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はじめまして。
この小説を選んでいただきありがとうございます!
読んでいただけるチャンスに感謝感激でございます。
楽しんでいただけましたら幸いです。
ノーリズ大戦は今から5年前にやっと終結した。
20年に渡り続いた皇国と帝国の戦は、両国の地を焼き、数え切れない人民を犠牲にして。
「コウ!こんな所にいたの?探したのよ。」
「あぁ、マリか。ごめんごめん。ちょっと、気分転換に散歩してたら、あまりに気持ちよくって。」
「それで、木陰で寝ちゃったってわけ?もう夕刻なんですけど。」
「うん、そうだね。」
「はぁ、まぁ、いいわ、帰るわよ。」
夕刻でも、まだ昼間の温かさが残ってる。
出歩くにはちょうどいい。
でも、どうして、コウはこんなにふらっといなくなってしまうんだろう。
ねぇ、どうして?
いつの間にか隣に並んだ幼馴染みは、昔のようにはつかめない。
戦が彼を連れ去ってしまった。
ううん、違う。
わたしが変えてしまった。