サウナ化するダンジョン
「ふにゃぁ……なんだか、とっても暑くなってきちゃいましたぁ……っ」
鈴がケーキを食べようとした瞬間、ダンジョン内の気温が急上昇しました。
原因は明白です。自分のステータス画面に表示された「羞恥」の文字を見て、ヒルダとミィアが猛烈に照れ始めてしまったからです。
「す、鈴殿……っ。私が『恥ずかしさ』を力に変えて戦うなど……そんな破廉恥な……っ!」
――ボォォォォォッ!!
ヒルダの腰にある剣から、パステルピンクの業火が吹き上がり、近くのカーテンを焦がしそうになります。
「あちちっ! ヒルダ、火が出すぎニャ! ……って、あたしも手がポカポカどころか、燃えてるニャー!!」
――ドッカン! ボシュゥゥゥッ!!
ミィアが照れ隠しに尻尾を振るたび、拳から火花が飛び散り、床の絨毯がチリチリと音を立て始めます。
鈴のピュア・アクア消火大作戦
「ひ、ひぎゃあああ! せっかく作ったお部屋が燃えちゃいますぅ!! 二人とも、落ち着いてくださいぃぃ!!」
鈴は慌てて杖を振り回しました。セイナは霊体なので直接水を操ることはできませんが、鈴の横で「皆様、頭を冷やしてくださいぃぃ……っ」と必死にハンカチ(霊体製)を振って応援しています。
「……私の冷たいお水で、クールダウンですぅ!! 【ピュア・アクア・ミスト】!!」
――シュゥゥゥゥゥゥッ!!!
鈴が部屋中に大量の聖なる水を霧状に散布しました。
激しく燃え上がるヒルダの剣と、ミィアの拳。そこに鈴の冷たい水が降り注いだ瞬間――。
ダンジョン、サウナ化
「「アツッ!?!?」」
猛烈な熱気と水気が衝突し、リビングは一瞬にして真っ白な「超高温スチーム」に包まれました。
「ふにゃぁ!? 前が見えませんぅ! しかも、これじゃあリビングがサウナですぅぅ!!」
「……はぁ、はぁ……。鈴殿……水のおかげで剣の炎は収まりましたが……湿気が、湿気がすごくて、甲冑の中が蒸れて……非常に……恥ずかしいです……っ」
「(あ、また恥ずかしがってる……)」
ヒルダが湿気と羞恥心でさらに赤面したため、再び剣からボォッと熱が発生。そこに鈴が「火事厳禁ですぅ!」と追い打ちの水をかけるという、終わらない無限ループが始まってしまいました。
「……あぅぅ。セイナさん、助けてくださいぃ……。このままだと、お部屋が茹で上がっちゃいますぅ……」
「鈴様、頑張ってくださいぃ……っ! ヒルダ様たちの心を落ち着かせないと、この熱帯雨林状態は終わりませんぅ……!」
現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 影響 |
| 桜井 鈴 | 【必死の消火】 | 常にピュア・アクアを出し続けていて、腕がパンパン。 |
| ヒルダ | 【蒸し焼き騎士】| 恥ずかしさで燃え、水で蒸され、また恥ずかしがるループ中。 |
| ミィア| 【しなしな猫】 | 毛並みが湿気でペタンコになり、「力が出ないニャ……」とダウン。 |
| セイナ| 【応援担当】| 水の中から「頑張れー!」とエールを送る。 |
| カレン | 【毛玉の危機】| 湿気で自慢の毛並みが膨張し、巨大な毛玉のようになっている。 |
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「……ふにゃぁ。……もう、みんなでお風呂に入り直した方が早い気がしてきましたぁ……」
真っ白な霧の中で、鈴の力ない声が響くのでした。




