63話
秋の豊穣祭が始まりました!!
一週間ということだが、自分のお店では特に出し物をするわけではなく、いつもと同じ営業時間と料理を提供する。
お祭りは一週間行われるのだが、メインはやはり商店通りと冒険者通りとのこと。
とはいっても住宅街であるこの通りにも多少のお店はあるのでお店によっては出店を出しているところもある。
ムーネさんのところもその一つで出店にはリボンなどの小物をメインに並べているのだが、お祭りの陽気に当てられて富裕層が来ることもあるらしく、そのときはお店の中に案内して今回作ってもらった服をアレンジしたものを新作としてお披露目すると張り切っておりましたよ。
そしてお祭りは朝から夜まで一日中続けてあり、最初の二日はどちらかというと出店がメインという感じなのだそうだ、そして三日目四日目は街にいる魔法使いによる魔法の出し物が行われるそうだ。五日目六日目は冒険者たちと商人たちで食材を出し寄り街全体での食べ放題で食事が二つの通りにある広場に所狭しと並ぶことになるそうだ。
なので五日目六日目はお店を休みとする予定である。
食べ放題があるので飲食店は軒並み休みとなると常連さんから聞いたのでおやすみである。
ちょうど四日目に領主様のお屋敷に行くのでその次の日は自分も子供達も気疲れしているだろう、そういうわけでタイミングよく食べ放題があるのでお休みにする。
七日目は最終日。
この日は領主と魔法使いによる聖霊と妖精に感謝をする祭事のようなものを行うそうだ。
どのような?と常連さんに聞いたら初めて見るのならその日まで楽しみにしたほうがいいから秘密だよと口を揃えて言われたので、当日まで楽しみにしておこう。
さて、そういうわけでお祭り初日である。
開始の合図として朝の9時に領主の館にある大鐘が鳴らされるそうだ。
この鐘は有事の際やお祭りなど特別な時に鳴らすそうで普段は鳴ることはない。
それとは別に各通りに時間を知らせる小さな鐘がある。
これは朝、昼、晩を知らせるもので大体朝の9時ごろ、昼は12時、夜は17時ごろに鳴る。
自分のお店は夕方から開けているので違うが、朝から仕事を始めるムーネさんたちのような職業の人たちの始業、昼、就業時間をお知らせするようなものらしい。
で、今は朝の8時50分。
1日の長さは24時間なのでこの世界専用に向こうの世界から時計を持って来ている。
ただし、時計はこの世界では王侯貴族や富豪が持つものなので人目につかないところに時計を置くようにはしているけどね。
あとは大体日の傾き具合でみんなは判断しているそうだ。
日時計がいくつかの広場にあるのでそれを確認したりもしているらしい。
まぁ、時計って元の世界でも昔は高価なものだったわけで、現代みたいに気軽に手に入るものではなかったと考えれば、この世界で時計を作るとなれば高価になって仕方がないのだろう。
そうわけで、子供達に昼からの仕込みの時間まで、豊穣祭に行くことを告げることにする。
領主様のお屋敷に行く。これは四日目の限定的な予定なので、2人はその日に外出できると思っているのだが、今日まで例の一族の人たちはこの街に戻って来たりしていない。
もちろん、街の外からの旅行者などはいるが、命の危険がない。
というわけで、朝の支度を整えた子供達を呼ぶ
「アルー、エルー、ちょっといいかな?」
「なにー?ミツルさん」
「なーあーにー?」
二階からとんとんとおりてくる2人。
「シャドウ、いいんだよね?」
「ああ、大丈夫だ」
最終確認をして2人に向き直る
「お祭り、行きましょうか!」
そう告げると、目をまん丸にする2人
「いいの?!」
「いけるの!!?」
「いいよ〜、いつも頑張ってくれてるからね!せっかくのお祭り、一緒に行こうね」
やったー!と2人が飛び上がり、手を繋いでクルクルとまわる
可愛い。
「ただし、私とミツルのそばから決して離れないこと。それとルナとメアには鳥の姿になってもらい一緒にいること、守れるか?」
シャドウの真剣な声音に今まではしゃいでいた2人が、ピタッと止まり、シャドウに向き直る
「うん、約束守る!」
「エルもちゃんとまもる!」
2人がきちんと約束を守ると口にしたのを確認してシャドウの真剣な表情が和らぐ
「約束だぞ?」
「「うん!!」」
頭を撫でて微笑むシャドウは最初の頃のどう扱っていいか困っている雰囲気は今ではもうどこにもない。
2人を可愛がっているのがわかるのでとても優しい気持ちになる。
そうこう話しているうちに外から鐘の音が聞こえてくる
それはとても大きくてお店の中だというのにわかるぐらいの音だ
店の外へ出てみるとご近所さんの何人かと子供達が外に出ていて、お店から出た自分たちに気付きおはようと声をかけて来てくれるのでおはようございますと返事をする。
その間も大きく鐘の音が鳴り響き、5分ほど鳴り続けた後、余韻を残して鳴り終わる。
「さぁ!豊穣祭の始まりだよ!」
「なに食べようかなー!!」
隣の家の子供たちが行くぞーっと手を繋いだりして走っていく
親たちは気をつけるんだよー!と声をかける
隣を見るとアルとエルもそわそわしていて今にも走り出してしまいそうだが、約束通り我慢をしているみたい
「じゃぁ、私たちも準備をして行こうか?」
2人にはお店のお手伝いをしてもらっているのでお給料という形で毎月お金を渡している。現時点では自由に使うところがないので貯まる一方のお金を今日は好きに使っていいといえば用意してくる!とお店の中に戻る。
それなりな金額を貯めている2人に元の世界から金庫を買ってきてそこに貯めるように渡してある。
その金庫はこのお店にある限り盗まれるということはないのだが、きちんと管理しないとダメなのでそういうところもシャドウと話し合い教えてある。
さて、この街にきて、初めての自分で稼いだお金での買い物をする2人はどんなものを買うのだろうか?
楽しんでくれればいいのだけれど。
自分とシャドウもお店に戻り、自分はカウンターにポーチなどを準備していたのでそれを身につけて出かける準備は完了。
メアとルナには事前に鳥の姿になって2人のそばにいてもらうことを了承してもらっていたのですでに鳥の姿になって待機してくれている。
そんな鳥の姿の2人をもふもふさせてもらっている間に準備ができた2人が足早に降りてきて、さぁ!お祭りに出発だ!!
読んでいただきありがとうございます。(*^^*)




