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「約束の1カ月ですので、里帰りを許可いたしましょう。」
カンレイの言葉にメイリンの目が輝く。
1カ月は忙しくあっという間に感じたが、寂しくなかった訳ではない。
龍王と四六時中一緒に居ても、豪華な生活をしていたとしても、思い出すことは多々あった。
年の離れた弟は覚えてくれて居るだろうか。
龍王との結婚を心配そうにしていた父と母は元気だろうか。
何も言わずに行ってしまった兄、それから羊たちも。
生まれてからずっと暮らしていた小さな家。
貧乏で、生きて行くのも大変だったけど、幸せだった。
この恋しさはなんと例えればよいだろう。
「その際は、くれぐれも逃げ出すことないように。まあ、逃げ出すことはできないですけど。」
カンレイが龍王の方を向いた。
確かに龍王はメイリンを絶対に逃したりはしないだろう。
メイリンの頭の中に、前に聞いた心中やら幽閉やら物騒な言葉が浮かんでくる。
しかし、メイリンは逃げるつもりもない。
龍王を安心させるように、メイリンは龍王の手を握った。
「メイリンも里が恋しいだろう。早々と向かうとしよう。」
龍王はそう言ってメイリンの手を握り返した。
メイリンが後宮から戻った時から、龍王との関係は劇的に改善している。
メイリンが少しずつ龍王を受け入れるようになって、龍王もメイリンを信頼するようになり、余裕が出てきたみたいだ。
龍王がそっとメイリンを抱き寄せてベランダへ向かうと、そのまま龍の姿になった。
「メイリン、大丈夫か?」
「はい。ハクレン様、お願いします。」
メイリンは覚悟を決めた…つもりだったが、懐かしい草原の家が見えるころには、フラフラになっていた。




