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70話




なぜか領主様のお屋敷に、お祭り限定の一般市民ご招待封筒をもらい、子供達のためにまず経験しないであろうことなので、せっかくだからと来たのだけど。

その領主様のお屋敷でなぜかプリンを作って、現在は反応待ちです。


アルとエル、シャドウはよく食べているのでパクパクと食べ進めているのだけど、ルイスさんをはじめフロルさん、料理長さんは一口食べて止まっている。


3人の食べっぷりに失敗しているということはないだろう。

砂糖は白砂糖ではなくきび砂糖っぽいもので舐めてみてもきび砂糖に風味が良く似ていた。

牛乳も濃度的にはジャージー牛乳のような濃厚な風味だった。

卵は鶏の卵より少し大きめだったが特にへんな色をしていたとかそうこともない。


なのでいつも作るプリンより少し濃厚な感じになっているかもしれないけれど、材料的にも手順的にも特に代わりはないはずだけどな。

と思っていたら、止まっていたルイスさんたちが勢いよく食べ始める。

しばらく眺めていると食べ終わったのか器とスプーンを机に置くので


「えっと、お味はどうですか?」


声をかけると


「うまい!!」


「美味しいわぁ!!」


「悔しいがうまい!!」


3人からおいしいをいただきましたー。


「ミツルさんの作るプリンは美味しくて当然です」


「ミツのプリンすきー」


アルとエルが褒めてくれる、2人の笑顔が1番のご褒美です!


「先ほどの材料だけでこんなものが作れるとは・・・」


「蒸し料理というものはあまり作らないんですか?」


料理長さんがプリンの入っていた器を見ながらそういうので聞いてみる。

料理の種類を見る限りケーキがあるということはオーブンがあるのだろう、それだと焼きプリンが作れる。

ただ、蒸し器っぽいものがない。代わりに今回はフライパンを使ったので蒸し料理はない、というかあまり使われていないのかな?


「蒸し料理・・・」


「ええ、本来は蒸し器を使って蒸気で蒸しながら作るデザートなんです。

あとはオーブンで作る焼きプリンもありますよ」


こう、バットにプリンを並べてお湯をはって、トースターでも作れるレシピもあったはずだ。

厨房を見回してみるとやはりオーブンっぽいものがある。

ただ、現代日本にある小型のオーブンレンジではなく、こう、なんて言ったらいいんだろうか、イメージしやすいものといえば、あれだな。

魔女の女の子が黒い猫と一緒に宅急便をするあの作品でパイを焼くシーンがあるんだけど、あのオーブンに近いと思う。あとは、ほら、ピザ釜。


焼くと、煮るはあるのでそちらがメインなのかな?

