覚醒のセイナ
「 こうなったら、当たらないなら避ければいい……じゃなくて、動けなくすればいいんですぅ!!」
鈴は泣きべそをかきながらも、杖を高く掲げました。この洞窟という閉鎖空間なら、あの魔法が一番効果的なはずです。
「……私の清らかな水で、頭を冷やしてくださいぃぃ!! 【清らかな水・大洪水】!!」
――ザザァァァァァッ!!!
鈴の杖から、滝のような勢いで聖なる水が溢れ出しました。あっという間に洞窟の床が水で満たされ、水位は腰の高さまで上昇! 超スピードで跳ね回っていたソーサリーメタリィラビットも、水の抵抗に足を取られ、「ピチャピチャ」と不恰好に足掻き始めました。
覚醒:水中遊泳のセイナ
「……今ですぅ! お水の中なら、私の独壇場ですぅ!!」
鈴の懐から、セイナが「シュルリ」と抜け出しました。彼女は霊体のドレスを翻し、水を得た魚のように……いえ、人魚のようにしなやかに水中に飛び込みます。
「……はぁっ!!」
セイナはスキル【水中遊泳】を極限まで発動。水の抵抗を一切受けないどころか、水を味方につけた彼女のスピードは、鈍ったウサギを遥かに凌駕していました。
「……逃がしませんぅ! そこですぅ!!」
セイナが水中で目にも止まらぬ連続突撃を繰り出し、ソーサリーメタリィラビットを翻弄します。銀色のウサギは水中から次々と繰り出される見えない攻撃にパニックを起こし、ついにその場で動きを止めてしまいました。
決着:水中の赤面爆炎
「セ、セイナさん、ナイスですぅ! ……今のうちに、最大火力で……っ!!」
鈴は水面に浮きながら(カレンが浮き輪代わりに鈴を支えています)、杖を水中に突っ込みました。
「……恥ずかしくて、顔から火が出そうですぅぅ!! 【水中・赤面爆炎】!!」
――ドッゴォォォォォォン!!!
水中で爆発した炎は、鈴のピュア・アクアと混ざり合い、超高温の熱水となってウサギを包み込みました。物理無効の銀色の体も、この聖なる熱水の圧力と魔法ダメージには耐えられません。
「……キュゥゥゥ……ッ!?」
ソーサリーメタリィラビットは銀色の光を放ちながら、小さな魔石へと姿を変えました。
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事件の結末:洞窟の温泉化
数分後。
洞窟内は鈴の魔法の余熱で、ちょうどいい温度の「天然温泉」のようになっていました。
「……ふにゃぁ……。なんだか、疲れが取れる気がしますぅ……」
鈴はカレンの背中に乗ったまま、温かいお湯に浸かって極楽気分です。
「鈴様、お疲れ様ですぅ。……私、お役に立てて嬉しいですぅ……っ」
セイナも水面から顔を出し、恥ずかしそうに、でも誇らしげに微笑みました。
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 桜井 鈴 | Lv.499 |
| セイナ | 【水中MVP】 | 鈴の魔力を受けて、霊体の輝きが増している。 |
| カレン | 【巨大浮き輪】 | 鈴を乗せてぷかぷかと浮いている。 |
| ミィア | 【避難】| 「水は嫌いだニャー!」と天井の岩にへばりついている。 |
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「……さて、このお湯が冷める前に、こっそり帰ってお洗濯しなきゃですねぇ」
鈴たちが温泉気分で洞窟を後にしようとしたその時。
洞窟の入り口で、びしょ濡れになったシオンが「……あ、あんたたち……中で何を……ぐふっ(湯気にあてられて気絶)」と倒れているのを、ヒルダが無言で踏み越えていくのでした。




