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全然近くて全然遠い!  作者: メイズ
第1章
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出会い《ロメル編》その2

 コンビニの前につくと、まだ9時半前。二葉ちゃんとの約束は55分。


 まだまだ時間がある。


 こんなところにずっと立っていたらお店の迷惑よね‥‥‥‥


 私はとりあえずコンビニに入りミントのタブレットを買った。


 これなら持っていても邪魔にならないから。


 シールを貼られたミントタブレットの小さなスライド式のカンをポシェットに入れて店から出ると‥‥‥‥‥そこには小白くんと麻井くんがいた。



「なんで、逃げるんだよ?」


 何でいるのよ!この人たち。どうしよう。この中途半端な待ち時間。


 二葉ちゃんが来るまでここで待つ?それとも、駅の方に一旦行けば撒けるかな?


 ううん、行ったってまたついてくるかも。もう、私泣きたいよ!


「何かあんのかよ?」


「私、待ち合わせなの。無理だから。」


 私は仕方なく言った。


「いいじゃん、そんなのほっとけよ。俺が誘いし夕べのカラオケでオール蹴ったんだからさ、今からならいいじゃん。昼間だし。」



 ‥‥‥‥あれ?



 小白くんと麻井くんの後ろ側で。

 

 お店に入ろうとしてる一人の男の子‥‥‥‥


 あの人は‥‥‥‥‥落花生(おかき)高校の文化祭で見た!二葉ちゃんと言い争いしてた、マナカさんの弟さんだよね?‥‥‥‥たぶんそう。



 あっ、止まった。


 こっち見た。



 もしかして私のこと覚えていたのかな?



 その男の子は私からさっと目をそらしてコンビニに入ってしまった。



 ううん、ただ、こんなところに立っているから迷惑そうに見てただけ‥‥‥‥‥‥‥みたい。




「なあ、じゃあファミレスで何か食おうぜ。ならいいだろ?」


「私、あんまりお金持ってないから。」


「俺がごちするからさ。」


「ごめんね。無理。」


「誰と待ち合わせてんの?いつくんの?」


「俺らがそいつに言ってやるよ。蛇ノ目は俺らと行くことにしたって。」




 あ、さっきの男の子が出てきた。


 電話してる。



「おう、沙入?俺、もう着いてる。‥‥‥沙入もな!」



 今、あの人、『沙入』って言った!



 やっぱりそうだったわ!あの子は沙入くんの親友の流河くんに間違いはないの!


 もういや!このしつこい人たち!お願い、助けて!



「流河くん!」



 私はダッシュして流河くんの腕にしがみついた。



「お待たせ!行こっ。流河くん。」



 流河くん、すごくビックリした顔。

 私のことなんて全く覚えてはいないの?



「あのっ、沙入くんのお友達ですよね?お願い。このまま公園の方に行って。」



 横断歩道の信号がちょうど青!

 とにかくここを早く渡ってあの人たちから離れないと!


 流河くんは迷惑がって腕を抜こうとしてる。でも向こう側に行くまでだけ、お願い!



「おっおい!どういうつもりだよ!誰だ?おまえ!」



 流河くんは文化祭の時、私のことなんて全く目に入っていなかったのね。覚えてるとか以前の問題だったの‥‥‥‥すごく迷惑がってる。



「お願い!あの人たちから見えなくなるまでこのまま公園まで行ってください。」


 私は流河くんのこと覚えていたけど、流河くんは違っていた。


 なんでだかわからないけど、ショック。





 それでも私と流河くんはなんとか噴水の向こう側まで来た。

 流河くんの顔、かなり怒ってる。どうしよう‥‥‥‥



「ご‥‥‥ごめんなさいっ!」



 そうよね。見も知らない子がいきなり腕にすがってくるなんて‥‥‥‥‥大人だったら通報されちゃうレベルだよね。


 私ったら、あの人たちから逃げるためだとはいえなんて大胆なことをしてしまったの!


「その‥‥‥あの‥‥‥さっきの人たちがしつこく誘ってきて、断ってるのに離れてくれなくて。あー、同じクラスの人なの。」


 流河くんからの視線が痛い。痛すぎる‥‥‥‥

 訳を言えば少しはわかってくれるかしら?



「だからっていきなり知らない男にしがみついてくるなんてどうかしてるぜ?」



 ‥‥‥‥ああ‥‥‥‥そうだよね。私、流河くんに変態レベルの女の子に思われたみたい。


 超絶迷惑がってる‥‥‥‥。もう、私‥‥‥この世から消えてしまいたい‥‥‥‥‥



 神様、本当にいるのなら今すぐに私を私でない人に変えてください‥‥‥私じゃない誰かに。



 私は好きでこんな姿に生まれてきたんじゃない。


 パッと見だけで私につきまとうおかしな人たち。


 私そんなにかわいい?


 そんなことないよ。かわいい子なんてそこらにたくさんいるもの。


 勝手に標的にされて、求められて、拒否したら恨まれて。


 もううんざり!


 助けを求めれば挙げ句にこの様。




「‥‥‥‥‥‥‥‥そうですよね‥‥‥‥ご迷惑をかけて‥‥‥‥‥本当にごめんなさい‥‥‥‥‥」


 私は何とか気力を保ちつつとにかく迷惑をかけたことを謝った。


 お辞儀したら、もう顔が上げられなくなってしまった。


 こらえていた涙がついに出てしまった。


 いやだ‥‥‥‥‥流河くんに泣いてることがばれてしまう‥‥‥‥‥



 私は流河くんに後ろをむいた。



「‥‥‥‥おい、泣くことないだろ?」



 流河くんに気づかれてたみたい。


「‥‥‥‥私、泣いてませんから。」


「これって、俺のせいかよ?‥‥‥‥おいっ?」



 違う‥‥‥‥‥‥

 

 流河くんのせいじゃないよ。


 全部私のせいだから。


 もう、私のことなんて放っておいていいよ。


 私、流河くんの方、もう見られない。


 涙が止まらない‥‥‥‥‥


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