできているはずだがそれでも練度が足りていないのかミトス、サイラスたちに比べればかなり非力である。たぶん日本にいた頃よりは能力は増しているがそれより問題なのが子供の背の低さである。ずっと背伸びもしくは台座(平べったい石)に立たないといけないのでつらい、支柱を立てるだけでめちゃくちゃ時間が溶けた。といってもあとはこの支柱に漂流物である布(船の帆らしきものかなりぼろぼろ)をかけるだけなので完成寸前だがちょっと休憩したい…
あと動いてはいたけど魔力は回復してるみたいだから何か作るものを考えないといけない…さぁ、どうする、何がいる?と悩んではみたが正直決まっている。そうおっきなカバンである!!
理由?そんなのきまってるだろ!今俺達には物を運ぶ手段が手しかないのだ!まぁーーー不便である。これから無人島で食料を探しに行くもしくは水を探しに行くにしても持ち運び用の道具がなけりゃ話にならないのでカバンです。ちなみに台車とかも考えてみたけどこんなでこぼこの舗装されてない道(ほぼ坂)ではさすがに厳しいのでカバンにしました。
追加でいうとカバンの次は大きい樽と小さな樽だよ。水をためる用の、それもたくさん。理由は簡単雨が降った時に水をためるため、あと水をくむためだね、ないと死ぬ
というわけで
天井にかける用の布の余りを(それでもかなりでかい)持っていってみましょーー
「アイテムさくせーーい!…あっ、魔力全部持ってかr…」
俺は出来上がった簡素だがかなりでかいカバンをもってその場で気絶した。