偽善者と七夕 2026
※忘れた方への人物(?)紹介
『超越種:宙艦』:星の海を泳ぐ鯨型迷宮、及びその管理ユニット
七夕。
考えてみれば、季節のイベントの中でも珍しく星空に関するものであった。
普段は気にも留めない空を見上げ、願いは届くかと短冊を飾る。
なぜ七夕だけがそうしてイベントとなっているのか、ドラマ性があるからなのだろう。
一年の一度しか会えない夫婦、彼らの再会にかこつけて盛り上がっている我々。
宇宙規模のラブロマンス、老若男女問わず知っている……ある意味凄いよな。
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星海 宙艦
「──というわけなんだ。何かイベントとか無いかな?」
『…………同一のログを確認』
「いや、過程が違うだろう? それにほら、子供たちだって楽しんでたじゃないか」
去年の七夕、それは『超越種:宙艦』に助力を求めたものだった。
……さすがに住民たちまで連れてくるのはダメと後程言われ、少々修正はしたけれど。
結果として、俺の神眼を中継しての壮大なプラネタリウムを行うことになった。
子供たちは大満足、今年も復刻イベントに加えてこれを執り行うことになっている。
なお、運営側も運営側で七夕っぽいイベントはやっている……のだが、俺と同じ悩みを抱えているようで、復刻版という文字が並んでいた。
「前回は論点をズラされたし、もう一度聞いておこうと思って。星が滅ぶとかそういう物騒な話は置いておくとして、こう……見世物にできそうなものは無いかなって」
『……世界によっては星座を紡ぐ文化も存在する。それは当機にも知識としてある……しかし、それらを把握することはできない』
「まあ、夏の大三角だのは俺が説明したから分かってくれたわけだしな」
『同様に、星海に到達した者が当機に情報をインストールすれば認知可能だ。しかし、今に至るまでそれらは為されていない』
地球のある銀河系ではなく、『宙艦』がパトロールしている場所限定ではあるが、そういう感じらしい。
宇宙に出ること自体困難なうえ、出てもそれを察知して泳いでくる『宙艦』による試練がクリアできないまま失敗に終わる。
長い年月の間で物を飛ばすぐらいなら、何度か幾つかの星がやっているらしい。
……がその星のほとんどが、すでにリセットしているとのこと。
「そう聞くと、地球って本当に奇跡的な確率の上に成り立ってるんだな」
『…………』
「おまけに禁則事項っぽいことも何かあるみたいだし……まあいいか。今年も前回みたいに子供たちに見せてやりたいんだが、景観的に良い場所ってあるか?」
『色彩が豊かに映る惑星群、この辺りを通る彗星、少し前に滅んだ星などが観測可能だ』
「…………ちょっと眷属と話してくる」
見て良いのか悪いのか、子供たちに何を見せるべきか。
何より、七夕イベントとしてどこまでやるべきかを決めておかないと。




