エピローグ 15年後
ドラゴンプラネット、サービス終了へ
18年もの間、フルダイブゲームの入門編として親しまれたドラゴンプラネットが今年の10月で終了することとなった。
プレイヤー達がお世話になった仲間NPCは別サーバーに保存され、他のゲームで使用可能とのこと。数多くいる名NPC達も他のゲームへお引越しだ。
終了の日である10月31日には多数のプレイヤーが昔を懐かしみ、ゲームにダイブする。
ドラゴンプラネットは無くなるが、その革新的ゲームの遺伝子は今後も多くのゲームに引き継がれていく。
長篠高校 教室
長篠高校というのは、かつて表五家という悪い人達を倒した中心人物が多数いることで有名だ。私はその事件についてよく知ってる。お母さんとお父さんがその事件で死んだことも。
でも、昔から遊人お兄ちゃんとかたくさん面倒見てくれる人がいたし、寂しくない。
「うーん」
教室で私は今、手鏡を覗き込んで考えていた。私、エルディア・ソルヘイズは長篠高校の1年11組に所属している。夏休みも終わり、制服も随分馴染んだ気がする。私達の世代が制服を着れるのも、遊人お兄ちゃんが制服を無くそうとするファッション業界の陰謀をカードゲームで止めたからだ。
うん、私にもこの話は意味がわからなかった。眼鏡を直しつつ、しばらくなんでそうなったか考えたけど無駄だった。
鏡を見ると、私は外見がお母さん、性格がお父さん似だと言われた理由がよくわかる。写真で見たお父さんの顔の要素が微妙にしか入っていない。ただ、性格ってどうなんだろう?
「おはよう、エルディア」
「あ、おはよう橙」
考え事をしていると、クラスメイトの大川橙が教室に入って来た。橙の両親はインフェルノの経営者だったんだよね。遊人お兄ちゃんとも知り合いだったって。表五家事件の時、おじさんの緋色さんが中二病拗らせて大変だったみたいだけど。
私はある香りに気付き、結雅の長い黒髪を指で梳かす。確かにいつもの結雅の香りじゃないね。ちょっと髪質も違う。
「あれ? シャンプー変えた?」
「よく気付いたね」
「江戸の姫君がタイムスリップして来たのかと思ってね。私の正室になってほしいな」
私が結雅の腰を抱きつつ近寄って耳元で囁くと、彼女は顔を真っ赤にして照れた。私は素直な感想を述べただけで、おだてようとは思ってないのだけど。
「なに朝からいちゃついてんだ」
「あ、四季くん」
そこに現れた美男子は上杉四季くん。四季くんは夏恋さんの弟くんなんだよね。高校に上がる時、お姉さんのいた学校に興味を持ってこっちに来たの。古今東西、武器には詳しいのよねー。歴史マニア?
あ、そうそう。四季くんに渡すものがあったんだよね。
「今日、お姉さん2人ともお仕事でしょ? はい、お弁当」
「先月チラッと言っただけなのによく覚えてたな。ありがとう」
「四季くんが大好きな味噌田楽も入れておいたよ」
「そこまで覚えてるなんて凄いな」
四季くんに驚かれたけど、クラスメイトのこと覚えてるなんて当たり前じゃない。遊人お兄ちゃんは『女心がわかるのは弐刈、男を翻弄するのはリディアから』なんて言ってたから、ちゃんと両親の性質を受け継げてるみたいで嬉しい。
「そうだ、なんかうちの部活でエルディアに渡して欲しいってもんが」
四季くんは私にたくさんの手紙をくれた。四季くんのいる歴史研究部には少し顔を見せたくらいなんだけどなぁ。四季くんの忘れ物を届けに。
「お前やっぱスゲェな。男女両方から大量にラブレターなんてよ」
「四季くんってお姉さんと違って素直よね」
四季くんはやっぱりお姉さんと違って正直だし素直なのよねー。お姉さんの夏恋さんは照れ隠しに毒吐くから。
「本当よ。普通、男にモテる女は女に嫌われ、女にモテる女は男から反応が芳しくないものよ」
橙曰く、私は本来両立出来ないものを両立しているらしい。なんか凄いよね。ハイセンスだね!
口癖はゲーマーズカフェのマスターをしている遊人お兄ちゃんから。私は遊人お兄ちゃんの弟である順に育てられた。あと、円卓の騎士団を名乗る人達とか名鳩さんとか。遊人お兄ちゃんには2人の妹がいて、解剖医の理架お姉ちゃんと警察官の真夏お姉ちゃん。
四季くんのお姉さんは何かのNPO法人をしているって。事件被害者のケアをする団体だったかな? すぐ毒を吐いちゃう人がしていい仕事かわからないけど。
遊人お兄ちゃんのお友達、あかりさんは音楽の先生としてこの学校にいる。ルナさんはゲーマーズカフェでバリスタっていって、コーヒー作る人してるよ。
「あ、そうそう。これ、渡しておくね」
私は橙と四季に結婚式の招待状を渡す。この前、お兄ちゃんの友達の、雅さんとユナさんが結婚したから、式挙げるんだって。
「そうか、とうとう……」
「ユナさん、やったね!」
四季くんと橙も感慨深そうだ。ユナさんが雅さんを追い掛けていたのは私も知ってたから、ホントにとうとうって感じだね。
「ブライダルプランナーは涙さんなんだって」
「複雑な気分だろ絶対それ」
この式のプランを立てたのは2人のクラスメイトである西波涙さん。なんでも、遊人お兄ちゃんのお姉さんの結婚式に呼ばれた時、感動してブライダルプランナーを志したとか。
「西波さんだからいい式になるだろうなあ」
橙から全幅の信頼を置かれる様に、その世界では有名な人らしいね。
「はいみんな席についてー。ホームルーム始めるぞー」
「あ、先生来た。じゃあお弁当箱はお昼終わってから返してね」
担任の森川先生が教室に入って来て、ホームルームが始まる。副担任の鏡華先生は保健室の仕事があるから滅多に来ないのよねー。
「風……?」
私はふと、教室の窓から空を見た。嫌な予感がする。ここじゃない、どこか遠くで嫌なことが起きてるような……。
「気のせい、よね?」
何かが起きたら私達で収めればいい。私は深く考えず、空から目を話す。そうだ、何かあったら私が何とかすればいい。
遊人お兄ちゃん達がそうしたように、私達にだって未来を切り開くことが出来るのだから。
エンド4 「前兆」
ドラゴンプラネット2-World Wide Wer- 完
クリアデータを保存しますか? (クリアデータを保存すると、隠し要素が出現します)▽
→はい
いいえ
今までの仲間が離脱しました。▽
仲間に『エルディア・ソルヘイズ』が加わりました。▽
『直江遊人』の能力を『エルディア・ソルヘイズ』に引き継ぎました。▽
仲間に『上杉四季』、『大川橙』が加わりました。▽
『上杉夏恋』の能力を『上杉四季』に引き継ぎました。▽
どちらのシナリオを開始しますか?▽
遊人編
→エルディア編




