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「こんなにたくさん…」
いつのまにかメイリンの方が息が上がっていた。
「これだけでは足りぬからな。本当ならば全てにつけたいくらいだ。」
メイリンは病気のように赤く斑点に覆われた自分を想像して、首を振った。
「…では、私の番です。」
龍王の衣に手をかけ、胸元を露わにするとメイリンはまた唇をつける。
そして、思いっきり吸った。
「んっ。」
龍王の声に強くやり過ぎてしまったと、メイリンは慌てて唇を離した。
胸元には赤い跡がくっきりと残っている。
「痛かったですか?」
「いや。」
龍王は否定したが、メイリンは不安になって龍心を剥がす手引きを教えてもらった時のように周囲を舌で愛撫する。
よく見れば龍心を取った首元には血が垂れており、それを綺麗にするようにメイリンは舐め取っていく。
「だめだ、メイリン!」
龍王がメイリンの口を手で覆う。
「…お嫌でしたか?」
色ごとに不慣れなメイリンは失態を犯してしまったとシュンとする。
いくら妃教育があったとしても、それはどちらかと言うと精神面的なことでお支えする手法が多く、具体的な閨に関しては龍王に身を任せてしなさい、としか言われていない。
メイリンはサーシャにもう少し尋ねるべきだったと、一瞬にして猛反省しているところだった。
「違うのだ。いくら魔力を消費して落ち着いたからと言って煽られると…もう…」
龍王の身体が妖しく光る。
そして、メイリンは自身が発情期であることを思い出した。
「ごっ、ごめんなさい!でも私は龍心を飲みましたのでもう…」
何を考えたのか、メイリンは自身の身を差し出すように帯を解こうとしていた。
「やめっ…龍心が馴染むには時間がかかる。まだだめだ!」
龍王から手を止められ、メイリンはまたシュンと首を項垂れた。
「そのかわりに責任は取ってもらう。」
龍王はそう言うとメイリンに唇に自身の唇を押さえつけた。
またメイリンの口内を開いて温かい何かを注ぎ込む。
それが魔力だとメイリンはやっとわかった。




