戦いの後に・改 11
さて、ヴァイトたちに長々と話してもらうのも時間がもったいないので、残る二機については、俺の方で纏めてしまおうと思う。
《感想:久々の出番なのに扱いが悪いですね》
そもそも俺、あいつらへの信頼度が低いからな……。
俺に惚れてるリギアとか、弱みを握っているニオスはいいんだが、原作ゲームだとこの三人は、マリアを排除するためにあれこれと暗躍している。
そんな連中の扱いが悪いと言われてもな……。全員の弱みでも握っているなら話は別なんだが。そうじゃないなら、用がないならわざわざ会いに行かなくてもいいや、辺りだよあいつら。
まぁ、三馬鹿を恨んでも騎乗士を憎まずだ。説明しよう。
……あ、いや、ちょっと待って。
説明しよう!!
―――なんで言い直したんですの!?
いやー、つい思わず人生で一度は使いたい台詞を使ってしまったのでな。気合いを入れてしっかりと言わねばなるまい。
というわけで残る機体の紹介だ。
まず二機目。レオニスの乗る剣撃獅子が近接戦闘型なら、レオニスの対となるヴァイトが使うのは、もちろん遠距離砲撃型だ。
機体名、砲撃獅子。
装甲色は何故か緑なのが気にかかる。というのも、ヴァイトのパーソナルカラーは青で、緑はレオニスが使っていた色だ。まぁ、この件を追求するのは後にしよう。
それで、この機体の特徴は二つある。
一つ目は、全身に取り付けられている回転式武装腕部機構用コンテナだ。このコンテナには、俺が要望していた小型ミサイルが格納されている。
コンテナの設置個所を確認してみたが、まず両腕の、本来の接続場所で合計六つ。肩には外側に向けて二つずつが並べて取り付けられているので、両肩合わせて四つ。
さすがに胴体には取り付けられていないが、両脚の付け根の前掛け部分に一つずつと、腰の横にも一つずつで計四つ。膝から下、脛を守るように一つずつと、外側のふくらはぎにも二つずつが並んでいて、合わせて六つ。
総コンテナ数、実に二十個。いや、いくら何でも取り付けすぎだろ……。今はまだ量産試作機の段階なので、正式量産機は数が絞られるだろうな。
考えとしては悪くない。共通規格が多いのはいいことだからな。
ちなみにこのコンテナ、ミサイルを撃った後は両腕のものを除いてパージできるらしい。
両腕のコンテナがパージ出来ないのは仕様、もとい、腕部装甲とフレームの補強材としての役割があるからだ。本来の腕フレームは結構細くて、コンテナ無しだと戦闘の余波だけでぽきっと折れる可能性がある。
続いて二つ目の特徴は、背中のウイングユニットに取り付けられた砲だ。両肩の上には、背中から延びる大口径の主砲が覗いている。
その名も複合式大砲。
従来の火薬式の砲弾と、レールガンの電磁加速式を組み合わせたものらしい。火薬式に比べて射程の延長、命中精度の強化、威力の向上が、そし従来のレールガンに比べて再発射速度が大幅に短縮されているようだ。
さらに、ウイングユニットの砲門はこれだけではない。下部翼のように伸びる部分が小口径レールガンになっている。こちらは電力供給量を任意で変更することで、弾速と射程を犠牲に連射性を得るか、連射性を犠牲に弾速と射程を伸ばすかを、戦闘中でも切り替え可能とのことだ。
それってヴェス……いや、やめておこう。
マリアの発案したランドス……じゃない。名前なんだっけ?
