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エピソード26 = 視点修正

 柱央中枢の工業区画、もといメンデッド化施術機構。

 そこは小さなトイレほどの広さの小部屋がびっしりと詰まっている場所だった。

 その小部屋に生物が入ると、1時間以内に欠損した部位を機械で補われて完全な健康体になれる。

 危険かといえばそんな事はなく、少しの怪我や全く体に問題のない人間が入った場合は何も起こらない。

 死体や脳死した生物も同じ結果であった。


 それもあってか、工業区画の中では特に安全な場所でありセキュリティはザルだ。


 ……大人1人を担いでいたとしても、いとも容易く侵入できる。


 扉を開けて気絶している男を放り込む。

 硬い地面に叩きつけられたとというのに男は目を覚まさない。

 出血が多いためだろうか、しかし、1時間もすればそれも治る。

 再び万全で対等な状態で話し合おう。


「………………。」

 僕も大分、精神状態が悪くなっていた。

 機能再開しつつある遺神体の頭脳と、僕自身の脳への栄養不足によって朦朧とし、限界は近いだろうということはこんな頭でも理解できた。


 あと長くても1時間。

 男の手足は綺麗に切断したので早ければ30分程で出て来るだろう。


 それまで待つ事が出来れば………………………………………。



 突然、何かが繋がった感覚がした。


『エラー。廃棄後の違法利用を確認。本機の強制排除を行います。』



 気がつくと夜中で真っ暗だった筈のセルが、まるで昼間のような明るさに変わっていた。

 長いあいだ暗闇にいた為に開ききった瞳孔が多量の光に耐えられず目を開ける事が出来ない。

 何が起きたのか訳もわからずしばらく動けないでいると、僕の脚が、あの大きな音を立てた。



「ギ!ギィィギィィ!ギ!ギギィィギ!ギィィギィィギ!ギ!ギィィギ!ギィィギギィィギ!ギィィギギィィギィィ!」

『セル内のイレギュラー数……2件。のち一件に技術フェーズ7モジュール複数と人体の接続を確認。()()()()()()()()()()。』


 脳裏で恐ろしい言葉が聞こえた。


 そして、その言葉の意味を完全に理解する前に、僕の意識は途絶えた。



「ギィィギギィィギ…ギィギィギィ…ギィィギ…ギィィ…ギギィィギ…ギィギィギィ…ギギィィギギ…。」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おいっ!ランド!」

 オレは制止をする父さんを振り払って外に出た。


「これを解決出来そうな凄い人がいるんだ!その人達を呼んでくるから、父さんと母さんは先に逃げて!」

 返事を聞かずに走り出した。


 ハイヴから生えるように出ててきた大ムカデは、未だに全貌を現さずに付近の建物を薙ぎ払うように破壊している。

 ……今まで化け物がいると言う迷信を馬鹿にしていたのに、今はその迷信のおかげで人がいなくて良かったと思う。

 大人は臆病だと馬鹿にしていたオレの方が間違いだった。


 助けを求めるとしたらライズさんとリンのどちらかだろう。

 ライズさんはこの騒ぎにきっと気付いてくれるだろうが、リンはそうではないかもしれない。

 …そもそもなんの関係もないリンが助けてくれるという発想自体が間違いかもしれなかったが、今は縋れるもの全てを頼らなくては。


 だが、リンを呼ぶことは出来るか?

 リンはハイヴにいる……あの広大な迷宮からオレがリンを見つけ出す事は不可能だ…。

 遺神体はいるし、もし見つけられたとしてもその頃には大ムカデがセルを破壊し尽くしているかもしれない。

 ライズさんなら一人で大ムカデを倒してくれるかもしれないけれど、そんな保証はどこにもない。


 オレがリンを見つけるのが無理だとしても、リンがオレを見つける事は出来るかもしれない。

 ハイヴの入り口で大声で呼べば、もしかしたら気付くかもしれない。


 仮定の多い不確実な賭けだったが、今オレに出来る大きなことはそれだけだと思った。

 非力なオレが最大限に役に立つ可能性のある方法、失敗すれば遺神体と出くわすかもしれないがそれでも何の役にも立たないでいるよりかは絶対にいいはずだ。


 大ムカデが出て来たところとは別のセルの壁、そこのハイヴに向かって走る。


 途中、遺神体が視界を横切り肝が冷える。


 ……こんなところまで遺神体が…?!

 セルには入ってこない筈なんじゃ………?

 幸いにも遺神体はオレに気付かずにセルの奥の方へ向かって歩いていった。


「あの方向は…確かライズさんが捕まっているところの…。」

 柱央中枢管理所から少し離れたところにある収監所の方向へ真っ直ぐ向かっているようで、やや不安になる。


 ハイヴでは無敵のように見えたライズさんも、セルの中の拓けた土地ではどこまで戦えるのか分からないかった。

 ……だからこそリンに助けを求めるんだ。



 ハイヴに差し迫ってきたときだった。

 建物の陰から出現した遺神体と鉢合わせしてしまう。

 後ずさるも斜め後ろからも一機、そして大型のものが一機。


 ハイヴまであと少しなのに……!

 どうしよう…。


  瓦礫の山に潜むように死角にいたそれらは目を赤く光らせ、既に攻撃用のアームを伸ばしてオレを捉えていた。

1日1500文字程度をノルマに設定したためか、サブタイトルを決められる程内容がないよう…。

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