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「夜遅くにごめん。今話せるかな?」

「わかった。」


メイリンは木でできた窓を開けた。


「メイリン…」


懐かしい顔にメイリンは自然と笑みを浮かべた。


「ただいま、ローヤン。」


メイリンは安心した表情でローヤンを見ていた。

それはいつもローヤンがいれば安心できた思い出が、メイリンの中に今もあるからだ。

不意にメイリンを選ばなかったあの日を思い出したが、それはローヤンの所為ではなく期待してしまったメイリンの自身の所為だろう。

長年積み重ねてきた信頼は早々には崩れたりはしない。

メイリンはただの幼なじみとしてローヤンを迎えた。


「お帰り、メイリン。」


いつも自分が言っていた言葉をローヤンが言うことにメイリンは深い感慨を覚える。


あの時は一緒に数を数えながら二人で家まで歩いて帰った。


どん底にいたメイリンを救ってくれた人。


「…メイリン、ずっとあの日のことを謝りたかったんだ。」


静かな夜の草原にローヤンの言葉が響く。

メイリンは穏やかな表情のままそれを聞いていた。


「メイリン、ごめん。本当にごめん。…僕は本当は君とそのまま結婚したかった。好きなんだ、メイリン。許されるなら、君と逃げたい。」


何故、みんな愛の告白をする時は苦しそうなのだろう。


メイリンはそう思った。

月の光が苦しそうな表情を浮かべるローヤンの顔をはっきり映すように、眉間にしわを寄せたメイリンの顔も映し出していた。

その表情を隠すようにメイリンは窓の下に隠れた。

メイリンはローヤンの気持ちは薄々気づいていたのだ。

気づいているからこそ、ローヤンと結婚することで今までの恩返しができるとメイリンは知っていた。

あの時、ローヤンの父が言っていた時、その時に言って欲しいかった。


あの時言ってくれたのなら、私はどこまででもついていった。


メイリンの胸がギューと締め付けられる。


でも、もう無理だ。

あの日、あの時、真っ直ぐ私を求めて来てくれた光に…


「…恋、しているの。」

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