《返答:ランディングランナーです》
そう、それそれ。ランディングランナーといい、射速切り替え式レールガンといい、俺の持っている知識が集合無意識的な繋がりで反映されているのかもしれない。
まぁ、今は砲撃獅子の話だ。全身のミサイルコンテナはともかく、砲撃獅子用のウイングユニットはかなり完成度が高いのではないだろうか。俺も薔薇獅子に取り付けてみたい。コネクターは共通規格という話なので使えるだろう。
《補足:設置は可能でしょうが、薔薇獅子のコクピットでは火器を使用するためのインターフェースが存在しない可能性があります》
あー、それもそうか。あとで改修が必要か確認しておこう。
なお、砲撃獅子は全身に増設した十四個のコンテナの重量のせいで、機動性や移動能力は三機の中でも最も低い。さもありなん。
その他、零式獅子サイズ用の各種火器、アサルトライフルやバズーカも作ったとのことなので、そちらは俺も有難く使わせてもらおう。
掌から電力供給が必要なものもあるかもしれないが、その時は薔薇獅子の腕を丸ごと零式獅子のものと取り換えてしまえばいい。零式獅子の関節構造は薔薇獅子のものをそのまま踏襲しているから、交換しても問題は起きないはずだ。
そして三機目。接近戦特化機と、砲撃戦特化機があるのなら、残る一つは遊撃担当だ。
それが、追撃獅子。搭乗するのは残ったグレイ。
そしてやはり、追撃獅子も砲撃獅子と同じく、パーソナルカラーが俺の記憶と合わない。グレイは名前の通り灰色がパーソナルカラーなのだが、追撃獅子の装甲色は青色なのだ。そもそも、爵位的に本来は使えない色のはずなんだが……。念のため、これも砲撃獅子と合わせて後ほど確認しておかないとな。
さて、剣撃獅子と砲撃獅子が名前の通りの役割を持つように、追撃の名も、その役割を表している。
『逃げた敵への追い打ち』という意味の追撃と、追加攻撃、つまり、『味方機との連携』という意味の追撃、その両方だ。
そして、攻撃性能や装甲強度は三機の中で最も低いが、代わりに最も機動性に優れた機体でもある。
敗走機を追いかけるため、そして連携に必要な位置取りを迅速に行うため、機動性能をひたすらに優先したらしい。
その結果が、ウイングユニットに取り付けられた、四つの大型のスラスターユニットだ。
背中に隠れるように二つのスラスターユニットが、さらにそこから左右にも、一つずつのスラスターユニットが延びている。
この左右のスラスターユニットは背中には隠れていない代わりに、可動域が非常に広い。推進器の位置が真正面を向ける程にだ。
さらに胴体、肩、膝、ふくらはぎにと、これでもかとスラスターやバーニアが取り付けられていた。
そして追撃獅子の武装についてだが、遠近両用機であるため、腕部コンテナはそのどちらもが搭載されている。
右側のコンテナ構成は近接戦闘寄りだ。内臓式ブレードと二連装サブマシンガン、それにミサイルコンテナが設定されている。さらに、防御用にブレードコンテナにはシールドが取り付けられていた。このシールドは剣撃獅子のものと違い、回転機能が使える程度のサイズになっている。
一方で左側は純遠距離戦闘構成だ。剣撃獅子と同じく、回転機構は使えない状態になっている。その原因ともいえるのが、折り畳み式のロング・スナイパーライフルだ。残り二つのコンテナは、どちらもスナイパーライフルの補佐用高感度センサーだな。
あとは手持ち武器に剣なり銃なりバズーカなり、その時に合わせて適当に使う予定らしい。
なるほど、支援能力に秀でたグレイが乗るにはぴったりな機体だ。
……ちょっと防御力が低すぎるのが気になるが。装甲服もないしな……。左側、どうせ回転出来ないんだから、剣撃獅子用の大型シールドを取り付けてもいいんじゃないだろうか。
というわけでまとめると、
剣撃獅子。機体色はオレンジ。近距離戦担当のレオニス機。
砲撃獅子。機体色は緑。遠距離戦担当のヴァイト機。
追撃獅子。機体色は青。遊撃支援担当のグレイ機。
これが、この三人によって作り出された量産試作機、零式獅子の各種換装形態というわけだ。
●
「……それで、どうしてヴァイト様の機体が緑で、グレイ様の機体が青の色を使っておりますの? 緑はレオニス様が、青はヴァイト様が使っていた色ではありませんでしたこと?」
「おや、よく覚えておりましたね」
そりゃ原作ゲームの制作者だからね。そもそも、リギア以外はパーソナルカラーと髪の色が同じなので簡単に覚えられる。
「レオニスは勘当されたので緑が使えません。ですので、私がレオニスが使っていた色を代わりに使うことで、騎士団長への抗議をしているんですよ」
聞いたことが無い抗議方法だった。そんな設定は作った覚えがないし、マリアの記憶にもそれらしきものはない。
「……そんな風習、ありますの?」
隣のリギアに聞いてみる。
