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「アハハハハッ! マジで? その男、バカじゃねーの。チョーウケる!」
「でしょー。ほんっと間抜けだよね。思いだして、私もまた笑けてきた。キャハハハハハハハハ」
繁華街から近く、そこそこといった具合の人の多さの通りを、ともに年齢は二十代の前半で、派手な身なりなので非常に目立つ、恋人である男女が、楽しそうに大声で話をしながら歩いている。
「そんでさ、由美子、怒っちゃってー。信じられない言葉を口にしたんだよ。なんて言ったと思う?」
「……」
「ねえ、剛雄、聞いてる?」
「……」
「どうしたのよ? 急に、真顔で、黙って」
「……」
「あれ? なんか、顔、引きつってない? それに、顔の色も悪いみたいだけど。なに、お腹でも痛くなった?」
「……」
「ねえってば、しゃべってよ!」
「しーっ」
「え?」
「もう大丈夫か。今、俺たちとすれ違った男、見たか?」
「はあ? 何なの? 見てないけど」
「だよな。そいつ、ヘビみたいな顔をしてたんだよ」
「ええ? ヘビぃ?」
「ああ。冗談や大げさじゃなく、ヘビが人間に乗り移ったって感じで、ニターッと、ずっと薄笑いを浮かべた表情で、とにかく不気味で気持ち悪くてさ。ありゃあ、十中八九、犯罪をやらかしたりしてる、やべえ奴だな。一瞬こっちに視線をよこして、目が合っちまって、それ以上は俺たちに意識を向けさせたくなかったから、声が届かないように話すのをやめてたんだ。あ~、ゾッとする」
「えー、やだー。なに、それ。チョー怖いじゃーん」




