don't disturb (邪魔すんなよ)
木曜日
「お疲れ様でーす」
昨日、あんなことがあったからか今日は少しテンションが高くなって口からこんな言葉が出てしまった。
「…お疲れ様…」
「!?」
おっと、驚いてマガジンマーク(?)が出てしまった。まさか返ってくるとは。
「…何?…」
目を丸く見開いていると、先輩は不思議がって首を傾ける。先輩…やりおるな…
「返ってくるとは思ってなかったのでちょっとびっくりしちゃいました」
秘技・照れ笑いを発動すると、先輩もクスッと笑ってくれた。よかった…
「…お昼…だべよ?…」
「待ってくれてたんですか。嬉しいです」
昔から知っていたとはいえ、ここ何日間かで急に仲良くなった気がする。短い会話を何度か交わしただけなのに…先輩って失礼かもしんないけど、友達少ないんだね。
「いただきます」
「…いただきます…?」
俺が言ったのにつられて、先輩も不慣れにそういう。なんか聞くところによるとまあまあ金持ってるところの坊ちゃん嬢ちゃんは『いただきます』何て言わないそうだな。
命はカネで買えるものじゃないんだよ…クズどもが。
「先輩のお弁当可愛いですよね」
俺が初めてもらった弁当に似ている。頑張って作ってくれた姉様には、少し言いづらかったけど『恥ずかしい』って言ったら修正してくれたんだよな。大学の勉強よりも優先して。ほんと愛に溢れてるよ。
「…少し食べる?…」
何という粋な計らい。もちろん断りません。
「本当ですか?いただきます」
盛大なお重には入ってるわけではなく、言ったら庶民的なプラスチックのお弁当はきれいな彩りで箸をつけ難い。けれど俺は思い切って卵焼きに箸を伸ばす。見た目はすっごくきれいな黄色に、黒すぎない茶色。
「すっごく美味しいです!」
俺好みの甘い味付けの卵焼きは、姉様のお弁当やうちが雇ってる料理人さんの作るものに引けを取らない美味しさだった。なんかちょっと意外。
「…そう。よかった…」
安堵に大きく息を吐く先輩。初めてはやっぱ怖いよね…
「ごちそうさまでした」
「…ごちそうさまでした…?」
お腹いっぱい。お姉様と食材と、それに携わった方々とそして先輩に感謝です。
「…ダイスケくんって…誰の本が好きなの?」
「この作者さんが好きってのはないですけど昨日話した通り司馬先生の作品はどれも好きです」
「…そうなの…」
なんか期待させていたのか、先輩はしょんぼりと気を落としている。落ちた目線の先には、まあまあの量の荷物がある…悪いことしたな…
「ジャンルでいうと歴史系が多いですかね。昔の人たちの武士道って惹かれるものがあるんですよね」
「…私もそう思う…自分が思う、道を貫く姿、は…かっこいい…と思う…」
目が輝きを取り戻したしこれで大丈夫かな。
「先輩は誰が好きなんですか?」
「…頭は、悪そうだけど…忠誠心が、強い山中 鹿之介とか…」
「そういうのって知れば知るほど考えも変わったりして面白いですよね」
気が付いた頃には、もう授業が始まろうとする時間だった。
初めてって怖いよね…(意味深)
DTくさいネタが多いですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。ブクマが1つ増えててすっごく嬉しいです。
追記
1つ増えたって書いたら1つ減りました笑
悲しいですけど、また明日1つ増えるように頑張ります




