表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

死因が死因なので、転生特典が最悪だった件


 死ぬ瞬間というのは、案外とあっさりしていた。

 肺ガンと肝臓ガンのダブルコンボ。

 医者からは遠回しに「もう長くない」と言われていたが、実際にその時が来ると痛みよりも先に思ったのは別のことだった。


 ――最後に飲みながら一服したかったな。


 それだけだった。



 次に目が覚めた時は白い空間に立っていた。

 天井も壁も床もない空間。

 だが落ちることなくその場に留まっている。


「はい、お疲れ様~」


 不意に間延びした声が響いた。

 声のした方向に振り替えると、白いローブに、金色の輪っか。

 どう見てもテンプレ通りの神様がそこにいた。


 空中に座り、何やら紙を眺めている。


 「えーっと、君の死因は……肺ガンと肝臓ガン。あー、こりゃ助からないねー。まあ助からなかったから、ここにいるんだけどね(笑」


 軽いな。しかも俺の死因を見て笑っていやがる。


「あっはっはっは、そう怒らないでよ。ちゃんと評価はしてあげるからさ。えーっと孤児院育ちで、成功してからは育った孤児院に加え他の孤児院にも寄付をしていて……あれ、君って結構優良な人間?」


 たしかにその通りだが、その紙に何が書いてあるんだろうか……


「うーん。こりゃ転生だね。何処の世界にしようか……ここなら丁度いいかな?」


 俺の意思は無視するつもりなようだ。


「えー? でも特典は与えてあげるよ? ――そうだ君、タバコと酒が原因で死んだよね?」


 そう言うと神様?は指を鳴らした。


「はい。君には《無限嗜好品供給むげんしこうひんきょうきゅう》をプレゼントするよ」


無限嗜好品供給むげんしこうひんきょうきゅう》? なにそれ。


「タバコと酒を無限に出すことが出来るよ。銘柄指定できるし、味も本物だ。やったね!」


 肺ガンと肝臓ガンで死んだ俺への嫌がらせか?


 「いやいや、ちゃんとしたご褒美だよ。オマケで健康は固定にしてあげるし、タバコや酒のデメリットは無効。その他病気への耐性も完備。もう同じ死に方はできないから安心してね! あと寿命で死ぬこともないよ! やったね」

 

 ……は? それは不死ってことか?


「不死ではなく不老だね。物理的に死ねばそこまでだけど、病気にもかからないし健康に害を及ぼすものの効果も受け付けないから、上手く生きれば死ぬ事はないから安心だね」


 安心とは。


 「あとね」


 神様は、にこっと笑った。


「私の配下を二人――君にあげるよ」


 その瞬間、背後に気配を感じた。

 振り返ると二人の女性が立っていた。


 一人は銀色の長髪で、タバコを咥えている天使。

 もう一人は黒髪でウルフカットで、酒瓶を持っている天使。


「はい。自己紹介」

「セブンスターです」

「ハイボールでーす」


 ……………………


 俺は二人を指差しながら神様を見た。


「ほら、ちゃんとしなさい」

「――ハクアです」

「クロエでーす」


 なんというか……適当な自己紹介だ。


 「この二人はねー、強さは配下の中でも一、二位を争うんだけど、扱いづらくてね。君に与えた能力を上手く使って手懐けてね」

 

 ……え、上手く使えって言われても。


「まあまあ、タバコと酒を与えてれば大人しい子たちだから。あと君に危害は加えないようにしておくよ。ほら、安心でしょ? でも君が彼女たちを殺そうとしたら抵抗されるから気をつけてね。それでは良い異世界ライフをー」

 

 ――ちょっ待


 神が手を振ると男と二人の天使は消え去った。


「……ふう、やっとあの二人を押し付けられる相手が来てくれたね。これでここも少しは平和になるかなー」


 そう言って神はフッと姿を消した。

 

気に入った方はグットボタン(ポイント)とチャンネル登録(お気に入り)をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