「……古い風習だが、たしかにある。確か、正しくは降爵した相手に、その相手が使っていた色をあえて使うことで侮辱を表すというものだったはずだが」
「……それ、騎士団長ではなくレオニス様への挑発行為になっておりませんの?」
「まぁ、緑はガーヒリテア侯爵も使っていたから、おそらくヴァイトの意図は伝わるだろう」
「ちなみに、私はヴァイト様の抗議行動に巻き込まれただけです」
と、グレイが口を挟んできた。
「本来のヴァイト様用の機体、つまり、青い騎乗士がない状態で緑の騎乗士を使っても、挑発とは取られず、単なる機体色の変更、あるいはレオニスさんが緑を使えない代わりに使っている、と解釈されてしまいます」
「というわけで、グレイの追撃獅子は青を使っています。さすがに、もう一機余分に作るのは、資材的にも時間的にも無駄ですしね」
「あ、ちなみにオレの剣撃がオレンジなのも、ヴァイトの指示っす。その方が、オレの立場が周囲に分かるからって」
というのも、レオニスのような立場になったからと言って、橙色しか使えないわけではない。あくまでこの色は、爵位を失ったということを表すだけで、使用を強要されるようなものではないのだ。なので、爵位の制限がない黄や黒は普通に使っていい。
「そうしなければ、レオニスが勘当されたということが周囲に伝わりませんので。開戦と同時、騎士団長の評判は地に落ちるでしょう。この事態を解決したいのなら、レオニスへの勘当を取り消すしかない、というわけですよ」
と、ヴァイトはドヤ顔で言った。
意外と考えているなと思う一方、油断は出来ない。だってヴァイトはなんちゃって策士だから。
これが原因で変なところに飛び火して、なんかもう滅茶苦茶になる可能性は高い。
「……リギア様。もしもの際には、ヴァイト様をお止めくださいましね」
「努力はする」
「もしどうしようもなくなったら、わたくしが巻き込まれないように頼みますわよ」
「いやぁ、それはどうやっても無理だろうなぁ……」
分かってるよ、言ってみただけだ。
まぁいいや。今は、状況を先に進めてしまおう。
「細かい改修点はありますが、三人ともお誘いしてもよさそうですわね、リギア様」
「ああ。レオニス、ヴァイト、グレイ。これを受け取れ」
俺にそう言われたリギアは、ポケットから三枚のカードを取り出し、三人に手渡した。それは、
「俺とマリアの、婚約式の招待状だ」
俺たちも、遊んでいたわけではない。
俺がこいつらに新型騎乗士の開発を任せている間に、リギアやニオスと共に、婚約式の準備を進めていたのだ。
あくまで『婚約』式であって、『結婚』式ではない。この二つは似て非なるものだ。というのも、俺とリギアの関係は婚約者同士だが、それはあくまで、身内同士での口約束止まりでしかない。
なので、この時点ではまだ、婚約破棄が通ってしまう。
一方で婚約式は、俺たちが婚約者であることを神に誓約する。つまり、マリウス教の名の下に、正当な婚約者であることを公表するというわけだ。
この段階まで行くと、例え王族であろうと、例え婚約相手にいかなる瑕疵があろうと、婚約破棄は許されない。何故なら、『神に誓っている』からだ。
婚約式まで行った婚約を反故にすることは、マリウス教の顔に泥を塗ることに他ならない。
異端者リスト入り間違いなしだ。どうやっても処刑される。
リントヴルム王国を含む周辺諸国では、マリウス教の立場というのは物凄く強いしな。
つーかそんくらいの権力がないと、そもそも国中の貴族子女が通う学園にニオスが入学できたりしないわけで。
「また急な話ですね。王族の婚約式となると、関係各所への通達にスケジュールの調整を含めて、招待しても開催するのは1年は後というのが普通ですが」
と、ヴァイトが質問した。リギアも、もちろん俺もその程度のことは理解している。だが、
「グリプスの問題があるからな。悠長にしていればいつ開催できるのか分からなくなるし、戦後、すぐに結婚を国中に布告する必要に駆られる可能性もある」
「なるほど……。たしかにそれらを考慮すると、今やらざるを得ませんね。ところで、ニオスはこのことを?」
「ああ。というか神父役はニオスだ」
「ああ、愚問でした。それが当然ですね。ここでニオス以外が進行者だと、彼が学園に来た意味が薄れてしまいますから」
ちなみに、グレイはこれまで婚約式の話を聞かされていなかったせいか、一人ひどく落ち込んでいた。アリスがそれを慰めている。
招待状には開催日が記載されている。その日付は、12月24日。すなわちクリスマスイブであり、2学期の終業式の日であり、終業式パーティの開催日だ。
そして、いったい何の偶然だろう。原作ゲーム『騎乗士の胸に抱きしめて』で、マリア・フォン・ゴルディナーが婚約破棄されるはずの日でもあった。
完っ璧だ……!
