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「カク族の長、ヨクウと申します。」


謁見の間に両手の合わせて跪く鶴の者をメイリンは龍王の側のつい立から覗いていた。

龍王は渋ったが、メイリンは一目鶴の姿を見て見たかったのだ。


本当に鶴みたい。


着ている服も白と黒で鶴と同じ配色であり、広い袖はまるで羽のようだった。


「苦しゅうない、面を上げよ。」


そう龍王が言い、顔を上げた鶴の容姿はメイリン達の種族に似て、切れ長の目に長く真っ直ぐな黒い髪を持っていた。

そして、男性でありながら肌は粉を塗ったように白く、おでこから眉間にかけて赤い模様が描かれている。

鶴の黒目がちな目がメイリンを捉える。

メイリンはびっくりしてつい立の後ろに慌てて隠れた。


「我が番いが見たいとのことで連れておるが、気にしないでくれ。」


龍王がそう言ってくれて、メイリンはもう一度鶴を見た。


「お噂はかねがね聞いております。…しかし、どこかで…いえ、失敬。」


ヨクウは言いかけて、やめる。


「私は北の草原でいつも鶴たちが通るのを見送っていました。その時お会いしたのかもしれません。」


メイリンは喋ると、龍王がコホンと不機嫌そうに咳をした。

ヨクウが慌てて龍王の方へ居直る。

メイリンも余計なことをしてしまったと、少し慌ててしまった。


「所で地上に別荘を建てたいのだが、協力してくれないか。」


そこは元賢王である、龍王もそれ以上咎めることなく本題へと入っていった。

しかし、ヨクウとの話が終わると龍王はその不機嫌さを露わとする。


「メイリン、龍の番いが嫉妬深いのを知っているだろう?」


その表情にメイリンは二、三歩後ずさりをした。


「逃げるのか?メイリン。」

「いえ…」


追い詰めようとする龍王にメイリンは諦めて捕まることにした。


「貴方のせいでまた無駄な時間を…」


龍王の後ろでまたカンレイがブツブツと小言を言っている。

メイリンは龍王の手によって軽々と抱えられ、すぐに私室へと連れて行かれてしまった。

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