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タイムトLOVEル(修正版)  作者: No,318
past
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私とナミは小屋に戻った。


ナミは小屋の横に用意しておいた画材を手に取り昨日の続きで写生を始めた。


私はナミのしたことの意味がまだ分らなかった。


でもそこには達成感に満ちあふれたナミがいる。


ナミは語りだした。


「ずっと見てたんだ。堀内君がサッカーしてる姿。一番彼が輝いてる時で大好きなの。だから頑張って欲しくて、ずっとこんな風に影から応援してたんだ。でも、どうしても一言ちゃんと言いたくて……アヒルちゃんのおかげだね!ホントありがとう!!」


そこにいるナミはとっても幸せそうに笑っている。


でも私は後悔してるんだよ??


違うよ。


アンタがホントに言いたかったのはそんな一言ぢゃないよ。


今好きだって、


この気持ちだよ??


その時私は違和感を覚えた。



あれ?



「この」気持ち?



「今」好き?



「今」ってどの「今」??



この頃の「今」??



それとも……



あぁ…



そうか……



この「今」は、私の「今」なんだ。



この子の「今」とは違うんだ。



この気持ちは、



後悔するためにあるんぢゃなくって、



「今の気持ち」だったんだ……



そっか……



15歳の私は、その時にちゃんと、



伝えたかった事、



伝えてたんだ。






私は今、とっても大事な事にようやく気がついた。


あの気持ちはこの時の後悔からあったんではなくて、この時の一歩からゆっくりゆっくり自分の中で温めて来た今の気持ちなんだ。


私はずっとこの時から堀内に恋してたんだ。


自分がこんなにも一途だった事にも改めて気がついた。


でも、このままで元の世界に戻ってもどうしたらいいんだろう。


私は余計に悩む事になってしまった。


結局私の願いは叶わない。


もしこの子が告白して振られていたとしても、私の気持ちがスッキリする事もなかったんだ。


むしろ今はそんな事ではなくて、これは全然話が別になる。


今の私から伝えないと意味がないことなんだ。


だけど、でも、それぢゃ、もうどうしようもない。


会ってもいない相手をどうしてこんなにも今想うのだろう。


しばらく考え込んでいると、ナミが私を呼んだ。


「アヒルちゃん!今日も終わりの時間だから行くね!また明日ね!」


私は少し寂しくなった。


今日はもう2日目。


夜には私はここからいなくなるだろう。


ナミ……


ずっとアンタのせいにしてごめんね。


アンタはよく頑張ったよ。


アンタは全然ヘタレなんかぢゃなかった。


ありがとう。


私は去っていくナミの背中を見えなくなるまで見ていた。

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