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檻:施錠
中学でまた新しい学年を迎えた。気を紛らわせるために忙しくして、俺は自分を磨いていた。端正な見た目はひとりでに磨かれていき、その一方で、内側はめちゃくちゃだった。
会話から完全に身を引くことを目指していたから、俺の言葉は短くなった。
「琳太郎くん、私と付き合ってくれない?」
「琳太郎、卒業アルバムの写真、一緒に撮ろうよ!」
「琳太郎――」
ごめんな、世界。ここには、俺の思い出以外に誰かいたか?
俺は結衣が好きだった。
結衣は、まだこの世界のどこかにいるよな?
結衣は、存在しているよな?
俺は、恋に溺れた愚か者じゃない。恋を失った愚か者なんかじゃ、ないよな?
……そうだよな?
…………
……………………
俺は自分を心から愛していた。自分以外の誰も愛さなかった。そう決めたのだ。
でも、愛したかった。感じたかった。君たちみんなを、心から愛したかった。
結衣のような誰かに出会うまでは、一緒にいるためなら鉄格子を、世界を引き裂かせてくれるような、自分で作ったこの檻から出るのを手伝ってくれるような誰かに出会うまでは、俺は黙って料理を作り続けるつもりだった。




