楽しそうな鈴
ギルマスガラムに一部セリフを追加しました
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「ふふ、すごいですぅ、セイナさん! 羽が生えて、本当の天使さんみたいですぅ!」
自室のベッドの上でパタパタと軽快に飛び回るぬいぐるみを見上げて、鈴は瞳をキラキラと輝かせました。レベル501の魔力がもたらした、最高のハプニングです。
「これなら……ふにゃぁ、お部屋の中でおいかけっこが出来ますね、これで!」
「おいかけっこですかぁ!? 楽しそうですぅ、鈴様!」
「はいっ! セイナさん、私を追いかけてくださいっ!」
鈴はベッドから飛び起きると、長いパステルピンクの髪をなびかせて、お部屋の中を楽しそうにトコトコと走り始めました。
「待て待て~ですぅ、鈴様~!」
羽を生やしたセイナのぬいぐるみも、小さな手足を動かしながら、楽しそうに鈴の後ろをパタパタと追いかけます。いつも人見知りで部屋に引きこもりがちだった鈴が、自分の部屋で無邪気に笑いながら飛び回るぬいぐるみと遊んでいる――その光景は、まるで童話のワンシーンのような優しく平和な時間が流れていました。
一方、アステリアの宿屋(サウナ別館)
その頃、宿屋のテラスでは、聖水風呂から上がって完全にととのっていたアステリアのギルドマスター、ガラムが、ようやく正気を取り戻してガバッと起き上がりました。
「……ハッ!? 恐ろしいほどの快感だった……。だが待て、シオン、フィオナ王女!」
ガラムは、首からカレンの肉球紋章がついた木札をぶら下げて満足げに佇む二人を鋭い目で睨みつけました。
「お前ら……。この宿屋の別館を勝手に大改造してサウナなんてものを作ったが、これ、商業ギルドの許可は取っているのか!?」
「……しょ、商業ギルドの許可?」
シオンがメガネを押し上げ、フィオナ王女と顔を見合わせます。二人はサウナを建てる熱意だけで突っ走っていたため、お堅い役所手続きのことなど1ミリも考えていませんでした。
「許可など、取っているハズがありませんわ!」
フィオナ王女は胸を張り、キャスケット帽をクイッと上げてわがまま全開で言い放ちました。
「何のためのセントシャイア王女の権限ですの!? 商業ギルドの許可など、わたくしの権限で、今すぐ強制的に許可させますわ!!異論は認めませんことよ、おーっほっほっほ!!」
「いや、王女の権力で商業ギルドを強引に黙らせるなよ……」
ガラムは頭を抱え、盛大に呆れ返りました。平民の服を着ていても、中身は唯我独尊の超わがまま王女のままです。
「まあ、ガラム殿、そう堅いことを言うな」
シオンも涼しい顔で追撃します。
「このサウナがアステリアの冒険者の疲労を100%回復させることは、今しがた貴殿の体が証明したハズだ。公益のためにも、商業ギルドは黙ってハンコを押すべきだろう?」
「お前らなぁ……(ハァ……)」
「このサウナだったかおそらくお前達が
考えたものじゃないだろう❓
誰かは知らないがそいつに迷惑かけることになるぞ」
王女の超権力と、天才魔導師の屁理屈、この最強に厄介な二人を前に、ギルドマスター・ガラムの胃痛は早くも限界を迎えるのでした。
現在の状況
| 登場人物・場所 | 状態 | 現在の様子 |
| 桜井 鈴&セイナ | 【おいかけっこ中】 | 自室。パタパタ飛ぶぬいぐるみと、笑顔でドタバタ部屋を駆け回る。 |
| ギルマス・ガラム| 【胃痛・呆れ】| サウナで体は全快したのに、二人の無法っぷりに精神的疲労がマッハ。 |
| フィオナ王女 | 【わがまま全開】| 「商業ギルドなんてわたくしの前では無力ですわ!」と特権発動の構え。 |
| シオン | 【理論武装】 | サウナの効能を並べ立て、ガラムに商業ギルドへの根回しを迫る。 |
「ふにゃぁぁ、つかまりましたぁ~!」
「捕まえましたですぅ、鈴様! ぎゅ~ですぅ!」
我が家で最高に平和な休日を完成させた鈴と、外で王宮権力を振りかざしてサウナの合法化を進めるストーカーたち




