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異世界にゲスト神として召喚されたらしいんだが……  作者: 謎村ノン


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.4.ジードの従姉妹(1)

※前話、投稿ミスだったようですみません。続き投稿致します(冒頭も重複していたので削除しました)。

 夢を見た。

 一人の美しい女の人が、見上げるほど巨大なドラゴンと闘っていた。

 つるっとした醜悪な顔をした、とかげを引き伸ばして申し分程度に翼を付けたような、よくRPGにでてくる西洋のドラゴンとは、似ても似つかないシロモノだった。

 女の人は、両手を額の前にかざす。

 すると青白っぽい光が溢れ出し、ドラゴンが炎に包まれた。

 そうだ、あの光を僕は何度も見たことがある、と思いだす。

 僕も助けに行かなくては。この手に持った『神秘の槍』を、こん、こん、と、ドラゴンに突き立てるのだ。

 こん、こん?


 誰かが、何かを叩いていた。

 目を開けると、朝日が眩しかった。

 一瞬、自分がどこにいるのか分からず、戸惑った。

「はい」

 叩く音は、ノックの音だと分かったので、とりあえず返事をした。

「おはよう」

 ドアを通して、くぐもった声が聞こえた。

「ぐっすり眠れた? 朝食の用意ができてるよ。食べ終わったら、このオーネを案内するから」

「あ、はい」

 ようやく、ここは『海の宮殿』で、今話していた声の主はジードだ、と思いだした。

「じゃ、また!」

 ジードが廊下を歩く足音を聞きながら、しょぼつく目をこする。

 そうだ、着替えなくては、と思った。

 昨日は、すぐ寝てしまったので、部屋の中は、あまり見慣れない。見回すと、タンスがあった。

 いや、『ルグ』とかいうやつを使うべきなのだろう、と思いだす。

 心に念じる。

 すると、僕は、例の白い貫頭衣を着ていた――別の服でもいいのだけれど、あまりここで目立つものにしてはいけないだろう、うん。

 ついでに、シャワーを浴びた状態を想像した。

 手のひらを頬に当てると、つるつるになっている。

「鏡よ、出でよ」

 わざと、もったいをつけて言ってみる。すると、手のひらの中に手鏡が出現した。

 鏡を見て、また念じると、いつもの見慣れた髪型になった。

「よしっ、と。これでオーケーかな」

 昨日、初めて『ルグ』とかいうものを見た時は驚いたけど、案外便利かもしれないと思った。しばらく、この世界にいなければならないなら、使い慣れたほうがいいだろう。

 僕は、自分でも思うのだが、一旦、驚いた後は、状況に適応するのが早い方だと思う。

 まあ、これは別名『いきあたりばったり主義』ともいうけど。

「……とにかく、できるだけのことは、やってみよう」

 一晩寝て、そういう結論に達していたのだ。

 まずは、もっとこのオーネ世界のことを知らないことには何も分からない。ジードと、もっと話をしてみるべきだろう。

 そこまで考えて、鏡を消して、ベッドから立ち上がった。

 ちょうどその時、ドアがノックされた。

「よろしいですか?」

「あ、はい」

 応えると、ちょっと茶色がかった黒髪をした女の人が入ってきた。昨日の食事の時にも見た、給仕の人だ。

 彼女は、僕の姿を見て開口一番、

「まあ。なんともったいないこと!」

 ――と、目を大きく見開いて、告げた。

「え?」

 僕が戸惑っていると、彼女は微笑んで、言った。

「普通、『神族』の方々は、日常のこまごましたことには、『ルグ』を使わないのですわ。いえ、別に決まりという訳ではないのですけれど」

 彼女は、ドアの外からトレイを運んできて、蒸らしたタオルや、着替えの入ったバスケットを見せた。

「そうしないと、私達の『仕事』がなくなってしまう、という『神族』のみなさまのご配慮なのです」

「そうなんですか……」

 神様も、いろいろと大変なのかもしれない、と思った。

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