28
日もすっかり暮れ、私はその時を待った。
もうここで何もできることはないんだ。
あとは時間になるまで待つだけ。
その頃、校内に一つの人影が現れた。
その人影はゆっくりと小屋に近づいてくる。
ザリ…ザリ…
砂利の広場を進む足音が不気味に響く。
小屋の近くに来た時。
パキッ!!
人影は枝を踏んだ。
私もその音に気がつく。
今の音……何?
再び足音が近づいてくる。
誰か来る……???
誰??誰??ジジィ??
ザリ…ザリ…ザリ…
何か怖いんですけど!!!!!
ザリ…ザリ…ザリ…ザリ!!
小屋の前に人影が現れた。
こっちを見ているのが分かりなんとも恐怖感を誘う。
ひぃいいぃぃぃ!!!!怖いよぅ!!!!こんな迎えの仕方しないでよ!!!
パチ!!
その時まぶしい光に晒された。
「グワアアァアアァ!!!」
「あ、ワリィ!!ビックリしたか??」
人影がしゃべった。
あれ?この声は…
人影が私を照らしたライトを自分に向けた。
「よ!俺だよ」
そこにいたのは堀内だった。
「ワワッ!!」
え?なんで??もうビックリしたぢゃん!!!!!
「俺今自主トレで走ってたんだ。近くまで来たからさ、ちょっと様子見に来てやったぜ」
堀内が優しく微笑みながら言った。
ドキン…
堀内の事が好きな気持ちを確信し、目の前にはその堀内がいる。
今まで異性を前にこんなにもドキドキした事があっただろうか。
ずっと忘れていた感情だった。
「へーー、ここってグランドが丸見えなんだな」
堀内がグランドの方を見て言った。
「この位置だと俺らのサッカー部だな。はは。お前特等席じゃん!」
そう言って堀内は満面の笑みを見せた。
こんな風にも笑うんだ、堀内って。
私が知ってる堀内は、背が高くて、瞳が凄く綺麗で、落ち着いてて、でも得意なサッカーの時は物凄く情熱的で熱い。
そのギャップに凄く魅力を感じて、気がついたら惹かれてた。
でも今また新たに知った。
こんなにステキな笑顔も持ってる人だってことを。
19歳になった今見ても、15歳のままの堀内には惚れ惚れとしてしまう。
そんな時、堀内は不意に位置を確かめて小屋の横に座った。
「この辺かな」
そこは、いつもナミが座ってる場所……
「いつもここで絵描いてる子がいるじゃん、ほら今日お前の事必死に追いかけたあいつな」
堀内が思い出し笑いをしながら言った。
ナミ…つまり私の事……だよね?
「あいつ、何でこんなとこで描いてるんだろうな〜って気になっててさ」
え??堀内が私の事意識してたの???
「丁度さグランドからも見えるんだよこの位置、こっから見るとこんな景色なんだな〜」
あ、そっか。
丸見えなら視界に入るし、毎日いたらそりゃ気になるよね…
別に特別な意味はないか。
思わず意味深に捕らえてしまった。
そんなことあるわけないのにさ。
私何勝手に期待しちゃってんだろ。




