表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/100

95

「龍王は二度天から祝福を授けられる。一度は生誕した時、二度目は番を設けた時だ。」


メイリンはハクレンの言葉に耳を傾けていると、幼い頃から聞いていた龍王の言い伝えを思い出していた。

誰もが知ってるわらべ歌。

龍王が番を得て、大地に祝福を授ける、と。


「これが龍珠。唯一天と通じることのできる至宝だ。私は以前無闇に触れて怒りをかった。もう一度触れて許されるのかわからないが、もうこの国にはこれしか手立てはない。」


この国に蔓延る病は猛威を振るい、国ごと消そうとしている。

それをすぐに止めるためには祝福を授けて貰うしかない。

玉座の様に階段の高台に置かれていた龍珠は、宝石の様な輝きもなく、水晶やガラスよりももっと透明で奥にある物をただそのままに映す、丸い玉だった。

メイリンがその珠が水の様に動いた様な気がして、パチクリと瞬きをした。


「怖いか?」


ハクレンがメイリンの顔を覗き込む。


「いえ。」


メイリンは即座に答えた。

もしも死ぬことになっても一緒に死ねるならそれでいい。

ハクレンが先に龍珠に触れた。

メイリンはその手と反対のハクレンの手を取って繋ぎ、決して離れない様にと指を絡ませる。

そして、もう片方の手で龍珠へ触れた。

しかし、触れた感覚は無く、メイリンの手は何処まででも龍珠の中へと入っていく。


「メイリン!」


ハクレンが叫ぶ。

気づいた時にはメイリンの身体半分が龍珠の中に入り込んでいた。

叫びたいのにメイリンの口はもう龍珠の中に入り込み、口もうまく動かせない。

もうハクレンの声も届かない。

澄んだ龍珠がハクレンの姿だけをそのまま映し、メイリンは見ているだけしかなかった。

最後は繋いだ手だけが残り、絡めた指も少しずつ離れて、やがて完全に離れてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