恥ずかしがり屋さんのゴーストさん❓
「ふにゃぁ……、今日は本当に波瀾万丈でしたね。猫神様、お家に帰ったらさっきの美味しいお魚で……って、ふぇ?」
別荘の玄関に戻ってきた鈴たちが目にしたのは、ドアの前に置かれた、銀色に輝く立派な一匹の魚でした。
「ニャー! 気が利くニャ、誰かの差し入れかニャ? お腹ペコペコだから、さっそくいただくニャ!」
ミィアが我慢できずに、その魚をガシッと掴もうとした、その時です!
「……あ、あの……っ! た、食べないでくださいぃぃ!!」
「「「ひぎゃぁぁぁっ!?」」」
なんと、置かれていた「魚」そのものから、消え入りそうな、切実な女性の声が響きました! 鈴一行は一気にパニック&警戒モード。ヒルダが剣を構え、カレンが鈴を背中に隠します。
「な、何者ニャ!? 魚が喋ったのかニャ!?」
猫神様が鋭い声を上げると、銀色の魚から、モヤモヤとした淡い光が溢れ出しました。すると、その魚の背負うようにして、透き通った体を持つ、一人の女性の姿がゆっくりと浮かび上がってきたのです。
魚に憑依したゴーストさん
「う、うぅ……。ごめんなさい、驚かせるつもりはなかったんですぅ……。でも、食べられちゃうと思ったら、恥を忍んで出てくるしかなくて……っ」
現れたのは、淡いドレスを着た、とても優しそうな……そして、鈴以上に顔を真っ赤にしてモジモジしているゴーストの女性でした。彼女の足元(?)は、地面に置かれた魚と光の糸で繋がっているようです。
「ご、ゴーストさん……!? お、お魚さんの中から出てきましたぁ!?」
「い、いえっ! 私はセイナです……ええと、数ヶ月前にこの近くの海で船が難破してしまって死んだと思ったら幽霊になっていて……。でも、どうしても恥ずかしくて幽霊として漂う勇気がなくて、たまたま近くにいたこのお魚さんに……その、『憑依』させてもらっていたんです……」
彼女は魚のヒレをいじるように、指をもじもじさせながら事情を話し始めました。
| 特徴 | 詳細 |
| 状態| 新米ゴースト。姿を見られるのが恥ずかしくて、常に魚に潜り込んでいる。 |
| 悩み| 魚に憑依しているせいで、誰かに「美味しそうな魚」として拾われ、食べられそうになる。 |
| 現状| 津波で打ち上げられ、運良く鈴の別荘の前に辿り着いた。 |
「……お魚さんの中にいれば、誰にも気づかれないと思ったんですけど……。まさか、そのまま食卓に並びそうになるなんて……。恥ずかしい……消えちゃいたいですぅ……」
ゴーストはそう言うと、ポッと顔を赤くして、また「シュンッ」と魚の体の中に潜り込んでしまいました。見た目はただの魚ですが、中からは「うぅ……」という恥ずかしそうな吐息が漏れています。
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「……ふにゃぁ。……なんだか、隠れたい気持ち、すっごくよく分かりますぅ……。私も恥ずかしい時は、カレンさんの毛の中に潜り込みたくなりますし……っ!」
鈴は、自分以上に「人目が怖い」という徹底したスタイルのセイナさんを見て、すっかり同情してしまいました。
「……悪い霊ではなさそうですね。……しかし、ずっと魚の中にいるわけにもいかないでしょうに」
ヒルダが困ったように笑うと、魚が再びヒレをピクピクさせて答えました。




