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「一昨日は…怖い思いをさせて、すまなかった。」


いつものようにメイリンが龍王の膝の上で食事をしていると、龍王が切り出した。


「こちらこそ、不快な思いをさせてしまい、すみません。」


逆にメイリンが謝る。

確かに命は危なかったかもしれないが、それよりも龍王の苦しそうな表情の方が気になって仕方なかった。


「いいんだそんなこと。メイリンが無事なら何だっていい。」


龍王はまた苦しそうな表情をしている。

メイリンはそっと龍王の頰に手を伸ばした。


「私は…その表情の方が気になるのです。できれば、ハクレン様がそんな顔をしなくていいようにしたいのです。」


龍王がいかにメイリンを大切に思っているかなど、その表情で痛いほどわかった。

それがメイリンの心を龍王の近くへと惹きつける。


「…それは当分無理かもしれぬ。頼むから早く大人になってくれ。」


苦しそうな表情に笑みが混じる。

今のメイリンにはこれが精一杯なのかもしれない。


「早く大人になりますから…」


メイリンが頰に当てていた手で龍王の顔を自分へと誘導する。

微かに唇同士が触れる。

すぐにそれが離れると龍王か驚いた顔をしていた。

胸が張り裂けそうな程鼓動が高鳴る中、メイリンは龍王の反応を見ていた。

次は龍王から唇を重ねる。

メイリンはそれを受け入れるように龍王の首に両手を回した。


「…喜ばせすぎるのも程々にしてくれ。歯止めをかけるのも大変なんだ。できれば上手くあしらってくれ。」


龍王の表情は緩んだが、次は困ったように笑っている。


「善処します。」


まだ痺れるような甘い目眩がメイリンの視界をボヤけさせている。

メイリンは龍王と居ることで少しずつ大きくなっていく自分の一面を感じていた。

それはそれまで考えてこなかった女性としての自分。

恋とはまだ言えないけれど、龍王の存在がメイリンを確実に女性にしていくのだ。

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