アーカ・グランジ
ゴーストタウンよりもヤバイ町がある。
発電という文明はケーブルと一緒に何か得体の知れないモノを連れて来た。
最初は小さな勢力だったのだろう、そいつはひっそりと隠れて暮らしていた。
やがてそいつは増えてそいつらとなり、闇は分厚い層を作り、街灯の灯りですらそいつらが放つその色に吞み込まれてしまっていた。
どいつもこいつもあの子も植物でさえも金縛りにかかってみんな身体が動かん。
「チェンジザワールド!」
闇の中で何者かが右手を天に向かって掲げた。
その小さな手は開かれている。
闇は分厚い層を作り続ける。
しかし、一筋、ほんの一瞬だけ小さな一筋の光が闇の中で弾けるように光った。
「ふぇー、なんだここ暗いなぁ?」
辺りを見回すこの少年はどこから来たのだろう?
「もし?少年、もし?少年」
黒いローブに包まれた者が少年に駆け寄り話しかける。
「私は闇の世界の住民だ」
「私が見えるか少年?」
闇の住民が少年に問いかける。
「ああ、見えるよ?」
闇の住民は余りにも眩しすぎる少年の瞳の輝きを見た。
「目を伏せて話してはくれないか?」
闇の住民は言う。
「何故?ボクは目を見ながら話したい」
少年は意味が分からず返答した。
「君が何と言おうと止めて頂きたい」
少年の言葉は闇の住民には伝わらない。
「アーカ・グランジ」
少年が言葉を発すると闇の住民が消えた。
「僕の名前だよー!!」
少年は闇に向かって叫んだ。




