49
とにかく全てが燃えるように熱かった。
熱い中に何とも言い難い痛みがメイリンを襲う。
開けた瞼はまた自らの重みで閉じていく。
力などは一切入らず、ただ熱に浮かされ痛みに蝕まれるだけ。
あまりの痛み叫びたいのに叫ぶ声も上げられない。
ただ獣のように唸るような声だけが口から漏れていた。
「時間はかかりますが、跡形もなく治せます。」
耳鳴りのする中で遠くにそんな声を聞いて、メイリンはまた瞼を閉じた。
再び瞼を開けた時には手を握る龍王がいた。
前よりは鮮明に見えるが、もう片方の手を動かそうとして、メイリンは声にならない声を上げた。
そして、連動して身体の腹部あたりが痛む。
耐えれないほどの痛みにメイリンはただもがき苦しむほかなかった。
「すまない。すまない、メイリン。」
龍王の美しい顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。
それでも目に写るだけでメイリンは痛み以外のことは考えられない。
部屋に入ってきた侍女は代えの包帯や薬を持って来てそのまま去っていく。
と、次の瞬間、龍王はその煮出した汁のような薬を口に含むと、口渡しでメイリンに飲ませる。
その薬の苦さにむせようとするが、すかさず口直しの甘いシロップもメイリンの口の中に注ぎ込む。
そして動けないメイリンの衣服の帯を解くと、薬を塗り、丁寧に包帯を巻くなどと甲斐甲斐しく龍王自らがメイリンの世話をしていた。
薬が体に染み渡るのを感じるとメイリンは痛みから少しずつ解放されていった。
「メイリン、龍心を飲んでくれ。じゃないと心が落ち着かない。今すぐに子が望めなくともメイリンが元気ならばそれでいい。だから、どうか…」
一通り世話した後、メイリンの無事な方の手を龍王が再び握りしめて言う。
「良き…王で、あります…ように。」
初めて出た言葉はそれだった。
言いたい言葉は沢山ある。
しかし、出た言葉はサーシャから教えられた言葉だった。
「ああ、メイリンの誇れる王であろう。心配するな。メイリンは今は自分のことを考えてくれ。せめて龍心を…」
メイリンが少しだけ首を横に揺すった。
「約束した、から…早く、大人、に…」
龍王とのことを思い出すとメイリンは笑顔になる。
早く、愛しい人を抱きしめたい。
安心したメイリンはまた眠りについた。




