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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第1章
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出会い《ロメル編》その1

 沙入くんたちとの約束の土曜日。


 私が沙入くんと二人でカラオケに行ってからもう 1週間も過ぎてしまった。


 沙入くんはあれから毎晩メッセージを送ってくれている。



『俺の事教えとく。』



 教えとくって言ったわりに教えてくれたのは、



『誕生日は5月、好きなのはギター。将来はギタリストで決まり。それが俺のすべて。』



 沙入くんについてはそれだけだった。


 その他のメッセージの内容は私にはちょっと意味不明で理解不能な部分が多い。


 ジミヘンとかレッチリてなんだろう?お料理の種類かしら?ジョン・フルシアンテって誰?有名なハリウッドスター?

 エフェクターがワーミーって?虫刺されの症状のことかな?ジョンが虫刺されで痒がってるってこと?


 私は沙入くんにどんなリプしたらいいのかよくわからないの。


 だから、とりあえず私は『私、それは今まで全然知りませんでした。ではお休みなさい。』と返信している。


 だって、変に質問してしまったら、大変なことになりそうな気がして‥‥‥‥‥







 今、私は約束の時間より1時間早く家を出た。


 何となく家にいたくなくて。


 カイルは最近何かおかしいの。


『母さんはここで仕事があるから無理だけど、俺らは高校を卒業したら、山奥の一軒家で二人で暮らそうぜ。自然に囲まれてさ。ネット環境さえあれば仕事も何とかなるんじゃね?楽しそうだろ?』


『なあ、俺ら二人で語学留学ってどうだろう?どこでもいいぜ?あー、でも金かかりそうだなー。高校行ったら二人でバイトすっか。』


『そうだ!俺、将来起業すっから、そん時ロメルは俺専属秘書な!これ絶対いいよな。うん。』



 どうしちゃったのかしら?


 何か将来のことで悩んでることがあるのかな?


 なにやらネットで調べまくってるみたい。


 確かに将来には漠然とした不安はつきまとうけれど、まだ中学生だもん。決めなくたって大丈夫だよ、カイル。


 私は気詰まりで‥‥‥‥。

 今日は早起きしてお手伝いもしたし、家を早めに出て公園を散策することにした。



 11月の今の季節、かさかさと鳴る赤や黄色の枯葉を踏みながら歩くって素敵よね。


 ひらひら舞い落ちる木葉。ひんやりした空気。小鳥のさえずり。穏やかな日差し。


 私は途中にあったベンチに座りぼーっと空を眺めた。


 青い空にいわし雲‥‥‥‥‥まるで絵に描いたような秋の空‥‥‥‥




「あれっ!あれ、もしかして蛇ノ目じゃん!」


 誰かに呼ばれてふっと現実に戻った。


 散策路の駅方面から男の子が二人。


 やだっ!小白くんと麻井くんだ!


「よお!何してんの?一人で。」


 歩きながら小白くんが手を上げた。


 私はベンチから立ち上がり、私は彼らが来る方向へと向かって歩き出した。


「別に。もう行くところだから。じゃあね。」


 すれ違い様に私は言った。



 はあ、せっかく家を早く出てきたのに‥‥‥‥‥リラックスタイム台無し。



「待てよ。蛇ノ目!」


 なぜか二人が回れ右して私の両脇に並んでついてくる。どういうこと?


「どうして戻るの?あっちに行くところじゃなかったの?」



 私の左側で小白くんが、


「俺ら、やっぱこっち行くことにした。なっ、麻井。」


 右側で麻井くんが。


「そういうこと。ねえ、蛇ノ目さん。どこ行くの?これから用があんの?」


 私はこれから公園脇のコンビニの前で二葉ちゃんと待ち合わせしてから沙入くんたちと合流する予定。


 でも、それはあなたたちに知られたくはない。



 また、歪曲した噂を流されてはたまらないもの!



「人の事なんてどうだっていいでしょう?」


「俺ら暇だしさ、一緒に遊ぼうぜ!いいじゃん。」


「そうだ!俺んち来いよ。俺の部屋で映画でも見ようぜ。」


「無理!」


 私は即座に答えながら足を速めて歩いた。



 あれ?二人が何か目配せを交わした。



 何か嫌な雰囲気。


 この広い公園。ここのエリアに周りには人影なし。



 私ふと、先週カイルが体験型で教えてくれた男の子の腕力を思い出した。


 もし、二人で両脇から捕まれたら私‥‥‥‥‥‥



 人がいるところに行こう!



「私、急いでるの!バイバイっ!」


 私は駆け出した。


 まだ、すごく時間があるけど、二葉ちゃんをコンビニの前で待っていよう。





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