第二十二章 傷ついた心
ユウナが目を覚ました場所はロイの城であり、寝室のような場所だった。
目を覚ましたユウナにロイが
「ユウナ起きたんだね・・。大丈夫?気分悪そうだけど・・。」
心配している声で言う。
「・・うん。少し気分が悪いかも・・。もう少し寝るね・・。」
ユウナはつかれきったような声で言う。
そして、ロイの返事も待たず、ベットの中にもぐりこむ。
・・あの、ゼロが・・私を利用だなんて考えられない・・。
・・嘘だよね。誰か・・嘘だといって・・お願い・・。
・・もう、誰も信じることなんてできない・・。
ユウナの心はずたずたのぼろぼろだった。
「ユウナ・・。もう、大丈夫だから・・。僕が守ってあげるから・・不安がらないで・・。」
ユウナの心を察したように言うロイ。
「・・うん。」
ユウナは言った。
・・一人いた。私を絶対に裏切らない人・・ロイが・・。
ロイだけは信じられる・・。信じることができる。
でも・・。
ユウナの心はロイの支えだけでは足りなかった。
傷つけられた部分があまりにも大きかった。
ロイは計算外だった。
ユウナの心に、ゼロの存在がユウナをこんな風にしてしまうほどの大きな存在になっていたことは、あまりにも予想はずれであった。
ロイは、少し落ち込む程度のものでしかないと思った。
ロイは心でどうも引っかかるものを振り払い、
・・もう、これでゼロからユウナを取り返すことができた。もう、大丈夫なんだ。
そんなに恐れることはない。もう、終わったのだから。
と、自分に言い聞かせた。
ユウナは食欲がなく、日に日に笑顔がなくなっていった。
ユウナの状態は悪くなるばかり。
ロイはそのことに驚愕した。
ロイは、ユウナを元気付けようといろいろな策を講じた。
だが、それもむなしく失敗。
ロイは戸惑った。
できうることはやった。
だが、効果はなかった。
まだ、打つ手はある。
だが、それは・・ユウナ自身を壊すものにもなりかねない。
一か八かの賭け。
だが、成功すれば、ユウナは元気を取り戻すだろう。
でも、その代償は大きい。
その策を講じるか否か。
ロイが戸惑ったのはそこだった。
ユウナを自分のものにしたい。
だが、それ相応の代償を払う必要がある。
代償なくしては手に入れることは不可能だ。
代償の大きさゆえにロイは深く迷った。
迷った結果、その策を講じることに決意した。
人形のように、うつろな姿の今のユウナはユウナではないのと同じ。
そんなユウナといても意味がない。
だから、元に戻すのだ。
ユウナのため・・いや、自分のために、この策を今講じるのだ。
ロイは自分自身のために策を実行しようと決意した。
そのころちょうどゼロは神の国への侵入を成功させた。




