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ブラッドカラー  作者: 福乃 吹風
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66話 ナユとの出会い

 ソアレは無事かと行ってみたが、一歩遅かったようで影魔が僕の肩に乗り、バンジャに捕まっていた。嫌だとソアレはもがいても、バンジャは離さずにいる。


「チェックメイト。わろの勝ちだのろ」

「チェックメイトはまだ早い!」


 バンジャがソアレを連れて逃げようとするから止まれと発し、バンジャが止まってその隙にソアレを救おうとした。そしたらバンジャは目を疑うような瞳をして、後ろを振り向く寸前に眩しい光に包まれ何か僕に絡まる。

 早くソアレを救わなければならないのにと、思っても眩しすぎて目を瞑ると誰かが通り過ぎた音が聞こえた。次の瞬間、僕の体内に異変を感じ倒れ込む。なんなんだと影魔を使おうと思っても、苦しくて僕は暴れていった。



 ソアはバンジャに捕まってもがいていたけれど、ティルがいきなり暴れ出して、愕然してしまった。だってティルの髪質がどんどん銀髪に変わっていくんだもん。

 何が起きているのとバンジャの腕を掴んだままでいたら、ティルに何かをした人が目の前に現れた。 


「なっなんであんたがここに降りてんだよ!」


 バンジャはこの人を知っているようで、その人と距離を離そうとソアを連れて離れてる。


「ソアレを返しなさい。そうすれば君を殺さずに済みます」

「嫌だのろ!ソアレはわろの物だのろ!あんたらにソアレを渡してたまるのろかよ!」

「そうですか。ならバンジャ、君はわたわの手で処刑いたしましょう」


 この人はティルに何かをしたことで、許せなくて、ソアは最後の爆弾をその人に投げバンジャに頼む。


「バンジャ、この人怖いっ。デッドハラン王国に戻ろっ」


 せっかく助けに来てくれたけど、この人が怖くてバンジャにしがみつき、バンジャはグラキャスを数体だして、デッドハラン王国へと逃げた。



 逃げられてしまいましたがいいでしょうと、苦しんでいるティルを抱っこをし、ワリュドから降りる。エワンは気絶させスターリに任せていた。

 苦しみながらお前は誰だとわたわに質問をしていて、ジルーが事前に用意しておいた扉を開き、カディヴィア学園の土地に帰る。まだ応えられないとまだ生きている防犯カメラの付近にティルを座らせた。


「まだ答えられませんが、近々迎えに行かせます。それまではわたわと出会ったことは内密に。いいですね」


 ティルのおでこにわたわのおでこをくっつけさせ、わたわと出会ったことを消しておく。ティルは眠りにつき、さてわたわは見物をしに行きましょうとウラデュエで見届けることに。



 三日後、ようやく土地が見えたらしくあれがブラッディアの土地か。すでにルシャンダのゲートで潜伏しているみんなと合流できればいい。

 昨日、無線にノイズが入り使え物にならなくなってしまって、みんなと連携ができない状況に陥っていた。島の様子も確認がとれないままだとしても、無事に帰ることをリアと約束したし、今はアイズを止めなくてはならない。ブラッディアに近づくにつれて、すでに野良のファンズマが見えていた。


 これを倒さないと先へは進めそうにないかとそれぞれ班長に指示をしながら船を停船させる。少数は船版をしてもらい小舟を出して、ブラッディアの土地へと足を踏み入れた。

 岩に隠れながら班ごとで動いてもらい、アイコンタクトを取りながらファンズマを倒しつつ、先へと進んだ。


 見張りはここにいないのかと進んでいると、ガリシャが止まれとみんなに指示を仰ぐ。


「何か見えた?」

「要塞の入り口付近に、アイズとキアが待ち構えている。すでに俺たちが侵入していることは気づかれているようだ」

「なら隠れず顔を出したほうがよさそうだな。ちなみにロンゴールは?」

「城の中で悠々とワインを飲んでいるが、城内にバンジャとソアレがいる。確か二人はティル館長が相手をしていたはずだ」


 確かにリアから共有してもらい、ティルはバンジャからソアレを救出するはずだった。こんな早く戻ってくるだなんて、何が起きたんだよ。

 とにかくここはケリーの霧を使って要塞の中に侵入させるか。


「後はハッカークロウがいるぞ」


 ザズが言っていて、隊長三人がここにいるってことか。そうなるとハッカークロウを倒す部隊、バンジャを倒す部隊、そしてアイズを倒す部隊とロンゴールを倒す部隊、合計四つの部隊が必要になる。

