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異界のエルフ達  作者: かがみひこ
エルフレート
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第一話


「おっ、おっ、おっ、おっ!」

「遅かったか・・・」

緑豊かな台地が広がる広大な国”エフルレート”。

その国の中でも一番の美女ぞろいを誇る村は奇しくも666年に一度訪れた厄災の犠牲となった。

村長というには似つかわしくないほど遠い程の美しいプロポーションと若さを誇るエルフは

その現場にいち早く駆け付けたが時すでに遅かった。

「ムリィ・・・もう・・・ムリィ・・・!」

「ううん・・・いい!!異世界最高!!チート最高!エルフ最高!おほっ!」

「うぐっ、何というおぞましい姿・・・」

村長は目を見開き、思わず口を押えた。

「遅いですよ村長っ!もう、委員長はっ」

14~15歳と思われる耳が長く美しい色とりどりの髪をしたエルフ達は

目の前の光景に愕然とし涙を浮かべながらも槍などを構えて必死にけん制していた。

「もうっらめっ・・・らめっ・・・らめっ、らめぇえええええええ!」

「委員長!!」

叫ぶ村長の目の前では委員長と呼ばれた少女の眼鏡エルフが白目をむき、

口をあんぐり開けよだれを垂れ流しながら今まさに絶しようとしていた。

ーーーーただ性的なものは全くなく、肩車をされているだけなのだが。

しかし問題は肩車をしている熊みたいなおぞましい男である。

男は満面の笑みで肩車している少女を上下に揺らす。


無駄にデカい体。

胴と足の対比が8対2ぐらい。

すごく汗っかき。

何が入っているかわからないパンパンのリュック。

フルグラフィックTシャツ。

そして浮かべる光悦とした表情。

「て、転生してよかったなぁ・・・こんなロリっ子を肩車できるなんてな、なんてしあわ・・・よだれずびっ!!」

「ムリィ!ムリィ!無理ぃいいい!」

念押しするが決して性的な事は一切していない。

肩車してるだけである。

多分。


村長と共に駆け付けた村の精鋭達もその光景に思わず尻込みする。

「うううっな、なんとおぞま、うげっ、なにこのにおいっ!」

「は、はながもげ・・・もげ、もげる!!」

「み、皆怯むなっ!詠唱魔法を唱えよ!早くっ!」

村長に叱責され、精鋭達は皆自分を奮い立たせ大きな腕輪を回しだすと口々に呪文を呟く。

「構えっ!3・・・2・・・1・・・今!」

「ハッ!」

ボオオオォォォォン!

村長の合図とともに精鋭達の腕輪から一斉に炎の矢が放たれる。

しかしだ。

パンパンパンパン!

「なっ、”絶対領域”?!カテゴリークラス5の魔法?!」

むさ苦しい男に当たる直前、炎の矢は薄いオーロラ色の壁に阻まれ飛散した。

「な、なんで僕を攻撃するのぉ?!僕この異世界にきた救世主だよ救世主?!

バケモンを倒しに来たんだからぁ、大丈夫!僕の能力魔法のレジストリ弄ってもらったから」

そういって必死に自分を指差し訳の分からない弁明する。

その額からは絶対に当たりたくないほどの嫌な汗が滝のように流れていた。

「・・・何が救世主だ。バケモンはお前だ!」

「な、なんだってぇ!」

むさい男は村長の台詞に激高しつつも以外にも優しく肩車していた今やグッタリしている委員長と呼ばれた

エルフを優しく足元の芝生に寝かせた。

「ぼ、僕のどこがバケモンっていうの?!訂正しろ!」

むさい男が手を天に掲げた途端、雷鳴が鳴り大雨が精鋭たちの所だけに降り注いだ。

ザァアアアアアアアアアア!

「うぁあ、これは!?」

「ち、ちからがはいらなっ・・・」

「クラス3、アシッドール、脱力魔法しまっ・・・」

村長はよける間もなく全身にその粘液のような雨を受け、その美しい体のラインがぬるぬるに浮き彫りになった。

・・・・・・性的な意味はない。

「えっ?!あ、ちがっ、ちがう、そう、たまたま、たまたまだからぁ!不可抗力!ワザとじゃないんですぅ」

以外にもウブなむさい男は思わず赤面をしながらもその視線はエルフ達の身体に釘付けだった。

「クソッこんなしったい・・・マジカ!!」

村長が悲痛な顔をして叫んだとき、天から一筋の光がさす。

「ぬほっ?!」

サァアアアアアアア!

その光が男の肩に触れた途端、普段ドラッグストアに売っている除菌スプレーもおもちゃ同然になるほどの凄まじい

殺菌成分光がその肩を焼いた。

「ほぁああああ!ほぁああああ!マジかぁあああ!」

痛みにおぞましい苦渋の表情を浮かべる男はしかしながら意外にも恐ろしく俊敏であり、すぐにその場から離れた。

その時、明後日方向から声高らかに宣誓が上がる。


「マジカ、私が相手だ!」


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