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何も考えずに飛び出したメイリンは気づけば、地上近くを飛んでいた。

メイリンに一本の矢が刺さる。

メイリンはそのまま地上へ落ちそうになったが、何とか持ちこたえた。

遠くに鶴に矢を当てて喜ぶ兄弟の声がする。

メイリンは鶴としてその兄弟の晩飯になる訳にはいかない。

番の元へ行かなくては。

メイリンは空を飛ぶ。

落ちてこない鶴に兄弟はもう一本矢を打ち込んだ。

しかし、鶴は落ちてこないまま、その場を去って行ってしまった。

良かった…龍心を飲んだからまだ飛んでいられる。

メイリンに刺さる二本の矢は通常の鶴ならば息を引き取ってもおかしくない程の傷を与えていた。

メイリンの二本の足を伝って沢山の血がポタポタと滴っている。

おかげで頭も心なしか回るようになった。

けれど、長くは持たないことをメイリンは知っていた。

首からかけていたハクレンの角笛があるのをおもいだし、それを鳴らしなが、メイリンは空を飛ぶ。

龍同士ならば天命の絆によって互いに共鳴し、呼び合うと言う。

人間であるメイリンは当然それを持っていない。

メイリンはハクレンを見つけ出す術を持ってないのだ。

そんな絶望感もあれど、鶴の羽織によってハクレンを探せる喜びと、龍心を与えてくれた喜びがメイリンの胸の中で溢れる。

今この時もメイリンの命が削れていく。

いつ命を落とすかわからない中でもハクレンに出会えた喜びをメイリンは感じていた。

悲しさや寂しさはあれど、何故だか幸福感の方が強い。

それは最期だからだろうか?

でも、やはり最期は番のそばに居たいのだ。

愛するハクレン様の元へ。

地が大きく揺れ、メイリンの飛ぶ空も大きく揺らぐ。

それがハクレンの声だと気づいたメイリンは、山の奥の洞窟の中へと潜り込んだ。

洞窟の中はハクレンの放つ光によって明るくその姿を獰猛に映し出していた。

痛みに我を失い、のたうち回る龍にメイリンは近づく。

龍が動くたびに落ちる岩に華奢な鶴などひとたまりもないだろう。

メイリンは潰れてしまったとしてもよかった。

最期に愛しい人に触れられるのならばそれでよかった。

今にも食い千切らんとするその口元にメイリンはピタリと顔と羽を寄せる。

その瞬間、互いの心臓の音がドクリと聞こえた。

ハクレンは我に返り、自身に寄り添う愛しい存在に気がつく。

ハクレンの目には確かにその鶴が愛おしそうに笑った気がした。

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