 本来ならばバンジャが来ないと想定して、三つの部隊しか用意していない。ここはBプランかな。


「エリュウ班とフラ班はバンジャのところへ。ザズはダディゴと合流してクロウのところへ。ブルバ班とレッツォ班はアイズを。ニディア班とヨウミ班はロンゴールのところへ。ケリー」


 はいとケリーは手のひらを出しふうっと息を吐いて霧が広がって行き、班ごとに侵入してもらうも、そこでエンディートが出現。行ける者は行けと大声で指示を出しつつ、俺は剣を取り出して炎を纏う。


「案外早かったな。ようこそデッドハラン王国へ」


 兄貴は両手を広げながらせせ笑い途中でバリアが貼られ、侵入ができなくなっても入った者たちは城へと侵入していった。


「シフォンがいないようだな。あれか?キアに会いづらくて逃げ出したのか?」


 キアを確認すると気になっているような感じで、これは伝えとくべきか少々迷う。シフォンは俺に話したいことがあると言われ、待っていたけれどシフォンは来なかった。

 シフォンに何かあったんじゃないかとルシャンダに頼み、シフォンの足取りを確認するも見つけられず、結局シフォン班にいた部員を改めて組み直し今に至っている。


「なんだ?言いにくいことでもあるのか?」

「言ったことでキアが戻ってくる保証はあるのかよ。これは機密情報だ」


 シフォンが行方不明と告げてしまったら、キアは暴走するに違いないと感じた。だからもしキアがまだシフォンのことを想っているのならと提案する。


「キアが戻ってくるならシフォンの情報を渡すけど、戻らないのならシフォンの情報は渡せない」

「僕はシフォンのところには戻らないとあれほど言ったつもりだ」


 レッツォが動きそうになって、俺が合図をしレッツォは止まるが怒りを堪えているように見えた。


「話は終わりだ。エンディード、暴れろ」


 するとキアが出したエンディートが暴れ出して、みんなは自分の能力を活かしながらエンディードに挑む。俺、レッツォ、ブルバはアイズに攻撃を開始し、キアは姿を消した。

 キアがどこから攻撃してくるか、把握できないがアイズを止めることができれば一番だ。



 それぞれ動き始め、俺は鈴を使いロンゴールの前に立っていた。


「ノア、私の弟子になる決断は出せたのか?未来を見て私のところに来たのだろう」

「出せるわけがない。キアを直ちに返してもらわないと、ロンゴールお前は死ぬ運命を辿る」

「私は死を恐れたりはしない。忠告は受け止めておこう」

「すでに気づいているんだろ?だったらアイズに知らせ、キアを俺たちのところに戻させろ!」


 俺が見て来た未来、それはオーケルが現れロンゴールを殺す瞬間をだ。どのタイミングかはわからないが、オーケルはこの日のために動いていたこと。

 子供たちに訓練をさせ、デッドハラン王国にいるロンゴールの処刑をさせるために。それがリアとワイズ、そしてティルの三人によって殺させるためだった。幸い三人はライディー騎士団から脱走を図ったことで、オーケルは計算が狂ったんだろう。

 どうするかを考えた結果、自分がデッドハラン王国へと幽閉され、俺たちが来るのを待ち続けていた。そして俺たちの中にオーケルを脱出させる人間が必ず現れるということ。


「私の意志は愛弟子七人に託した。だから私は死を選んでも構わないということだ」

「戯言を言うな!あんたには償ってもらう必要があんだよ!」


 母さんがデッドハラン王国に幽閉され、なぜ母さんをノールトへ逃したのか。それを聞かなければならない。


「母さんを幽閉し、そしてノールトに逃したのはなんでだよ。ノールトに逃さなければお前がしたかった実験はできただろ?」

「前王ポファエはカディヴィアの遺伝子に興味を抱いていた。そこでーー」



 前王ポファエがまだ生きていた頃の話になる。私は前王の愛弟子として多くの研究を行っていた。様々な遺伝子を組み合わせたり、ファンズマの遺伝子と人間の遺伝子を組み合わせたりと研究の日々。

