ない胸んたーぷらいず
開幕ですよ!プロ野球!今シーズンは西武がリーグ制覇、日本一です!
砂浜で倒れたはずだが、ふかふかのベッドの上か。
「あ、ダイちゃんおはよう」
そっか、姉様がここまで運んでくれたのか…
「おはようございます…」
少し頭痛がするが、別に体に異常はないだろう。なんで倒れたんだろうか?
「ダイちゃん。いろいろ溜め込んで我慢しなくてもいいんだよ。ゆっくり休んでもいいんだからね」
「いえ。そんなことはないです。何も溜め込んでた覚えはないですし…」
いつもそばに姉様がいてくれたから俺の体はいつも満たされていた。逆に、俺の不健康な生活に付き合ってくれていた姉様が心配だ。俺よりも遅く寝て、俺よりも早く起きていたんだから…
「心はそうかもしれないけど、身体がもたなかったみたいだよ。無理しちゃダメ」
「いえ。この身が朽ち果ててしまおうとも、姉様のためなら本望です」
「自分だけいい気になって遠いところに行くつもりなのかな?許さないよ。だから、今は休んで」
あーあ。姉様のためとか言いながら、結局自分のことしか見えてなかったのか。狭い視野だな。
「姉様のお望みとあらば、休みます。ですが…介抱して下さいよ?」
「心も身体も満たしてあげるから。途中で満足だなんて言わないでね?」
イタズラ笑顔の姉様は少し前と同様にパーカーのチャックを開けて誘ってくるが、俺はここから動くことができない。焦らすな…
「いいから、しまってください。帰ってからも時間はたっぷりあるんですから」
「ダイちゃんから襲ってこないんだもん。善は急げ的な?」
「果報は寝て待て。そのうち襲ってあげますから」
ーいつものように、誘ってくる姉様を適当になだめていた。俺にそんな気はなかったし、姉様も俺が本気にしないと思っての冗談だろう。けどさ…
「ダイスケくん…」
なんでこのタイミングでくるかなぁ?修羅場だよーここから逃げたいけど、飛行機も出してくれなさそうだし…第一動けないし…詰んだ詰んだ。
「あ、華蓮さん?何か用があるんでしょ?どっかいっててあげるよ?」
んんん?姉様?止めようとした頃にはいなくなってるし…不穏な空気が漂ってるんですけど…
「先輩…多分勘違いがあると思うんで、お話ししましょう」
焦りながらも、交渉を持ちかけてみる。要求はなんだ…
「いや、何もない…」
姉様もいなくなって、先輩もいなくなって。何もないのはこっちの方だよ…立場まで消えるんだろ…今まで15年以上積み上げてきたものもなくなって…
「いや、まじでか…」
「どうしましたの?ダイスケ様…華蓮様が出て行きましたけれど…」
陽依姫様が困惑した表情でこっちを見てくる。
「僕と先輩の間で思い違いがあって、ちょっと関係性が悪化したかんじかな…」
ちょっと悪化ごときで済むかは知らないけど。
「そうでしたの。それでしたら、華蓮様を呼んで参りますわ!」
救いの手が差し伸べられたのか…?信じていいのか?
「ほんと!?」
思わず大きな声が出てしまう。さすが陽依姫様なんて崇められてるだけはあるな…
「え、ええ。ダイスケ様は動けないんでしたら、華蓮様に来ていただくしかありませんもの」
女神か。もし姉様がいなかったら好きになって結婚してたところだぞ…
「ありがとう…としか言いようがないんだけど、本当に感謝してる…」
「いいえ。私が誘った内で起きたんですから、私ができることはしないといけませんわ」
なんと!?今までの悪いイメージが全部嘘みたいだ。人間として尊敬に値するな。金持ちなのに…こんなにいい奴がいるとは。
「じゃあ、よろしく頼むね」
「お任せください」
そう言って陽依姫様は呼びに行ってくれた。…そういえば昼ごはんってまだなのかな?お腹空いたんだけど…




