第二十二話 捕まえられない違反車両
新大久保研究所に珍しい来客があった
神田安良 警察の交通課のお姉さんだ
以前にゲポゲポ団の痴漢のおとりをしぶしぶ引き受けてくれたが、久々にお会いする
また何か交通違反してましたか?
「いえ、今日は研究所のかたに頼みたいことがあって来たんです。
実は、先日の河原の道であった交通事故ですが、犯人がまだ捕まっていません。
しかし、犯人が事故を起した時の映像が残っていて、警察に送られてきたので、
犯人はほとんど目星がついているんです。
ただ、その証拠の映像を撮った人がだれだか分からないため、証拠物件にならないんです。
こちらがその時の映像です。」
タブレットに画像が出る
ああ、ほんとだ。車の車種や色、カーナンバーのほとんどはこれで分かりますね。
「実は、もう1つ、これも撮影者が不明なんですが、現場の映像があるんです。
これは事故が起こったあと、違反車両が左折するまでを追跡した画像です。
そんなにひどい事故とは思っていなかったらしく、左折したところで追跡をやめてしまっています。
こっちは画質が良くないんですが、曲がった場所ははっきりと分かります。」
だれだろう、こちらの撮影者は。
おそらくワルイダーが俺たちのゴタゴタに割り込むかをうかがっていたところで事故が発生したんだ。
あいつも現場の映像を撮っても名乗ってこないだろう。
「犯人は、以前にも同様の交通違反を起こしているらしく、また繰り返し危険な運転をする可能性が高いです。
そこで今回お願いしに来たのは、皆さんにもう一度、河原の細道を歩いてもらって、
犯人が危険運転する映像を、ロボットなどを使って撮って頂きたいんです。」
「ええっ。いや、だめという訳ではないんですが、そんな事をするのは初めてなので。」
「多少危険が伴うかもしれませんが、あなたがたならお願いできると思ってまいりました。
是非、ご協力ください。」
「分かりました。出来るだけご協力したいと思います。
ロボットを使った撮影などを行いたいので、準備に3日間ください。
それ以降、ご連絡があれば対応できるようにします。」
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数日後の夕暮れ、河原の細道を歩くOLが2人
それにつられてまずはゲポゲポ団の登場だ
ドローンロボットも連れてきている
まずOLの画像を分析、普通は何もなくスルーするのだが、今日は違う
「おい、画像分析レッドアラームだぞ!こいつら警察関係者だ。
気をつけろ。すぐに撤退しよう。
しかしロボットを使っていて初めて役にたったな。」
いかにも獲物になりそうな2人のOLにはノータッチでゲポゲポ団は逃げてしまった
「まあ今日はゲポゲポ団のドローンがなくても、こちらのロボットが撮影を行うので大丈夫です。」
その数分後
「対象車が駐車地から発車しました。すでに速度違反しており約7分で現地に到着すると思われます。」
「来るぞ」 バァァァーン
青い大型の車が猛スピードで突っ込んできた。歩行中のOLなど全くカンケー無しだ。
>>> キャーッ <<<
スレスレだ。2人のOLは身軽に車をかわした。
しかし、現場の撮影に専念していたロボット’レオ’が、車にひっかけられ、そのまま引きずられてしまった。
違反車は、引きずっているロボットなど全く気にせず速度をゆるめない。
ロボットは、もうこなごなだ。
ノロイダー2名は、慌てて、違反車を追跡する。
「マテー、止まれー。ロボットを壊したなー。」
しかし、3輪バイクでは追跡してもスピード負けしだした。
「だめだ、逃げられる。」
「あっ、左折するぞ。ビデオと同じ場所だ。このままでは撒かれる。ここまで来ながら。」
だが、左折したところにはワルイダーが待ちかまえていた。
そこにはワイヤーが張られ、釘やマキビシが撒かれていたのだ。
ガ―ッ、ドカァァァン!
違反車は、パンクしてバランスを崩して壁にぶつかった。
「あとは頼んだぞ。(御免)」 早々に消えるワルイダー
「また、肝心なところはワルイダーか。
ロボット’レオ’も、とうとう壊れてしまった。今度はバラバラだ。直せそうもないな。」
「だが、違法運転している映像はちゃんと残っている。
’レオ’は命と引き換えにこのデータを残してくれたんだ。
よくやってくれた。」