 そんなある日、帝王ジェバールが前王との会談をしている場を私も同席していた。


「ほう、カディヴィアの娘を誘拐すると?」

「目をつけている娘がいる。その娘と引き換えに人間の遺伝子をいただきたい」

「よかろう。カディヴィアの娘を連れてきた暁に、人間の遺伝子を分け与えると約束する」


 帝王ジェバールと取引をし、数週間後、帝王ジェバールはナユと少数のカディヴィア人を誘拐し、人間の遺伝子をもらって姿を消す。私は前王の指示により、ナユの監視下として動いていた。

 ナユはその頃、活発な小娘であり、ここから出してと窓ガラスを叩いていたな。


「ねえ、聞こえてるんでしょ?ここから出して!」

「それはできない。それにここから出たとしても、死ぬことになる。大人しくご飯を食べたらどうだ?」

「嫌よ!得体の知れない物は口に入れないんだから!」


 得体の知れない物と言われてもただのご飯に過ぎないが、研究のためになんらかの薬が入っているのは確かだ。キュルルルとナユのお腹は正直もので、ナユは恥ずかしそうにしながらでも、私にここから出すよう言われる日々だった。


 そしてナユが来て一ヶ月のこと……


 ナユはご飯を食べず日に日に弱まり、寝込むようになって、前王から無理矢理でもいいから食べさせろと指示が出された。暗証番号と網膜認証をし、中に入る。

 私が入ったことでナユは布団に潜り、絶対に食べないと言い出す。トレーに乗った食材を一度机に置き、布団を取り上げようとも、ナユはそれでも布団を取ろうとしなかった。


「ナユ、お願いだから少しでも食事をとれ!」

「変なもの食べるより、餓死したほうがマシよ!」


 そう言うやりとりが続き、このままだったら前王がナユに大きな罰を与えると感じ、ファンズマを使って布団を取り出す。

 返してと言われるも、ファンズマに動かないよう指示を出し、無理矢理でもナユの口に入れた。そしたら吹き出され私の顔に掛かる羽目に。

 仕方ないと次の日、私は料理を口に入れ、ナユの口に流し込む。飲み込むまで離さんぞとしていたら、ごくんと飲み込むのを感じた。唇を離したら卑怯者と近くにあったものを投げられる。


「ナユがしっかり食べないからだろ。これを繰り返してもいいが、どうする?」


 質問するとナユは一粒流しガツガツと自分の手で食べてくれたことで、毎日完食はしてくれた。そしてナユに異変が起こり、何週間は寝込んでしまい、検査結果のデータを前王に見せる。

 すると前王はくくくと笑い出してやっと適性したかと私に言ったのだ。


「やったぞ、ロンゴール。これで全土地を支配できるようになるぞ」

「全土地…。ナユに一体何を」

「決まっているだろ。幻のエンディードを生み出す人物を探していた。やはりヴィアント家の血筋は侮れない。ナユが元気になったら、実験を開始するぞ」


 前王はナユにあの幻のエンディードを生み出せるようにするとは信じられなかった。ナユの部屋に入りまだ眠っていて、ナユの寝顔を見ていたら、ボルシャが様子を見に来る。


「ロンゴール、やったのる?」

「そんなつもりで食事を与えてたつもりじゃない。幻のエンディードは制御不能だ。実験を開始すればどれだけの犠牲者が出るか……。ボルシャ、私はどうすればいい」

「ふうむ。わるもカディヴィア人を監視しているのだが、様子がおかしいのるよ」


 帝王ジェバールが用意したというカディヴィア人にナユと同じ食事を与え、エンディードが体内にいるとしたら大ごとになる。


「ボルシャが監視しているカディヴィア人のデータ見せてもらえるか?」

 

 ボルシャは手に持っていたタブレットで監視しているカディヴィア人のデータを見せてもらう。ナユとの遺伝子データと見比べるも、ボルシャが監視しているカディヴィア人はエンディードを生み出されていない。

 しかし別のファンズマであるワリュドがいるようで、のちにワリュドはボルシャの息子、バンジャの遺伝子に移動することに。


 数週間後、ナユはいつも通りの元気さを出し、最初は体力をつけさせるため、私と木刀で鍛えていた。いずれデッドハラン王国の調査員として、私のパートナーとして動くのだろうと。

 休憩の合間、ナユはある夢を追いかけていた。


「私ね、最初はこんなところ意地でも脱出しようと思ってた。だけどロンゴールに出会って、最初はやり方があまりに酷かったけど、ずっと寄り添ってくれたでしょ。だから今度は私がロンゴールを助ける番になろうって決めたの。だから私、もう逃げないよ」