揚げる場合は動物性油脂で揚げれるけど料理によってはクドくなるが揚げるもあるだろう。

蒸すはどちらかというとアジア圏での料理に多いんじゃないかな。

ほら、饅頭とか肉まんとか蒸しパンとか、温泉大国日本だと温泉の地熱を利用して魚や肉、野菜を蒸したりもするもんね。


「ミツルちゃん」


「はい、なんでしょうか?」


「このぷりんってお料理なんだけど、もう一つ頂いてもよろしいかしら?」


「多めに作ったのでどうぞ」


二つ目のプリンをフロルさんに手渡すとニコニコと食べ始める。

今度はゆっくり味わって食べているのをみると、気に入ってくれたみたいですね。


「作り方を見せてよかったのか?」


横から声がかかるのでそちらを向けば料理長さん。


「えっと?」


「この料理一つでどれだけの売り上げをあげられるか・・・ということだ」


「えっと、そうですね、自分は定食屋なのでお菓子屋を開く気はないんです。

それに、これ、簡単に作れるじゃないですか、ということは誰にでも真似ができちゃうということなんです。

たしかに一時的には稼げるでしょうが、でも、砂糖も卵も高いですよね。

それを考えて値段をつけると、高くなっちゃっいますから」


高い砂糖と、高い卵、あとは牛乳。一個あたりの単価はこの世界ではいかほどになるのだろうか、かといって一個百円ぐらいで販売するとそれはそれで問題になりそうだしね。


アルやエル、シャドウやイシュタル様に作る、それでいいと思うんだよねぇ。

あとはたまーに常連さんに、とか。


「・・・そうか、だが、材料や作り方はわかった。

旦那様と奥様には今後は俺が作らせてもらうぞ」


「どうぞ、作ってあげてください。

あ、ただ、食べすぎると太っちゃうかもなので程々に作ってあげてくださいね。」


「ああ、わかった

それとだな、お前の店にも近いうちに寄らせてもらう」


「はい、その時はぜひルイスさんと来てくださいね」


その時は調味料の味に驚いてもらいましょう。

料理人に興味を持ってもらえるということは、この世界に日本の調味料の良さを広める一つの方法だと思うからね。


それから、温室に戻り用意されていた料理を食べる。

アルとエルもお腹いっぱいに食べて、満足したのだろう、椅子に座っている間に船を漕ぎだしたのでソファを借りてそこで少し休ませる。


ルイスさんたちはほかの招待客とお話をしたりして温室の中をあっちへこっちへと移動して、外を見れば夕焼け色になっている。

さて、そろそろお暇しようかな?とシャドウに聞けば、そうだなと返事をもらう。

招待客もボチボチ帰りはじめているので帰りましょうか。


「御領主様、本日はありがとうございました。

貴重な体験ができて、自分も子供達も感謝しております」


「ありがとうございました!」


「ありがとござました!」


人目もあるのであまり気安いのは良くないかなと思い、ルイスさんに丁寧にお礼をいえば


「店に行った時は今まで通りでよろしく頼むぞ?」


「はい、その時はルーさんとして」


「ミツルちゃん。今度は私もお忍びでお伺いするわねぇ」


「はい、ご来店の際はお気をつけてください」


フロルさんも来るとのお言葉を頂いたので、パスタの日はプリンを念のため作ろう。


「それでは、失礼いたします。」


「帰りは気をつけるように、とは言ってもシャドウ殿がいらっしゃるから大丈夫だな」


「もちろん、3人は私がしっかりと守っているので」


シャドウとルイスさんが握手を交わして、お屋敷を後にする。

馬車は門の近くに待機していてくれたので乗り込む。

乗り込んだら馬車が動き出す。馬車の中で小鳥に徹していたルナとメアがフゥと息を吐く。


2人ともお疲れ様、ありがとうといえば、お礼はプリンで!とのことなので、後日改めてプリンを作る約束をする。

今日は流石に疲れたので店に戻ったら着替えてゆっくりする。


晩御飯も今日はレトルトカレーやレトルトの親子丼など、いろんな種類のあるレトルト食品を食べることにする。

簡単だけど温めるだけで美味しい、とっても便利なレトルト食品。


手作りもいいけれど、たまには趣向を変えるのもいいと思うんだよね。

手抜きではない。料理ができない人やお仕事で疲れてご飯を作るのも億劫な人、どんな人でも温めるだけ、で美味しい温かい料理が食べられる。


日本ってすごいよね!

アルとエル、シャドウにルナとメア、イシュタル様もレトルト食品って便利で美味しいといいながら晩御飯をいただきました。


明日はお祭り五日目だけど、午前中は今日の疲れを取るためにゆっくりと過ごしてお出かけは午後から行く予定だ。

さて、五日目と六日目は料理が色々と並ぶそうなのでどんな料理が出てくるか楽しみだ。


夕飯が終わり、お風呂にも入り、寝るまでの時間。

今日のことをアルとエルが興奮しながら話をするのを微笑ましいなぁと思いつつ、ほんわかして眠りにつきました。

2人を連れて行ってよかったよかった。




読んでいただきありがとうございます。(*^^*)


70話ですね。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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