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メイリンはたった今気付いてしまったのだ。
一人誰からも求められない寂しい世界で、真っ直ぐにただ私にだけ落ちてきたあの美しい龍に、メイリンは一目で心を奪われた。
そのことに心を背けることなんてできない。
ローヤンのことは好きだったけど、それは恋愛ではない、敬愛だ。
ローヤンの存在は大きすぎて、メイリンにとっては崇めるべき人であった。
「…だから、貴方とは一緒に行けない。」
不誠実だとわかりながらも、メイリンは顔を上げられなかった。
きっとローヤンは悲しそうな顔をしている。
「…そっかぁ…メイリンは少しでも…僕と一緒に居たいと思ってくれていた時はなかった?」
今でも時々夢に見るくらいに、ローヤンと結婚して幸せそうな家庭を築く未来をずっと夢に見ていた。
時には人から疎まれ、蔑まれる生活の中でローヤンはメイリンの希望でもあった。
「そんなことはない!ずっと…私はローヤンに人生を全て捧げて仕えたいと思っていたの。」
思わずメイリンは顔を上げた。
今更な言葉だけれど、メイリンは伝えたかった。
目が合ったローヤンは少し驚いて、優しく笑った。
「…僕は…メイリンを仕えさせたかった訳じゃないんだ…それでも一緒に居たかった。」
「私もよ。」とメイリンは言いたかったけれど、言葉を飲み込んだ。
今は一緒に居られないから。
あまりにも夢の中が幸せ過ぎて、夢が覚めるその時まで願っていることはある。
それでも隣に寝ている美しい龍がその夢を夢の中のものだけにしてしまう。
長年の恩人の気持ちを踏みにじっても、龍の願いを叶えたいのだ。
「さよなら。ローヤン。私は貴方を尊敬していた。」
メイリンとローヤンはお互いに涙を流していた。
気がつけば何年も一緒に居て、一緒に居過ぎて二人でいることが当たり前になっていた。
私たちは機を逸したのだ。
あの時に、いやもっと前にでも、どちらかが少しでも、それを匂わすことだけでも言っていれば、未来は違っていた。
そして二人の気持ちがすれ違った一瞬のうちにメイリンが心変わりをしてしまった。
「そして…ごめんなさい…」
メイリンはローヤンが去っていく姿をみていた。
ローヤンが居なくなってもずっと、ずっと…