原作ゲーム主人公であるアリスは俺のキャバリエになり、リギアとの確執は解決し、ニオスは原因不明の性別反転から信頼を勝ち取った。
そしてこの婚約式により、三馬鹿をはじめ、誰がどうやろうと俺の破滅は回避されるのだ。
これでグリプスの侵略という問題と、グリプスの開発スケジュールが加速した原因が不明である点を除けば『完結』という文字がデカデカと出ても何もおかしくない。
《介入:
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お前それどうやったの!?
《感想:やってみたら出来ました》
―――ちょっとぉー!? ドライコインさんまで世界の法則が乱れそうなことをやったら誰が収拾付けるんですの!?
《感想:非常に疲れたので、頼まれても二回目はやりません》
ドライコインの道楽はともかくとして、あとは婚約式を待つばかりだ。
ヨーロッパでは、泥棒だって正月は休むのだ。グリプスも仕掛けてくるのなら、早くても年明けからだろう。
●
そして、慌ただしくも日々は過ぎ、無事に婚約式の当日を迎えた。
―――ついに、この日がやってきましたわね。わたくし、感無量ですわ。
《感想:突然身体を乗っ取られて、将来は確実に婚約破棄されると予知を伝えられましたからね。反動で感動もひとしおでしょう》
うんうん、そうだね。
ところで、なんで一塩っていうんだろうね。塩一つまみ?
《感想:あの、一塩ではなく一入です。『ひときわ』とか『よりいっそう』とか、そんな意味です》
ヘェー! へぇー! へぇー!
といった感じで、脳内で頭の悪い会話を繰り広げながら、俺は赤のドレスを見に纏って、控え室でその時を待っていた。
部屋の中にはアリスや、マリアの両親の姿もあった。フラウだけは、先にチャペルに入っておくと言っていたので、この場にはいない。
両親に気を使ったのかもしれない。フラウがいると、両親が素直に喜びを表に出せないのではないかとか、そんなことを考えて。
「おお、マリア……! ついにこの時が来たんだね……」
「気が早すぎますわよ、お父様。まだ婚約式であって、結婚式ではありませんのよ? ウェディングドレスだって着ておりませんし」
あくまで婚約式なので、結婚式で着るような白いドレスではない。
さっきまで参加していた終業式パーティで着ていたものよりは、幾分か豪華ではあるが。
そして、ここで役に立つのが、ニオスにも紹介した胸が小さく見える補正下着である。終業式パーティならともかく、厳かな場である婚約式で、このデカ乳をバルンバルンと揺らすわけにも行かんのだ。それが自分の婚約式であったとしても。
ところで、そのニオスの姿が見当たらない。終業式の時にはいたんだが。どこ行ったんだあいつ。
「それに、王家に嫁いだとしても、わたくしがお父様とお母様の娘であることに変わりはありませんわ」
俺がそう言うと、マリアの両親は感極まって泣き出してしまった。早いよ。結婚式どころか、婚約式はまだ始まってすらいないよ。
俺は肩をすくめ、アリスの方に顔を向けた。
「アリスも、ご両親と会っていらしたら?」
顔合わせ自体はアリスがキャバリエになった時に行っているし、その時に俺の婚約式や結婚式には正式に招待されると伝えてもいるので、この場に呼ばれていた。
さすがにこの部屋には来ていないが、会場の方にいるはずだ。
「キャバリエになった時に会ったばかりですし、あたしは別にいいですよ」
「そう? それなら悪いのだけれど、ニオスさんを探してきてもらえるかしら? 少し前から姿が見えなくて」
「あ、そうですね。ニオスさんがいないと式を始めることもできませんし」
「エスコートをするのはアリスなのですから、始まる前に戻ってくるんですわよ」
結婚式で新婦が父とバージンロードを歩くように、キャバリエが既にいる場合は、父ではなくキャバリエと共に歩くのだ。
ただし同性に限る。
いや、普通に考えて、バージンロードを愛人と腕を組んで新郎の元へと歩いたら、その場で切り殺されても文句は言えまい。というか、実際にそういう事件があったらしい。
なので、バージンロードを新婦と共に歩けるのは、女性のキャバリエだけである。
「わかってまーす!」
