鈴のリフォーム大作戦
「……ここだ。間違いない、この岩壁の奥からとてつもない魔力を感じるぞ……!」
執念の捜索の末、シオンはついに猫神様のダンジョンの入り口付近へと辿り着きました。しかし、そこには鈴の無意識の防御魔法と猫神様の強力な結界が幾重にも重なり、物理的な道すら見当たりません。
「くっ……! 空間が歪曲されているのか? まるで世界に拒絶されているようだ……」
シオンは目の前のただの岩壁を前に、一歩も中へ進むことができず、ただ呆然と立ち尽くすことしかできませんでした。中から漏れ出す「温かくて少し恥ずかしい魔力」の残滓を浴びながら、彼は愛用の魔導書を握りしめ、その場に釘付けになっていました。
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ダンジョン内部:鈴のリフォーム大作戦
外でシオンが立ち往生しているとは露知らず、ダンジョンの中では鈴が「みんなのプライベートルーム」を作るべく、張り切っていました。
「ふにゃぁ……! せっかく家族が増えたんですから、みんながのんびりできるお部屋をプレゼントしたいですぅ!」
鈴が集中して【空間創造魔法】を唱えます。
カレンの部屋:カレンが巨大な体を丸めてぐっすり眠れるよう、最高級の魔獣の毛を敷き詰めた「巨大ふかふかクッション」が鎮座する、森の洞窟のような安心感のある部屋。
ヒルダ&ミィアの部屋:ヒルダには武器の手入れができる静かな工房、ミィアには高いところに登れるキャットタワー付きの遊び場が併設された、機能的な連結ルーム。
そして、最後に作り上げたのがセイナの部屋でした。
セイナの部屋:空中アクアリウム
「セイナさんはお魚さんがお友達でしたから……これなら、恥ずかしくなっても隠れられますねぇ!」
鈴が作り出したのは、壁一面が巨大な水槽になっている幻想的な部屋でした。しかもその水槽は、鈴の【ピュア・アクア】で満たされており、常に聖なる癒やしの力が循環しています。
「わぁ……! こ、こんなに素敵な場所、私が使ってもいいのでしょうか……? 恥ずかしいですけど、とっても……ワクワクしますぅ!」
セイナはぬいぐるみの体から「シュルリ」と抜け出し、霊体の姿に戻りました。そして、誘われるように水槽の中へと飛び込みます。
「……ふふっ。やっぱり、お水の中は落ち着きますぅ……っ」
セイナは「水中遊泳」の能力を存分に発揮し、霊体のドレスを水になびかせながら、人魚のように優雅に、気持ちよさそうに泳ぎ始めました。水槽の中をスイスイと回り、時折リボンのような泡を出しながら、彼女は自分だけの聖域を楽しんでいるようです。
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現在の状況
| 登場人物 | 状態 | 備考 |
| 桜井 鈴| Lv.479 | 【建築家モード】 最高の部屋ができて大満足。 |
| セイナ | 【水中遊泳中】 | 水槽の中でリラックス。恥ずかしさも少し和らいでいる。 |
| 猫神様| 【視察】| 「吾輩の部屋には高級な爪とぎを置くニャ!」 |
| シオン | 【入り口で硬直】| 外の岩壁を指先でなぞりながら「鈴……」と呟いている。 |
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「……ふふっ、セイナさん、とっても楽しそうですねぇ」
鈴は水槽越しに、スイスイ泳ぐセイナに手を振りました。外でシオンが「この壁の成分は……!」と熱心にメモを取っていることなど、この幸せな空間には微塵も関係ないのでした。




