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その時。
「掃除完〜〜〜了〜〜〜〜!!!!!!」
「おーーい、あひるちゃ〜〜〜ん!!!」
スタートを切る間もなく、生徒に抱えられ、小屋の中へと移動させられてしまった。
あああああああああん!!!!!!!!!
そうこうしてるうちに、堀内とナミも戻ってきてしまい、つかの間の二人きりの時間も終わってしまっていた。
く……くそう………
でもまだ時間はある!!!!
焦りは禁物だ!!!!!
本人たちの目の前にいるんだ!!!!
チャンスは幾らでもある!!!!!
「いい寝床あった〜〜?」
小屋を掃除していた男子生徒が堀内に言った。
「ふっかふかの最高級持って来たぜ〜〜」
堀内が抱えてきたものを小屋の中に置いた。
材料班のメンバーも皆戻り、寝床が完成した。
「おっしゃ、完成〜〜〜!!」
男子生徒が号令のように叫び皆から拍手が沸きあがった。
「さぁ、アヒルちゃん!居心地を確かめたまえ!」
抱えられた私は小屋の中で放された。
皆が一生懸命作ってくれた私の居場所だ。
いくら私でも空気は読めるさ!
とりあえず今は乗っておくとこだね。
私は中を見渡し、出来立ての寝床に座ってみた。
おお!!
意外といいんでない!!!??
早速堪能している様子に皆からも歓声が沸き起こった。
皆、可愛いなぁ……
私は皆の純粋な心を改めて実感した。
「よぉ〜〜し!じゃぁあとは後片付けして教室で今後の当番を決めるぞ〜〜!」
「はぁ〜〜い!」
松崎先生の号令に一同が返事をした。
はぁ〜〜い!!
ぢゃぁ〜私も教室いこ〜〜〜。
私は入り口の戸の方へと向かった。