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第十五章 おびき出されたロイ

俺はテレパスでリアーネルたちに合図を送った。

リアンは見えない透明な風の結界を。リアーネルはロイに気づかれないように幻覚の準備に取り掛かる。

ロイは俺がリアーネルに渡したものを突き出して、

「どいうことだ!!?」

と怒鳴る。

その渡したものとは・・

          『    ユウナは預かった。

            返してほしくば一人で俺の部屋まで来い。

 

           追伸: さもなくばユウナの心も貰い受ける。

byゼロ 』


という内容が書かれている羊皮紙であった。

怒るだろう、そして必ず来るだろうと思い書いたものだった。

そしてゼロの思惑通り物見事にロイは、はまってくれたのだった。

「書かれたもののとおりの意味さ。」

俺は平然に言う。

「なぜこんなものを私に!!」

まだ激怒しているロイ。

俺は気を失ってるユウナの腰に手を引っ掛け抱き上げた。

「!?」

ロイは目を大きく開いた。

「ロイはユウナが好きなのだろう?だから俺の前に今現れたんだろう。違うか?」

「くっ!!」

ロイは図星のようだった。

「そして、ユウナを思うがゆえに俺を襲わせた。違うか?」

本題はそこにあった。

ことの真相を明らかにするためにこの策を実行したのだった。

ユウナをロイをおびき出す餌として。

「僕がゼロ殿を襲う?いくらユウナを僕がすきでもそんなことは・・」

ロイはとぼけた。だが、とぼけるのは下手のようだ。

表情には僕がやりました!と書かれているかのようなあせっている表情だった。

「とぼけても無駄だ。しっかり証拠をつかんだ。ならロイが本当に俺を襲わないか試してみるか?」

俺はそういって、ユウナの口を自分の唇で塞いだ。

ユウナは気絶していたが意識をこのとき取り戻した。

「んっ・・んぅ」

わずかだがユウナから聞こえる甘い声。

ロイの表情が今までと比べきれないほど怒っているかがわかった。

後もう一押し。

一回、唇を離し、また唇を塞ぐ。

「んっ・・はぁ・・ぜ、・・んっ、んん」

ユウナは俺に何か言おうといているがかまわず唇を塞ぎこむ。

ユウナはいきなりのことで頭が真っ白だった。

ただ、強引にキスをしてくるゼロから離れたくてもがいた。

だが、もがく私をゼロは押さえつけ、唇を離し呼吸ができるぐらいの間を空けさらにまた唇を塞ぐ。

何回もゼロと繰り返す強引なキス。

だんだん体から力が抜けてきたころ、驚くことをゼロがした。

「んっ、・・はぁ、ぁ・・ん、んぅ!?」

唇が重なり合う中ゼロがいきなり舌を入れてきたのだ!!

ゼロの舌は、私の口の中で動き回る。

もがくが、体から力の抜けた私にはどうしようもない。

 ゼロは、ユウナが後からなにを言うか不安になっている中、早くロイが止めにこないかとキスをし続けていた。

そんな時ロイがゼロに向かって攻撃してきた。

が、その攻撃は、リアンの風の結界でふせがれてしまった。

俺はユウナから唇を離した。

ユウナは、はぁ、はぁ、と荒い息をする。ユウナはゼロに体を預けるような格好だった。

ゼロはユウナを腕で抱き上げた。

ロイは、ゼロをにらんでいる。

リアーネルの幻覚により、ロイも自分の意思を抑えることができなかったと俺は思う。

「ロイ、認めろ、自分のしたことを。それともうしないと誓え。このことを公に出されたくなかったらな。」

「くっ!!」

ロイはきっと俺が許せなかったんだと思う。だが、ロイに同情してユウナを譲るわけにもいかない。

「お前の思いが分からないわけではないが、こいつは俺のものだ。ユウナはお前が自分のために手段を選ばずに行動することに悩んでいた。お前の力は貴重な力だ。ましてや他国の王子となれば、代償は大きいぞ。その力は自分のために使用すれば失うと聞いた。お前、このままだといつ力を失うかわからないぞ。自分の行動には気をつけることだな。」

俺はロイに言った。

「あぁ。認めるよ。もうしない。それに滞在はそろそろやめにしようと思ったところだ。

いい機会だ、明日、ここをたつとしよう。あ、それと、ゼロ、ユウナの嫌がることはしないでほしいな。」

そういってロイは部屋を出て行った。

「終わりましたね。」

リアーネルが言う。

「あぁ。」

俺は答える。

ユウナは今の話を聞いていたのか不安だったがおそらく聞けてはいないだろう。

リアーネルの幻覚のおかげで。

ユウナはぼんやりとしている。

「大丈夫か?」

俺が声をかける。

「ゼ・・ロ・・?」

ユウナが呟いた。

まだ完全に意識が戻っていないようだ。

それは、俺のせい?それとも幻覚のせい?もしかして、その両方か?

俺はユウナを自分のベットに寝かせた。

「それにしてもロイ殿はすごい力をお持ちですね。」

リアンは呟く。

「あぁ。おれさえもみきることができなかった。」

俺もそれには同感だった。

「おそらく、リアンの風の結界がなければ防ぐことはできなかったでしょう。」

リアーネルは言う。

俺もそう思った。

リアンたちは精霊だ。神の力を持つ人間の力を防げるものはそうめったにいないと断言できる。

精霊のリアンたちでなければ防ぐことなどできなかっただろう。


  こうして、ゼロの作戦はもの見事に成功したのであった。







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