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ストラテジー世界チャンピオンは諜報極振りで覇権国家を目指す

このシリーズは設定厨が思い付いた設定を元に第一話分だけでっちあげてみた、というシリーズです。

設定だけなので続きとか考えていません。

もし、続きが読みたいという奇特な人が居たら、適当にパクって自分で書いてみてください。コメントに作品URL張っていただければ読みに行きます。

 全ての主要都市に4つ、国境近くの町や村にも2つの物見塔を建設せよ。女神が召還したという新しい王の出した最初の命令は、そんな内容だった。

 もちろん、建てて終わりなはずはなく、物見塔に兵が詰めなければ意味が無い。町の守りについていた農民兵は半数以上、街の規模に対して明らかに過剰な数の物見塔に配置されることになった。

 そんな物見塔に配置された兵士の一人が、見張りを追えて兵舎に報告に上がってきた。


「西の森、本日も異常はありません。ただ、水場近くをウズラが多く飛んでおりましたので、狼が狩り場を移した可能性が高く、ウサギやイノシシの口減らしが近々必要になりそうです」

「うむ、報告ご苦労。だいぶ慣れてきたようだな。細かいところまでよく気がつく。猟師組合には話を通しておこう」

 朝から夕方までの物見塔での監視を終えた監視兵に、士長はねぎらいの言葉をかける。物見塔に配置されて3ヶ月、何の意味があるかわからない見張りだが、この兵士は自分なりに意義を見いだそうとする。真面目で優秀な物見兵と言えるだろう。

「はっ、恐縮です」

「物見兵としての訓練は十分に積んだだろうし、君は明日からは斥候兵として遠地哨戒の任務に就いてくれたまえ。おめでとう、昇進だよ」

 斥候兵とは、監視兵が中級の練度に達する、もしくは開拓者が最高練度に達した場合に昇進してなることが出来る兵種で、開拓者の機動力と兵士並みの武力を併せ持つ。

「王から、一人でも多くの斥候兵を育成せよとの命令を受けているのだ。そのため、たいした外敵もないのに物見塔を建設しフル稼働させよと」

「いったいなぜそのような……」

 無意味なことを、と言いかけて監視兵は口をつぐむ。女神様が異世界より使わしてくれた王が無意味なことをするはずがない。きっと末端の兵士にはわからない深慮遠謀があるのだろうと考えなおしたのだろう。


 そして時は流れ、斥候兵となった彼が未開地の探索任務について3ヶ月が過ぎたある日、王からある程度の経験を積んだ斥候兵を王都に召集する、との命令が下された。

 斥候兵たちは王都につくと、訓練施設とやらの入科式典に出ろとの命令を受け、王の訓示を受けることになった。

 王は、筋骨隆々の勇者というわけでもなく、特に鍛えているという様子はなかった。どちらかというと人の良さそうな商家の若旦那といった風体の男だった。


 全国各地から集められたという多くの斥候兵がずらりと整列する中、演説台に立った王は、集まった斥候兵たちがなすべき事について訓示を始める。

「全国より集いし精鋭斥候兵の諸君、これより半年間、君ら任務は勉学である。この言語研究所で、異国の言葉、そして慣習を習得してもらう」

 勉学という言葉に立ち並ぶ兵たちがかすかにざわめく。兵士としての訓練を受けた我々がなぜに……。そんな疑問を他所に、王の訓示は続く。


「我が国の力は弱い。隣国含め、諸外国は悪しき天帝の加護を受けており、理不尽なことに寺院を建立するのに必要な労働力は我が国の半分で済み、研究も早く進む。我が国の女神の力は残念ながら天帝には及ばない。

 しかし、悲観することはない。女神は天帝に対抗すべくこの国にこの私を使わした。戦略を持って劣勢を覆す、それがわが使命である。

 同じ費用と時間をかけても研究しても勝てないのであれば、研究成果は他国より盗むのだ。盗んだ技術は我が国で活用するのはもちろん、敵の敵に売って資金を稼ぐと同時に相打ちを誘い敵国を弱体化させる。

 諸君らはその為の切り札である。諸君らはこの言語研究所で言葉と文化を学び、諸外国の都市で密偵として様々な任務についてもらう。情報を、技術を入手し、世論を操作し、敵国の都市を丸裸にするのだ。

 戦いにおいても諸君らにはありとあらゆる絡め手の任務が与えられるだろう。偽の伝令で敵を混乱させ、同士討ちや内乱を誘発し、防御設備の破壊工作を行う。諸君らの力で、戦う前に勝利をつかむのだ。

 私は女神に、そして諸君らも含めた国民すべてに誓おう。この密偵の経済で、遠くない将来にこの国を大陸の覇権国家にしてみせる。諸君らは優れた密偵となり、我が国の躍進を支えて欲しい。

 我が国の未来は諸君らの双肩にかかっている。覚悟を持って研鑽に励んで欲しい」

 王は演説をそう締めくくると、満足げに斥候兵たちを見渡した。

 この国が大陸の覇権国家になるという言葉に、斥候兵たちは歓喜の怒号を持って答えた。


--------------------------

 言語研究所での訓示を終えた俺は、執務室に戻り女神のの力を起動させた。

 俺にしか見えないウィンドウ画面が何もない空間に立ち上がり、たくさんのパラメータが表示される。

 俺にとっては見慣れた、世界的ステラトジーゲームの国家パラメータ画面だ。

 数値をチェックし、戦略が順調であることを確認し、一息ついた。目を閉じて、この世界に召喚された日のことを思い出す。


 海外で開催された世界大会に日本代表として参加した俺は、各国の強豪プレイヤーを打ち破り優勝した。しかし、その翌日、空港に向かう途中の地下鉄で移民の自爆テロに巻き込まれて死亡した。これから二枚舌外交の国は……。

 後はお決まりの転生コース。白い部屋で女神に会い、天帝の加護を受けた国々の侵略から大陸を守って欲しいとお願いされ、二つ返事で了承した。

 定番の異能は国のステータス画面を見ることができるというもの。その上で、女神の庇護下にある国に王として転生した。


 状況は最悪だった。天帝の加護は強力で、軍事、経済、科学、全てにおいて常時ブーストがかかる。同じ条件でなら国力は倍ほどの差ができてしまう。すでに6つの天帝国家がこの大陸に足を伸ばし、女神の庇護国を合わせて七つの国で大陸は分割されてしまっている。

 そのまま普通にNAISEIしていては生産力と国力の差に押しつぶされて滅んでしまう。圧倒的な逆境、そういうしかない状態だった。


 しかし、状況が厳しいからこそ、燃える。

 上等だ、ステラトジーゲーム世界チャンピオンの戦略を見せてやる。

 女神からもらった異能、「国家のステータス表示」と、俺の頭脳があればたかだか生産力が倍違う程度の難易度なんてはねのけられる。


 これは、ステラトジーゲームの世界チャンピオンが悪の天帝の侵略から大陸を守る、英雄王誕生の物語である。


知ってる人にはモロバレだと思いますが、元ネタがあります。

ヒントは密偵をカタカナ3文字で置き換えた単語と、相手国の加護の名前。


NAISEIに振るなら、もうこれくらい割り切って国家運営に特化した設定の方が、いろいろと面白く出来るんじゃないかと。

国家ステラトジーゲームの名物プレイを小説化すれば、きっと面白いストーリーになるはず。

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