アリスはそう言って、部屋を出て行った。
●
ニオスは、どこを探しても見つからなかった。
さすがに男子トイレまでアリスが探すわけにはいかないので、レオニスやヴァイトにも協力してもらった。
……ふと疑問に思ったんだが、ニオスは連れションの時とかどうしてるんだろうか。
《質問:貴族にもあるんですか? 連れション文化》
―――……ない、とは言い切れませんわね。
まぁ、ニオスがいなくても式自体は行うことが出来る。王族の婚約式だ。不測の事態に備え、予備の人員はきちんと用意している。
ニオスはマリウス教とリントヴルム王家の橋渡し役として入学しているので神父役として最適というだけで、ニオス以外が神父役を行ってはいけない訳ではない。
俺たち側からニオスを拒否すれば当然問題になるが、教会側がニオスが進行不可だと判断したら、別の神父が代わりを務める。
「ニオスちゃん、どこ行っちゃったんでしょうね」
「ほかのマリウス教の方々も、行方を知らないようですわね」
と、俺とアリスは新婦用の入り口、バージンロードの前でしゃべっていた。
さすがにこれ以上時間を遅らせるわけにはいかず、やむを得ず他の神父が代わりに進行役となった。ニオスの助祭、ようは見習い神父ではなく、一人前の神父である司祭だ。
チャペルから、俺たちの入場を知らせる声が聞こえた。その声はやはり、ニオスの可愛らしい声ではなく、老齢の男性の声だ。
「残念ですが、時間切れですわね」
そう言って、俺はアリスと腕を組む。身長差があるので組むというより腕を乗せるという感じだが、まぁ仕方がない。
「エスコートをよろしくね。わたくしのキャバリエ」
「お任せください。マスター・マリア」
そして、俺たちはバージンロードをゆっくりと歩き始める。
チャペルへと入れば、白いタキシードを着用したリギアが、神父の前で俺たちを待っていた。
クラシックを背景に、リギアの元へとたどり着く。
アリスが組んでいた腕を外し、後ろへと下がっていく。
そして、神父が口を開き、
突如、チャペルの扉が騒々しい音で叩き開かれた。
会場にいる全員、その視線がそこに集まる。
グレイだ。走ってきたのか息を切らし、いつもかっちりと着込んでいる制服も乱れていた。
……え、何? もしかして「その結婚、ちょっとまったー!」とかやるやつ?
でもこの場合、俺になの? それともリギアになの!?
《感想:いえ、どうもそういう展開ではなさそうです。観測していますが、グレイ・フォン・アトライアは非常に動揺しています》
そしてグレイは、呼吸を整えるのも惜しいとばかりに、会場全体に聞こえる大声で叫んだ。
「グリプスが……っ、宣戦布告を行いました!!」
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ニオス・マリウスの友好度上限値が上昇しました。
ニオス・マリウスの友好度が上限値に到達しました。
レオニス・フォン・ガーヒリテアの友好度が無効化されました。
レオニス・フォン・ガーヒリテアの友好度無効化に連動し、ヴァイト・フォン・イーリッヒの友好度が無効化されました。
騎乗士の胸で抱きしめて:第3話における全行程達成完了を確認。表題『戦いの後に』を改題。
――――――第3話『嵐の前の喧騒』 完
――――――次回をお楽しみに。
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剣がたくさんあるオレンジのシュナイダー
移動特化の青いイェーガー
砲撃仕様の緑のパンツァー
もう20年近く前なので若い方は聞いたことないかもしれませんが、これは『ライガーゼロ』という滅茶苦茶カッコいいゾイドのオマージュです。
前話の段階で気付いた方もいました。
『ローヴェ』という獅子の名前がカッコいいので試作機に使ったので、それならライガーゼロのオマージュしたろ! って思ったんですが、それを思いついたのは三馬鹿を出してパーソナルカラーまで書いた後だったんで困ってしまい、
「せや! レオニスを勘当したろ!」
という天才のひらめきでむりやり機体色を変更しました。
レオニスは犠牲になったのだ。
計画性のない作者のその場の思いつき。その犠牲にな……。