 ナユは眩しい光のように笑って、私は思わずナユにキスをする。ナユは照れながら続きしよと私の手をひっぱり、こういう日々が毎日続くのだと思っていた。


 あの日が来るまでは……


 しばらくしてナユは前王の命令により、エンディードを出す訓練が開始。私はその場に立ち会うことはできず、ナユの訓練が終わるまで、別の仕事をすることになった。

 そして時はやって来てナユが血まみれになって私のところにやって来る。


「何があった?」

「私っ私っ」


 ナユは混乱をしており、デッドハラン兵がナユを探しているのを知り、ナユを私が使用しているベッドの下に隠した。


「ロンゴール様!大変です!王とその場にいた者たちがナユ様によって殺害されました!」


 そこで理解した。ナユはエンディードを表に出したということを。


「ナユを徹底的に探し出せ」


 はっと兵はナユを探しに行ってもらい、その隙にクローゼットからローブを取り出してナユに着させる。ここにいたらナユは確実に殺されてしまう。それは一番に避けたいと私は首に下げていた物をナユに渡した。


「これを鳴らせばデッドハラン王国から出られる」

「嫌だっ。私はロンゴールと一緒にいたいの。一緒に逃げよう」

「私は前王の愛弟子だ。簡単に出ることは許されなくなっている。お願いだ。私はナユを失いたくない。いいから逃げてくれ。大丈夫、私が必ず迎えに行くから、それまで身を潜めてくれ」


 ナユはそれでも私から離れようとはせず、このままだと危険だとナユに渡した物を首に下げ、愛しているとナユにキスをした後、それを鳴らしナユを逃した。

 どこに飛ばされるのかその当初、わからなかった。私が王となりナユを探しても見つからず、どこにいるのだろうかと。少しして、新聞を見てはっきりした。赤ん坊の頃につけていた物がたどり着く場所。そこがノールトだと言うことだった。

 

 私はあの時、どうすればいいのか部屋に引きこもり、ナユが兄であるルワードと結婚をし、ナユが子を授かったという情報が手に入った時、私の愛するナユはもういないのだと。

 ナユを手放さなければ、ナユと逃げていればと一時期思っていたが、研究していくうちに、ナユの子にもエンディードを生み出す力があるのではないかと考えた。


 そして私は目撃をしてしまったのだ。ヨウミが帝王ファンズマの子であり、それによってリアがヨウミを謝って殺害してしまった場面をな。

 そこでエンディードについて、前王から引き継いだデータを元に研究をしていき、出会ったのがアイズだ。アイズはリアとキアのファンということでもあり、エンディードの話を持ちかけると、ならエンディードを従わせる代わりにある条件を渡された。

 それはドロップとニディアの接触を禁止させることをだ。私はそれを条件にしアイズを一番弟子にさせ、エンディードを従わせることに成功した。



 真実を聞かされ俺は何も言い返せなかった。これで全て繋がり、母さんは今もロンゴールを愛している。それが気に食わず父さんは母さんを天へと上げた。

 

「反論はしないようだな。何かあったのか?」

「父さんがじいちゃんを処刑する時に、その場に母さんはいなかった。父さんはあるお方が迎えに来たと言ってた」

「…そうか。私が動き出したことで、あの国も動き出したということになる。ノアよ、もう一度聞く。私の弟子とならないか?そうすれば、ナユを助け出せるかもしれない」


 ロンゴールの弟子になれば、母さんを救える手段はあるかもしれないが、リアたちを守っていける自信がない。俺はどの選択をすればいいと、悩んでいたらヨウミたちが到着したようだ。

 

「ノア、どうしたのだ?」

「事実を述べたまでだ。さあどうする?後ろにノールト兵がいるぞ」


 ニディアの後ろにいるのは知っていたし、俺を確保しに来たんだろうと感じていた。じいちゃんはまだまだ生きててほしいし、アイズに一人で背負わせていたのは事実。


「ヨウミ、ごめん。俺は家族を守る為に動かせてもらう!」

 ヨウミの肩に触れ俺は真っ先にノールト兵に向けてファンズマを出し、次はニディアの能力を吸収して叫び出す。それによってみんなは耳を塞ぎ、エンディードを出した。

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